テレビ業界は視聴率が1%のアップ・ダウンどころか、0.1%の差でも「勝った、負けた」と一喜一憂し、ゴールデンタイムで1桁台にでも落ちれば番組ストップもあるかもしれないなど、視聴率はテレビ業界にとっては神のような存在です。
では、そんな大事な視聴率とは、どのくらい正確な数字なのでしょうか?
視聴率は、ビデオリサーチ社の例でいうと、関東地方など全国を32の調査地域に分け、それぞれの地域ごとに視聴率を出しています。ここでは関東地方の視聴率を例にしてみましょう。
関東地方では1800万世帯に対し、2700世帯を対象に調査をしています(2020年3月以前は900世帯だった)。1800万に対する2700というと、「約6700分の1」ですが、サンプルさえうまく選べば(ギャラップ社のように)、わずか2700のデータでも、十分な調査ができるというわけです。
■「誤差」はどのくらい正確か?
といっても、サンプルはサンプルですからね。関東地方の1800万世帯のすべてを調査したわけではないので、必ずそこには「誤差(バラツキ)」が出ます。この誤差がどのくらい大きいのか、小さいのか……それが実用上は問題です。
そこでサンプル数が2700で、視聴率が10%の場合の誤差をグラフにしたのが次ページのものです。サンプル数が300、600、900、2700のときの誤差を試算したのがそのあとの表です。
このサンプル数2700では、視聴率で10%と出た場合、誤差はプラス・マイナス1. 2%と考えられるので、実際の視聴率は8.8〜11.2%の間となり、その範囲に入る確率は約95%ということです(8.8%より下のケース、11.2%より上のケースもありえるが、合わせても5%と小さい)。
ここでは数式を出さないつもりでしたが、同社に掲載されていた「実際の視聴率を推定する公式」を掲載します。参考に載せてあるだけなので、ここでは式の意味を理解する必要はありません。流れだけ見ていてください。