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英語を効率的に学ぶために、オススメのマンガは意外にも……? マンガ×英語学習サービス『Langaku』誕生物語

集英社オンライン / 2022年6月21日 15時31分

2022年6月21日、マンガ×英語学習サービス『Langaku』がリリースされた。Langakuは株式会社集英社が主催した、斬新な事業アイデアを持つスタートアップと共に新たなビジネスを生み出すための共創プログラム『マンガテック2020(以下、マンガテック)』をきっかけに立ち上がり、英語で多読する(たくさん読む)ことで、ネイティブらしい自然な英語を学べるのが特徴だ。前編に続き、後編は、Langakuが持つ英語学習の効果をより高める機能や、英語を学ぶのにオススメのマンガについて、開発元のMantra株式会社 代表取締役・石渡 祥之佑氏とLangaku事業責任者・山中 武氏、マンガテックからメンターとして関わり続けている集英社 少年ジャンプ+細野修平編集長が明かす。

ーーLangakuは学習アプリということで、βテストでは学びをサポートする様々な機能を検証したと思います。その中で、ユーザーから好評だった機能などを教えてください。

山中 まず挙げられるのは「英語率」の設定です。これは、割合を変化させることで、ページあたりの英語と日本語の割合を調整できる機能。例えば、50%なら日本語と英語が半分ずつになります。

石渡 Langakuに掲載される作品の英語版は、もともと北米向けに翻訳出版されたものをそのままお借りして使用しています。ネイティブスピーカー向けに作られているため、英語を読み慣れていない人にとっては、マンガとはいえ難易度は高いです。

多読するという目的を踏まえると、わからない箇所は飛ばしてでもたくさん読み進めるのが理想ではありますが、マンガで使われている英語の難易度を考えると、ユーザーの方の英語レベルによっては物語を追うことがかなり難しくなる可能性があります。

そこで、英語には触れつつ、物語もちゃんと楽しんで読んでもらえるよう、ページの中の英語で書かれているコマの割合、「英語率」を設定できるようにしました。

Mantra株式会社 代表取締役・石渡 祥之佑氏(画像左)とLangaku事業責任者・山中 武氏

山中 この機能はかなり好評で、これまでだとすぐに諦めてしまっていただろう英語に不慣れなユーザーの方にも、楽しんで利用していただけるようになった手応えを感じました。

ーー他に好評だった機能はありますか?

石渡 辞書機能を盛り込みました。コマをタップすると、Langakuに搭載されている辞書が起動して、セリフに含まれている単語や熟語の意味が確認できるようになりました。

多読という観点では辞書を見ずに読み飛ばすのが理想とされているのですが、それは辞書を引く手間で疲れて読み続けるのが億劫になってしまうからです。Langakuの辞書ならストレスなくパッと調べられますし、ユーザーからの要望も多かったので、実装に踏み切りました。

石渡 英語率にしても、辞書にしても、当社が磨いてきたMantra Engineの技術が役に立ちました。マンガからコマを切り出したり、テキストデータを自動で抽出する技術がなければ、実装は難しかったと思います。

細野 辞書が実装された時も印象深いですが、個人的には「質問機能」が実装されたのが印象深かったですね。

少年ジャンプ+細野修平編集長

ーー質問機能とは何でしょうか?

山中 2022年6月21日にリリースしたバージョンには実装されていませんが、英語でわからない表現などについてユーザーが質問できる機能です。マンガの中には、ネイティブ独特の砕けた表現も多い。なぜそのような言い方になるかをより深く理解できる機能として試験的に実装してみました。

ーーちなみに、ユーザーから数多くの質問が寄せられたと思いますが、どのように回答したのでしょうか?

