〈エナドリ市場、最前線〉阿波踊り専用、スコール味、1本59円…エナジードリンク1000種類以上飲んできたマニア直伝の〈珍エナ10選〉
集英社オンライン / 2024年5月22日 17時0分
徹夜明け、今日はヘビーなスケジュールといった際に飲む人も多いであろうエナジードリンク。「モンスターエナジー」や「レッドブル」が有名だが、巷には変わり種エナジードリンクが数多くあるのをご存じだろうか? 今回は「エナジードリンクマニア」を運営するエナジー・ドリン君さんに珍種エナドリを紹介してもらった。
【画像】圧巻! 1000種類以上のエナジードリンクを飲むマニアの部屋
2005年に「レッドブル」、2012年に「モンスターエナジー」が日本に上陸してから今日に至るまで国内エナジードリンク市場は、成長を続けている。ケミカルな甘味と身体中を刺激するカフェインが人々を虜にし、メーカーはこぞって多くの新作を登場させてきた。
国内最大のエナジードリンク総合サイトを運営するエナジー・ドリン君さんは、1256種類(2024年5月21日現在)ものエナジードリンクをレビューし続けてきたエナドリ界屈指のクリティック。数多のエナジードリンクのなかでも、マニアの彼が一押しする“珍”エナジードリンクを10種見ていこう。(※情報は5月21日時点のものです。複数本入りの商品は、1本あたりの価格として計算)
ご当地フレーバーは地域の色と美味を両立
まずは特産品を使ったご当地系のエナジードリンク「アワライズ ゆずすだち」を紹介してもらった。
「徳島県の特産品であるゆずとすだちのエキスを配合したさわやかな柑橘のフレーバーです。果汁は1%と低いものの、フルーツのみずみずしさと酸味がエナジードリンク特有のケミカルさにマッチ。
ちなみに徳島県の伝統である阿波踊りとかけて『阿波踊り専用エナジードリンク』として売り出された“珍”要素のあるエナジードリンクでもあります」
次のエナジードリンクも、ある意味ご当地系の「ラッキーパワー888エナジードリンク」。
「北海道の函館にあるハンバーガーチェーン『ラッキーピエロ』が販売するエナジードリンクです。ご当地系のフレーバーは、ネタに走って、味もクセが強いものが少なくありませんが、本品はザ・王道といった味わいで非常に飲みやすい。
というのも、製造は『ライフガード』で有名な愛知県のチェリオ中部という企業が担当しているため、安心・安定のクオリティとなっているんです。ハンバーガーにも絶妙に合い、ゴクゴク飲めてしまうので、すぐにでも2本目にいきたくなる逸品でしょう」
企業のPB商品は価格もカフェイン量もとびきり
続けて、企業のプライベートブランド(PB)として販売されるエナジードリンクを見ていこう。まずはイオンのPB「トップバリュ」から発売の「エナジーハンター」だ。
「今では『ZONe ENERGY』など当たり前になったボトルタイプのエナジードリンクの先駆者です。ボトルなので飲みやすいのが特徴ですが、カフェインが195mgも入っていることもポイント。価格も159円とリーズナブルでして、カフェインを一気に多めに摂取したい人におすすめです」
東京を含む関東圏で多く出店するドラッグストア「クリエイトエス・ディー」の販売する「サーフエナジードリンク」も特徴豊かだ。
「エナジードリンクの色といえば、黄色を連想するかもしれませんが、本品はなんと緑色! 甘酸っぱい味わいで、ケミカル感も薄く飲みやすい。
ところが、1本あたり200mgと先ほど紹介したエナジーハンターよりもカフェイン量が多くなっているのが驚き。パッケージと中身のギャップ、カフェイン量の多さなどたくさんの発見がある個性的なエナジードリンクです」
続いては、関東圏で店舗を構える「ベルク」の「BARK X」。
「凝った真っ黒なパッケージが特徴的。同PBの『BARK』シリーズにおける高カフェイン量Verの商品となっています。こちらも250mlの缶で200㎎のカフェイン量となっていますが、加えてアルギニンも1000㎎配合されているという活力あふれるエナジードリンクといえるでしょう。価格が100円台とリーズナブルなのも魅力です」
エナジードリンクにしては価格が安めの「Bark X」だが、関西のスーパーマーケットにはさらに破格の安さを実現したエナジードリンクがあるという。
それが「ラ・ムー」の「ゴールデンハンマー」である。
「なんと本品は、250ml缶で59円という日本トップクラスの安さになっています。しかもカフェイン80㎎、アルギニン300㎎とレッドブルとほぼ同じの配合量となっていまして、極めて高いコストパフォーマンスを実現したエナジードリンクなんです。まさにスーパーのPBらしい“安い”“お得”を体現した商品と評価できるでしょう」
乳酸菌、鉄の味、さらにはパクリ疑惑…これぞ珍ドリンク!
