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〈西東京市・エスカレーターに首を挟まれ死亡〉「やっと近くに激安スーパーが!」住民歓喜もオープン3ヶ月で起きた悲劇「幅が狭かった」「荷物が引っかかりやすいと感じてた」製造メーカーの回答は…

集英社オンライン / 2024年6月12日 20時21分

平日朝のスーパーで80代の女性がエスカレーターと床の間に首を挟まれた状態で発見され、その直後に死亡するという想像し難い事態が発生した。警視庁などによると女性は意識不明の状態で搬送されたが、その後、死亡が確認された。スーパーのエスカレーター付近でいったい何が起きたのか。現場の声と専門家に話を聞いた。

〈80代の女性が巻きこまれた〉事故が起きたエスカレーターや現場付近

住民待望のスーパーだったが…

現場は東京都西東京市東伏見にある、今年3月にオープンしたばかりの激安スーパー「オーケー東伏見店」。付近は閑静な住宅街だが、青梅街道と交差する伏見通り沿いという立地からオープン当初より賑わっており、今朝もいつも通りに主婦たちが訪れていた。



そんな当たり前の風景の中で、80代の女性が1階から地下1階に向かう下りエスカレーターの降り口付近で倒れているのが発見された。事故現場を取材した社会部記者は言う。

「警視庁によると、女性は降り口付近の床と、手すりのレール部分との間に首を挟まれた状態でした。おそらく1階から地下にエスカレーターで移動する際にどこかで自ら転倒し、その後、女性の首がエスカレーターの手すりと床の間に挟まれたのではないかと見られています」

現場を訪れると、エスカレーターは封鎖されてはいたものの、主婦層だけでなく高齢女性も多く訪れていた。利用客のほとんどが「売り場は地下にあるのでいつもエスカレーターに乗っている」とのことだった。毎日ここで食材を買うという30代主婦が語る。

「ここはもともと大きなグラウンドだったんですけど、オーケーの建設予定を聞いたときはママ友とも『やっとウチの近くにもオーケーができた!』と喜んでました。
駐車場が大きくて、1階から4階の屋上までたっぷり100台以上も停められるのはいいんだけど、なんでこんなに敷地が広いのに、1階が売り場じゃなくて地下なのかなとは思ってました」

たしかに、広い敷地内の建物なのに、なぜ1階が売り場ではなく地下なのかという疑問はある。

そんななかで、事故で亡くなった女性と同年代の80代の女性は「スロープもあるけど私はいつもエスカレーターを使っている」と話す。

「車椅子の方も降りやすいようにスロープで地下に行けるのが便利でした。まあ、私は歩けるのでふだんからここのエスカレーターを使っていましたが、使いづらいと感じたことはありませんでしたよ。

だから今回どんな状況で事故になったのか想像つかないわ。ただ、エスカレーターは1人用で幅が狭く、乗り降りするときに荷物が引っかかりやすいなとは感じてたので、今後、特に降りるときはつまずかないように気をつけます」(80代女性)

エスカレーターはフジテック製品

エスカレーターは動く歩道などをはじめエレベーターも手がける大手メーカーのフジテック製だった。同社広報は取材に対し、こう答えた。

「オーケー東伏見店で導入されていたエスカレーターは当社製品のもので間違いありません。亡くなられた利用者のご冥福をお祈り申し上げます。今まさに警察署による現場検証がなされているところで、当社としてもその事故の詳細を確認中です。警察の調査にも真摯に対応いたします」

同社のホームページには「据え付けたエレベータ・エスカレータを1台1台、24時間365日体制で休まず見守り続ける技術があります」と書かれている。こちらの店舗の最終点検日はいつだったのかについて尋ねると「今まさに確認中です」とのことだった。

また、東伏見店以外のオーケー店舗のエスカレーターもフジテック製なのかと聞くと「現時点でこちらのほうではまだ把握しておらず確認中です」と答えるだけだった。

とはいえ、エスカレーターでの事故による怪我や事故死は決して珍しいことではない。一般社団法人日本エレベーター協会の担当者はこう話す。

「エスカレーターでの事故は利用者災害という観点から報告書をまとめています。利用者災害が起こる場所で多いのはショッピングセンター、百貨店、交通機関、複合ビル、事務所ビル、遊技場、学校・病院、ホテル・旅館、劇場や工場倉庫などです。

災害の分類としましては、最も多いのが転倒で、発生箇所は踏段上です。乗り口部や降り口部、踏段上の転倒があります。次に多いのが“挟まれ”で、踏段とスカートガードの間やコムプレートとの間、さらには踏段と踏段との間です。

また、稀ですが転落事故もあり、アウターデッキ及び移動手すりからの転落も起きています。今年3月にはJR水戸駅のエスカレーターで72歳の男性がエスカレーターの降り口で転倒し、服の一部が巻き込まれたことによる事故死がありました」

高齢者だけでなく幼児の事故例も

消費者庁の消費者安全調査委員会の報告書によれば、エスカレーター事故は1996年から2013年だけで13件も発生している。その中には高齢女性だけでなく、幼児や少年の事故例もある。

1996年5月には幼児が2階から3階への上りエスカレーターのハンドレールにもたれるようにして遊んでいたところ、ハンドレール上に体ごと運ばれて1階に転落死する事故が起きた。

前出の一般社団法人日本エレベーター協会の担当者によれば、「高齢男女の場合は今回に限らず転倒事故は多い」そうだ。

「60歳以上の方がキャリーバッグを乗せる際に体勢を崩して転倒する事例が報告されています。利用される際は体勢を整えて、絶対にお手荷物から手を放さないようお願いしているしだいです」

事故の詳細については、警察が現在も調査中となっている。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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