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〈那須・焼かれた2遺体〉「身元が判別できないほど頭や顔を殴打された」のはなぜか? 店舗トラブル緊迫の”宝島ロード“激怒動画を入手、遺体発見6日前にも警察トラブル

集英社オンライン / 2024年4月21日 23時32分

〈那須2遺体・出頭の男を逮捕〉「胸に和彫りの入れ墨があってガタイがよかった」死体損壊で逮捕された男(25)は「アニキに頼まれて車や凶器を準備した」と供述。元サッカー少年で知人は「活発でいい子だったのに…」〉から続く

「オマエが言えよ!」「何撮ってんの!」取材班が入手した30秒の動画。1人の小柄な女性がものすごい剣幕で男女に詰め寄っている。暴言を浴びせられた男性はシドロモドロに委縮しているが、女性は自身が撮影されていることに気づくとスマホをかかげ「(アナタ)誰?」「何?」と撮影をやめるよう、声を荒げていた。

大声でライバル店の店主に詰め寄る姿や警察官が仲裁にはいる姿が…

栃木県那須町の河川敷で飲食店運営会社社長、宝島龍太郎さん(55)ら2人の遺体が燃やされていた事件で、身元がわかっていなかった小柄なもう一体の遺体は消息不明の妻のA子さんである可能性が高いという。捜査関係者によると、死因は二人とも首を絞められたことによる窒息死だが、A子さんの頭部や顔には激しい暴行が原因とみられる大きな損傷があり、犯人が強い憎しみを持っていたことをうかがわせている。


 

宝島さんは東京・上野で焼き肉屋や居酒屋など14店舗を展開する「サンエイ商事」の社長で、A子さんも取締役を務めていた。飲食店の激戦区で手広く店を構えた夫婦は「やり手」とみられていたが、客引きをめぐるトラブルが頻繁に起き、A子さんは社長に次ぐ肩書を持ちながら、路上に乗り出していってライバル店の店主や従業員と一歩も引かず“やりあう”ことで有名だったという。冒頭の動画の描写は宝島夫妻がある店舗と客引きを巡るトラブルになった際、撮影された“揉め事“の一部始終だ。

さらに遺体が発見された6日前の4月10日、宝島夫妻は別の飲食店ともトラブルになっており、その際の動画を取材班は入手した。動画では宝島さんが妻のA子さんと共に大声でライバル店の店主に詰め寄る姿や、警察官が仲裁にはいる姿が確認できた。

「この日は店の看板をめぐってのトラブルでした。宝島夫妻はこのライバル店の店主から『暴力を受けた』と訴え警察を呼んだようです。店主は『触ってもいない』と主張し、動画にも暴力の様子は映っていなかった、逮捕者はでなかったといいます」(近隣の店舗関係者)

県警は都内の交番に出頭し事情聴取を受けていた平山綾拳容疑者(25)を21日に死体損壊の疑いで逮捕しているが、捜査は慎重におこなわれている。

「平山容疑者は『アニキに頼まれて車や凶器を準備した』『(アニキの)名前はいえない』といった供述をしており、主犯や共犯が明らかになっていない。警察はこれまで、宝島さん夫妻が激しくもめていた店舗の従業員や元従業員からトラブルに絡んで何か情報がないか聞き込みを続けています。一方、サンエイ商事内部の従業員や退職者からも給料を巡る金銭トラブルなど、宝島さん夫婦に最近異変がなかったかも聞いている。ライバルや敵も多かったため、可能性を“潰す”作業にも時間がかかっている」(社会部記者)

「宝島さん以上に憎しみをかっていたことも考えられます」

こうしたなか、県警は遺体の状況にも注目している。

「A子さんとみられる遺体は頭蓋骨が骨折するほど頭部にひどい損傷があり、顔で身元の判別ができないほどでした。鈍器のようなもので何度も殴られていた可能性がある。遺体はときどき人が通る集落のそばで焼かれており、見せしめ目的でこのように遺棄された可能性があるとの見方も当初から出ていました。遺体の損傷からみると、女性のほうは宝島さん以上に憎しみをかっていたことも考えられます」(同前)
 

上野近辺では、宝島さんとA子さんはいつも連れ立って系列店を回ったり食事をしたりしていることで有名だった。15年前に宝島さんと付き合いがあったという男性は、A子さんはそのころから宝島さんが経営する店を手伝っていたと回想する。

「私が宝島さんのお店に行って、その後、飲みに行こうというので朝までやっている居酒屋とかによく行きました。宝島さんは当時、羊肉を扱う中国料理の店を経営していましたが、うまくいかず、お店を畳んで、その後に焼肉店を始めたりしていました。あの頃はお店は3つで、こんなふうに事業が大きくなるとは思ってなかったですね。当時、宝島さんのお店にスナックの女の子が飲み食いに来て、その付き合いで宝島さんがそういうお店に行くことを奥さんが悩んでいたこともありました」(男性)
 

さらに古く、30年前から上野で韓国料理店を営んでいる男性も「宝島社長は私が店を始めたときからちょくちょく来てくれてました。最後に会ったのは1か月くらい前でしょうかね。いつも奥さんと一緒で、夜に来てくれることもあれば昼に食べていかれたこともあります」と話す。

「仕事を離れると宝島さんのそばに寄り添っていた」

別の飲食店の経営者の男性は「2日にいっぺんくらいの頻度で寿司屋に来てたって聞いてるよ。宝島さんはいつも女房と来て、みんなに敬語を使ってすごく丁寧に接するいい人だったってその店に通っている人から聞いた。自分たちの店を見て回って、その寿司店に寄って、旦那も女房もオンボロのチャリで帰るのが日課だったんでしょ」と話す。

宝島さんについては「ふだんは優しいですが、お酒が入って怒り出したときはとても怖い人だった。酔って殴ったとかそういう話はいろいろ聞きましたから、そういう意味でも狙われる可能性はあったかもしれないですね」(15年来の付き合いの男性)という声や、「夜に見たときは、とにかく怖い雰囲気。普通の人には見えなかった」(前出・韓国料理屋のママ)という声もあり、夜は強面の表情を見せるときもあったようだ。

一方で、客を一人でも獲得しようと周辺の同業者と激しく渡り合っていたというA子さんは、仕事を離れると宝島さんのそばに寄り添っていたという印象を持つ人が多く、プライベートな食事の場で騒ぎを起こしたりしていたという声は聞かれない。夫に寄り添い店を盛り上げてきた妻は、誰からそこまで憎しみを呼んだのか…。捜査はまだまだ続く。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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