〈フライング蓮舫vs AIゆりこ〉「気配消し」「安全運転」の小池陣営、“金縛り”状態の蓮舫陣営からは不協和音も…首都女帝決戦は思わぬ凡戦も⁉
集英社オンライン / 2024年6月15日 7時0分
ついに東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への立候補を表明した小池百合子都知事。「東京大改革3.0」を掲げたが、具体的な公約は明かさず、出馬表明後の記者団のぶら下がりも短時間で打ち切った。その背景には、“なるべく選挙戦を盛り上げたくない”という小池氏の作戦があるようで……。一方、蓮舫氏を支援する立憲民主党など野党からは、早くも不協和音が聞こえてきた。
〈お宝画像?〉1995年のキャスター時代の蓮舫氏と、約40年前の小池百合子氏
小池氏が先行、逃げ切り作戦に
「現職都知事として公務に邁進している小池ゆりこ本人に代わって、AIゆりこがお伝えします」
そんな文言とともに、小池氏のXに「AIゆりこ」による「AI YURIKO NEWS」の映像がアップされたのは、出馬表明翌日の6月13日。
東京都の子どもに1人あたり月5000円を給付し始めたことや、高校授業料を実質無償化したことなどを、AIで生成された小池氏がニュース番組のように伝えた。
「小池氏としては、学歴詐称疑惑がさらに大きくなったり、投票率が高くなって蓮舫氏に票が流れたりすることは避けたい。12日に出馬を表明した直後も、記者団の取材を数分しか受けず、学歴詐称疑惑についての質問はシャットアウトしました。
あくまで選挙戦を盛り上げない作戦でしょう。現職としての公務があると言えば、選挙戦で積極的に表に出てこない口実にもなりますしね」(全国紙政治部記者)
そんななか、永田町では小池氏が選挙戦で先行しているとの情勢調査が出回っている。
「小池氏にとって、『排除します』発言で自身への追い風が一気に逆風に変わってしまった2017年の希望の党騒動はトラウマになっています。とにかく余計なことをせず、粛々と逃げ切れればいいと考えています」(同)
早くも小池氏にじわじわと差を広げられ…
そんな小池氏の目論見通りか、蓮舫氏は出馬表明会見からの2週間ですでに、失速しているとの見方が永田町では強まっている。
出馬表明直後には、共産党が蓮舫氏の都知事選出馬を大々的にPRするビラを作成し、配布。他の野党から「(蓮舫氏や共産党とは)ご一緒できない」(国民民主党・榛葉賀津也幹事長)などと突き放されたが、連合東京も小池氏の支援に回る方針だ。
さらに、6月2日の街頭演説で蓮舫氏が「七夕に予定されている東京都知事選に蓮舫は挑戦します。みなさんのご支援どうかよろしくお願いします」、枝野幸男前代表が「みなさんの力で知事に当選させていただきたい」などと訴えたことが、公職選挙法で禁じられている告示前の事前運動にあたるのではないかとネット上や国会で指摘された。
その翌週の演説では「東京都のために仕事をしていきたい」「夏の挑戦を言わせていただいた」などと、「都知事選」というワードを封印。記者団から2日の枝野氏との街頭演説が事前運動にあたる可能性を指摘されると「政治活動の発言です」と述べるにとどめた。
「一連の事前運動疑惑で蓮舫氏は身動きがとりづらくなった。自身が批判するときは威勢がいいが、批判されると弱い、という面を露呈しました」(全国紙政治部記者)
こうした影響もあってか、「蓮舫氏の出馬表明前に立憲が実施した調査では、小池氏と蓮舫氏は10ポイント差で、蓮舫氏は逆転可能な差と認識していました。ただ、その後は小池氏と蓮舫氏の差が開いてきているようです」(立憲関係者)と、苦戦を強いられているようだ。
さらに蓮舫氏は小池氏の「かぶせ作戦」を警戒しているとか。
「小池氏は政党に準じた選挙活動が可能となる確認団体『東京をもっと!よくする会』を設立しましたが、これは蓮舫氏が発していた『東京はもっとよくなります』という言葉とかぶる形になりました。
蓮舫氏は公約についても、小池氏から後出しじゃんけんのような形でかぶせられて、かすむことを警戒し、異例となる告示日当日の発表を予定しています。小池氏の動きを気にして、思うようなPRができていない状況です」(全国紙政治部記者)
立憲内では告示前から「しらけムード」も
蓮舫氏の失速で、立憲内の雰囲気はどうなっているのか。
「蓮舫氏はもともと党内からも『挨拶しても無視される』『泉健太代表を表立って批判しすぎ』などと、あまりよく思われていませんでした。
蓮舫氏に近い一部の議員は蓮舫氏の当選を信じて力を入れていますが、その他の蓮舫氏と距離を置く議員の中には『どうせ小池氏の勝ちでしょ』といったしらけムードも出てきています」(立憲議員)
立憲内では早くも「蓮舫氏が都知事選で負け、衆院選に出た場合、参院選や都知事選と違って、小さな選挙区でのどぶ板選挙ができるのか」と冷ややかな声も上がっているという。
そんななか、泉氏は14日の会見で、都知事選での蓮舫氏への推薦を見送り、支援にとどめることを明らかにした。
「立憲を離党し、無所属となった蓮舫氏が『オール東京』の名目で立憲の推薦すら受けない形をとれば、『立憲共産党』批判を気にして共産と少し距離を置いたとしても、共産が反発する理由もなくなります。
泉代表が応援にかけつけない理由もでき、蓮舫氏にとっても、蓮舫氏に嫌われている泉氏にとってもいい形かもしれません」(立憲関係者)
「挑戦する立場。思い新たに臨みたい」と挑戦者の立場を強調する蓮舫氏と、迎える小池氏。ふたりの「女帝」の戦いの行方は……。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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