〈ダブル女帝がにらみあい〉“不出馬説”も囁かれる小池氏が不気味な沈黙を続ける理由。公約を発表できない蓮舫氏は視察&演説で様子見も支援する共産党は大はしゃぎ…七夕決戦の行方は?
集英社オンライン / 2024年6月9日 8時0分
6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選。これまでに広島県安芸高田市の市長を務めてきた石丸伸二氏やタレントの清水国明氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏ら30人以上が立候補の意向を表明し、過去最多の候補者による都知事選となる可能性が高まっている。その中でも、戦いの中心となるとみられているのが、“都の女帝”小池百合子都知事と“立憲の女帝”蓮舫氏。だが、小池氏は告示まで2週間を切っても出馬表明をせず、自らへの注目を最大限に集める狙いだ。2人の女帝のにらみ合いの行方は……。
〈お宝画像?〉1995年のキャスター時代の蓮舫氏と、約40年前若かりし頃の小池百合子氏
自民のお膳立てでの出馬表明を取りやめ
「これまで進めてきた少子化対策はさらに力強く進める。また、その必要性があると思う」
小池氏は6月7日の定例記者会見で、自身が進める少子化対策を誇り、継続の必要性を語ったが、注目される都知事選3選出馬については明言しなかった。
「もともと小池氏は、6月4日の都議会代表質問で自民党から3選出馬について尋ねられ、それに答える形で出馬表明することを検討していました。都民ファーストの会ではなく、自民党のお膳立てと支援を受けることを前面に出す予定だったのです。
ただ、都内でも港区長選などで自民候補が相次いで敗れ、相変わらず自民党への逆風が続いていることや、蓮舫氏が5月27日に出馬表明し、自民と小池氏の近さを批判したことを受け、自民との距離感をどう演出すればいいか思案しています。
あまりに出馬表明が遅れているため『不出馬説』も取りざたされるなど、小池氏の出馬表明のタイミングに関心が集まっていますが、これも自身に対する注目度を最大限高める作戦でしょう」(自民関係者)
折しも、5日には東京都の合計特殊出生率が初めて1を切り、0.99となったことが発表されたが、少子化対策の一環として都独自のマッチングアプリを実用化するという施策には「若者の所得向上のほうが先だ」などと批判も浴びている小池氏。
都庁でのプロジェクションマッピングにも「税金の無駄」と厳しい声が上がるなど、小池氏の政策が広く支持されているとは言い難い状況だ。
さらに、2016年の都知事選で公約として掲げた『残業ゼロ』『満員電車ゼロ』などの『7つのゼロ』は達成できていないとして、蓮舫氏は小池氏批判を強めている。
「蓮舫氏は、自身が先に公約を発表して、それ以上にインパクトのあるものを後から小池氏に出されることを懸念しています。一方の小池氏も、自身は『都政に専念』という名目のもと出馬表明や公約発表を遅らせ、蓮舫氏の出方を見極めたい。2人のにらみ合いが続いています」(全国紙政治部記者)
蓮舫氏を支援する共産が大はしゃぎ
「蓮舫氏サイドは、小池氏が5月29日開会の都議会で出馬を表明するとみて、その直前の27日に出馬を発表しました。しかし、小池氏がいまだ出馬の意向を明らかにしないので、肩透かしをくらった格好です」(立憲関係者)
小池氏が蓮舫氏の動きを注視し、沈黙しているため、公約を発表できない蓮舫氏は視察や街頭演説でメディア露出を増やす作戦に出ている。
「出馬表明後、生活困窮者の支援活動を視察したり、立憲結党当時に枝野氏が1人で演説した“立憲の聖地”有楽町駅で、その枝野氏らとともに演説したりと、さっそく始動しました。
有楽町駅では、最初に『安倍さんが亡くなられた後に安倍派のパーティー、裏金を続けようと言ったのは下村博文さんではないか』と自民党の裏金問題を批判し、都知事選でも自民批判を繰り広げる姿勢を鮮明にしました。今後もすでに多摩地域などで集会が予定されています」(全国紙政治部記者)
そんな蓮舫氏を全面的にバックアップするのが、共産党だ。
「もともと蓮舫氏に近い立憲都連幹事長の手塚仁雄氏は、自身の選挙で共産の協力が欠かせないため、共産と近い。それもあって、今回の都知事選では共産とタッグを組み、蓮舫氏擁立を実現しました」(同)
蓮舫氏が開会日の都議会へ挨拶に訪れた際には、共産会派は蓮舫氏に花束まで渡す歓迎ぶりだった。ただ、この蜜月ぶりに立憲内からは懸念の声も出始めている。
「共産側は、さっそく『蓮舫さんを都政へ押しあげ』などと書かれたビラを作成しました。ただ、共産はこれまでの選挙でも『市民と野党の共闘』を打ち出し、大々的に活動することがありましたが、立憲内では『共産色が強まると逃げる票もある。静かに後ろから応援していてほしい』との本音を抱える人も多い。
今回の都知事選も共産が前面に出てくると、また『立憲共産党』のイメージが強くなってしまう。蓮舫氏や手塚氏はそれでよくても、他の地域の立憲議員の中には、よく思わない人も少なくない」(立憲関係者)
都知事選の情勢について全国紙政治部記者が言う。
「今は小池氏のほうが優勢ですが、よくも悪くも発信力の強い2人ですから、今後の公約の打ち出し方や発言、陣営の動きひとつですぐに形勢は変わる。小池氏は、今は蓮舫氏を好きにやらせて、相手のオウンゴールを待っているのでは…」
にらみ合いの末、七夕の夜に笑うのは誰か……?
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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