山中 社員が人力で回答していました(笑)。回答を考える時に色々調べるのですが、私たちにとっても良い英語の勉強になりました。質問とその回答も、たまってくると読み物として楽しめるくらいです。

石渡 幸いなことに、大学で計算言語学と日本語を専攻した、英語ネイティブスピーカーの社員がいました。全ての回答は彼のチェック・修正を経てユーザーに公開していました。

山中 ただテストの最後の方は、ユーザーも慣れてきたのかかなり難しい質問がくるようになりまして、ネイティブの社員も「むずかしい」と悲鳴をあげるほどでした(笑)。現時点では社内のリソースの問題もあり、実装するとしても質問機能は当面先になりそうです。

細野 個人的には、ぜひ実装していただきたいですね。というのも、質問機能を見るとユーザー同士が一緒になってLangakuで学んでいる感覚が芽生えるんです。サービスの中に英語学習コミュニティがあるようなイメージですね。

1人で英語学習をしていると、正直モチベーションが下がる時もあります。しかし、Langakuの質問機能を開くと、勉強しているのは自分だけではないとモチベーションを再び上げることができます。英語学習を継続させる良い仕組みになるのではないでしょうか。

ーーベータテストの結果を踏まえて、正式版で実装される機能は何ですか?

山中 特に目立つものとしては、辞書と英語率の設定、音声の読み上げの3つです。しかし、それ以上にこだわったのは、マンガの作品数とアプリの動作を向上させてストレスなく読めるようにしたことです。

石渡 特に作品数はベータテストから大幅に増えて、初期から30作品ほど読めるようにしています。そこがベータ版と正式版の最大の違いです。また、今後読める作品はさらに増えていく予定です。

細野 ジャンプ系だけでなく、少女マンガなども読めますよ。老若男女問わず、楽しめるようにラインナップを揃えています。

山中 ちなみに、英語学習という観点から特にオススメなのは『少女マンガ』です。

ーーその理由は何ですか?

山中 高校の学校生活など、いわゆる日常が舞台になっていることがほとんどだからです。そのため、シンプルで実用的な表現が多いんですね。これまで読んだことがなかったなら、少女マンガはぜひ選択肢に入れて欲しいです。

石渡 英語を学ぶだけでなく、今まで触れてこなかった分野に接して、趣味の世界を広げてくれたら嬉しいですね。

また製品版では、英語学習初心者にぴったりな作品をオススメするようにしています。将来的にはユーザの好みや実力、成長度合いに合わせた、より精緻なレコメンデーションができるようにしたいです。

ーー最後に、今後のビジョンを教えてください。

石渡 英語学習アプリは世の中に数多くありますが、多読を強みにしたサービスはまだまだ少ないです。さらに、多読にマンガとAIを活用する点は他のサービスにない大きな強みですね。

ゆくゆくは、英語をマンガで学ぶのを、全ての学習者にとって当たり前の選択肢にしたい。たとえば学校の英語教育でLangakuが副教材に採用されたりしたら、すごく楽しい未来になると思います。

山中 開発を進める過程で、ある高校の英語教師の方から意見を伺ったのですが、英語はもっと、体育や美術・音楽のような学び方に変えていくべきだ、という言葉が印象に残っています。日本の英語学習は、どうしても翻訳することに重きを置きがちです。でも、言語は文化の架け橋であり、手段や道具として使うことに価値がある。Langakuを通じて、英語がどのように使われる言語なのかをぜひ学んで欲しいですね。

あと当社のミッションが「世界の言葉で、マンガを届ける。」なので、今後は海外の方が日本語を学ぶ時にも活用できるようにしたいですね。海外で日本語の学習者が増えれば、マンガ、ひいては日本文化を広げることにも貢献できるでしょう。

細野 マンガの可能性を広げてくれると信じているので、作品の提供などは今後も可能な限りバックアップしたいです。先ほどの少女マンガの例のように、想像もしていなかったニーズが見えてくるかもしれません。

マンガ家さんからは「リリースされたら、自分も使ってみたい」という声も挙がっていますし、あとは何よりユーザーの反応が楽しみです。

マンガで英語多読 - Langaku
ダウンロードはこちらから↑
Mantra Inc.

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