1000万円強の聖徳太子像に美少女神社…セーラー服の館長が不気味すぎるカオスな超B級テーマパーク「まぼろし博覧会」がスゴすぎた
集英社オンライン / 2024年6月16日 11時0分
ある人いわく“日本最大のB級スポット”、またある人いわく“入って5分で心が乱れる場所”――。そんな評判とともに数多のメディアやYouTuberなどに続々と紹介されているテーマパークが静岡県伊東市にある「まぼろし博覧会」だ。いったいどんな場所なのか。写真とともにリポートする。
〈画像大量〉“すっぴん”のセーラちゃん(鵜野館長)と日本中の“カオス”が集結する「まぼろし博覧会」のおぞましい展示物たち
お出迎えしてくれたのはセーラー服姿の…
約4400坪、甲子園球場のグランド面積と同等という広大な敷地を擁す2011年開園のテーマパーク「まぼろし博覧会」には、時代を超えてこの場所に集まった珍品2万点以上が雑多に展示されている。
同園は一応、「キモ可愛い」をコンセプトとしているようだが、展示物は巨大オブジェから昭和カルチャー、サブカルやアングラ、一見ゴミに見えるような物まで何でもござれ、だ。
この世のありとあらゆるカオスが共存する特異な空間を各メディアが放っておくわけもなく、地上波キー局では2015年に「お願い!ランキング」(テレビ朝日系)で取り上げられたことを皮切りに、「嵐にしやがれ」や「有吉ゼミ」(ともに日本テレビ系)でも紹介されて話題に。
「ドキュメント72時間」(NHK総合)では過去321回のうち、視聴者投票によって歴代ベスト10にも選ばれている。
東海オンエアなどYouTuberやインフルエンサーもこぞって同園を訪れ、公開された動画はその絵面の強さから軒並みヒットを連発。もはや伊東市を代表するスポットのひとつとなっている。一体どんな空間なのか。集英社オンラインも潜入を試みた!
ということで、やってきたのは静岡県伊東市。ほとんど林道状態の国道135号線沿いにある同園は、入口の看板からして異様そのもの。間違っても子どもが夢見るテーマパークの類ではないことがわかる。
恐る恐る駐車場から敷地内へと足を踏み入れてみると「こんにちは~、ようこそ~!」とピンクと水色のかわいらしいウィッグをつけ、セーラー服をお召しになった人物が出迎えてくれた。
短いスカートから細く美しいおみあしをのぞかせているが、その声は見た目とは裏腹におじさんのそれだ。
実はこの人、まぼろし博覧会館長で運営会社データハウス社長、そして同館のメインキャラクターも務めるセーラちゃん、本名、鵜野義嗣(うの・よしつぐ)氏。インパクト抜群のビジュアルから、まぼろし博覧会に勝るとも劣らないほどネットでバズりまくっている御仁だ。
いざ、カオスが広がる園内へ!
入場前から早くも記者を圧倒するまぼろし博覧会。面食らっていると、
「まずは名刺をお渡ししますね」
そう言ってセーラちゃんが渡してくれたのは7種類の名刺。いずれも裏面には自身のキメ写真がプリントされていた。どうやらこの名刺は来場者全員にプレゼントしており、これまでに20万枚以上も配ってるんだとか。
キャラが濃すぎるセーラちゃん自身の話は後編にとっておくとして、いざ、まぼろし博覧会へ入場だ。
入場してすぐにお出迎えしてくれたのは、セーラちゃん同様、セーラー服を着たゴリラ。
「これは伊勢にあった国際秘宝館からもらったものです。おもしろくないんでボディはセーラー服柄に塗りました。ここはズバリ『美少女神社』といいます」(セーラちゃん、以下同)
……先へ進もう。案内図によると、園内は「大仏殿」「昭和を通り抜け」「ほろ酔い横丁」「まぼろし島」「メルヘンランド」などのゾーンに分かれている。
しかし、ここは甲子園球場ほどの面積があるほど広大だ。
「展示品をしっかり見ようと思ったら3時間はかかると思います。新たに調達したり、お客さんたちが届けてくれたりで、毎日どんどん展示物が増えており、定期的に展示場所の増設をしています」
「大仏殿」には見る者を圧倒する巨大オブジェの数々が
チケット売り場に続く階段の脇には、銚子電鉄の現物大電車模型や巨大な恐竜のオブジェなどが展示されており、評判どおりのカオスな空間がそこには広がっていた。
展示物はどのように選んで、どのように分類しているのだろうか。
「あらゆる物があるから説明のしようがありませんね。何を展示するかと選んでしまうと、偏ってしまうからとくに『これ!』と選ぶことはしません。ただ言えるのは、ここにあるのは庶民が生活の中で残したものがほとんど。そして、展示するものはあえて分類していないです。分類してしまうとおもしろくなくなるからカオスでいい。
文化のカタログ見本市という感じで、ありとあらゆるものを展示し、サブカル好きだけでなく老若男女みんなに楽しんでもらいたい。ここにある展示物はすべて人が元気になれる装置だと思っています」
いいことを言っているような気もするが、入場して5分が経過。すでに気持ちが不安定になってきた記者。
チケット売り場から売店を抜けて訪れたのは「大仏殿」。なんでも、まぼろし博覧会ができる以前に、ここで営業していた熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」の温室を改造してつくられたエリアだそうだ。
大仏殿には全長12メートルで、購入費と輸送費あわせて1100万円も費やした聖徳太子像など巨大オブジェがズラリ。
その後に案内されたエリアも不気味ながらもつい見入ってしまうような展示物で溢れている、まぼろし博覧会。その他のエリアについては後編で触れるが、訪れる人の多くは若者、とくに女性が多いというのは意外なような納得なような。
最近では国内にとどまらず、海外からの観光客も増えており、「『世界中どこを探しても他にこんな場所ない!』『ジャポニズムだ!』と喜んでもらえるんですよ」とセーラちゃんはちょっと自慢げ。
同園は違法なものや差別的なもの、生もの、危険なもの以外は基本的にすべて引き取って展示しているとのことだが、いったいどんな思いでテーマパークを“デザイン”しているのか。セーラちゃん、もとい鵜野義嗣氏の人物像とともに、#2のインタビューで迫る。
取材・文・撮影/集英社オンライン編集部ニュース班
〈〈村上春樹も来訪〉超B級テーマパーク館長は “鬼畜系ブーム”を生んだあの出版社社長だった! 今も拡大し続ける「まぼろし博覧会」誕生秘話〉へ続く
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