ここからは、マニアが厳選した、より変わり種のエナジードリンクを見ていこう。まずは清涼飲料水のロングセラー「スコール」のエナジードリンクである「スコールエナジー」。
「乳性炭酸飲料の先駆けであるスコールをエナジードリンク化した意欲作。ですが、乳酸菌ならではの優しい甘みとエナジードリンクのケミカルな風味が組み合わさってかなり刺激的な味わいとなっています。オリジナルのスコールからは、かけ離れた味となっていますが、ある意味でなかなか味わえないフレーバーなので、お試し感覚で飲んでみてはいかがでしょう?」
ぎょっとする味とのことだが、「ASAP CLUB エナジードリンク BalanceD」は、それ以上に仰天する味わいだったとか。
「さっぱりとした味わいが特徴のフルーツ『グアバ』にフィーチャーした一杯。ところが口当たりは、鉄のような風味が先行……というのも、本品は一日分の鉄分7㎎を配合しているからです。そして、後から甘みが広がるので、全体的な印象としてはクセのある仕上がりになっています。とはいえ一日分の鉄分を摂取できることは貴重なので、女性におすすめしたいですね」
お茶のメーカーとして有名な「伊藤園」の「伊藤園ビタミンパワーGO!」も見逃せない。
「“健康系エナジードリンク”と謳うノンカフェインの商品となっています。その名に恥じず、ビタミン12種、アミノ酸5種、クエン酸、ローヤルゼリーという栄養成分にあふれた内容。酸味と甘みのバランスがあって飲みやすく、日々の疲れを取るのにもうってつけ。自動販売機で販売しているので、ぜひチェックしてみてください」
最後はパクリ疑惑(?)のある「N6 エナジードリンク」を紹介してもらった。
「味は軽やかな酸味と甘みのある王道の味。500mlというボリュームで159円というリーズナブルさが売りなのですが、注目したいのがパッケージ。アメリカのエナジードリンクである『C4 SMART ENERGY』のパッケージとデザイン、カラーが酷似しているんです……。
20年以上エナジードリンクマニアとして活動してきて、ここまで酷似したものは初めてみました(笑)」
エナドリの未来は、ノンシュガー系がフィットネスのお供に?
さまざまなフレーバーが立ち並ぶ現在のエナジードリンク市場。最後に今後増えていきそうなトレンドについて聞いてみた。
「実は10年くらい前までは、ゲテモノやイロモノといった味度外視で話題性を重視したエナジードリンクが多かったのですが、現在はより味を重視したフレーバーが増えている印象です。特に近年では、『モンスターエナジー』の新作がアメリカから入ってきまして、どれもおいしいと評判。
加えて、私はノンシュガーの商品も増えてくると考えていますし、実際に増えてくれると嬉しいです。人工甘味料ならではの“作り物感”をマスキングする技術が高まっており、本国アメリカでもフィットネス向けエナジードリンクブランドが爆発的に増えているので、日本でもプロモーションしだいでは伸びていく可能性があるでしょう」
カフェイン量によっては、飲み方には注意が必要なものもあるが、個性的なエナジードリンクを飲んで活力をあげていきたい!
取材・文/文月/A4studio
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