「ヤンキーとかじゃなくてワル」逮捕された元キャバ嬢“サンロクのリコ”は「本人が嫌がる身体的なコンプレックスを執拗にいじる」元いじめっ子「でもサンロクのヤカラたちって結束力が固いから…」〈旭川・女子高生殺害〉
集英社オンライン / 2024年6月15日 14時41分
〈逮捕された19歳の女の母親が激白「娘はずっと寂しかったんだと思う」「入れ墨を入れた男の子を家に連れこむようになって…」「小さい頃は優しい子だった」〈旭川17歳女子高生殺害〉〉から続く
北海道旭川市の石狩川に女子高校生(17)が落とされて死亡した事件で、殺人や監禁など複数の容疑で逮捕された主犯格の内田梨瑚容疑者(21)は、旭川市随一の繁華街として知られる「3•6街(サンロクガイ)」にたむろする若者たちの間では、よく知られた存在だった。キャバクラで働き、クラブに顔を出しては自分を大きく見せるような話を吹聴、付き合う男は不良、とすっかり堕落した女へと変貌したその姿には、中学時代バスケットボールに熱中していたスポーツ少女の面影はなかった。
〈画像多数〉加工なし…内田容疑者の“素”の写真、挑発ポーズをとる写真、共に逮捕された19歳の女の近影
サンロクキッズ仲間は「リコのこと聞かれてもなんも答えないよ」
3・6街(サンロクガイ)でよく遊んでいるという男性は、こう証言した。
「リコさんはよく10人くらいのいかつい男女グループで遊んでて、サンロク通りだけでなく、旭川駅の裏にたまっていることもありました。メンバーは10代から20代と幅広いんですけど、ワル軍団みたいな感じで、入れ墨が入ってたり、なかには何度か警察に捕まったこともあるような子もいました。だからリコさんだけがワルとかリーダーとかそんな感じではなかったです。
そのグループは、基本的にはタバコとか吸ってダベってるんだけど、難癖をつけてケンカを吹っかけたり、恐喝みたいなことをしてると聞いたことがあります。メンバーの一人が知り合いで、今回の事件が起きたあとにSNSに『リコのこと聞かれてもなんも答えないよ』みたいな投稿をしてましたね」
記者が取材で声をかけた若者のなかには「先輩に話すなといわれている」「金もらわないとワリがあわない」と避ける者も多かった。
内田容疑者を幼い頃から知る同級生の保護者はこう話す。
「これはもう昔からの話ですが、小学校の頃からリコちゃんは太っているわけではないけど骨太というか、背も高く体格がよくて、同級生たちからすると逆らって標的にされるのが嫌だという空気はあったと思います。
みんな言いづらいのかもしれないけど、やんちゃとかマイルドヤンキーとかのレベルではなくて、はっきり言って『ワル』いんです。中学の頃は自分の嫌いな子のことを衆目の面前で、本人が一番嫌がる身体的なコンプレックスを執拗にいじったり、言葉巧みに周りを誘導して命令したり、そんな子でしたから。口が悪いというのは怒鳴ったりとかそういう感じではなく、ずる賢く意地悪なことを言うんですよ」
タバコ以外にもいろいろ“吸っている”と吹聴
周囲の空気を読んで場を支配できる“能力”に長けた少女は、陽気なキャラクターが人気でもあったようだ。
「一方で底抜けにノリがいい子でしたから一時的に『リコといると楽しい』ってつるむ子はいるんです。ですが結局最後はリコちゃんから離れていってしまう。私が子供から聞いて驚いたのはちょうどリコちゃんが18歳ぐらいの頃の話です。
リコちゃんは周囲の友達にタバコ以外にもいろいろ“吸っている”と吹聴したり、クラブで“ヤバイことをしている”といった噂が流れていたみたいです。『福岡とか大阪とかにも“出稼ぎ”にいっている』と話していたこともあったようです。そんな子なので関わりたいと思う中学の同級生はどんどんいなくなったと聞きました。もちろんどこまでが本当かどうかはわかりませんが、リコちゃんは子供たちだけの世界だけでなく大人の世界でも話は伝わってきていましたからね。
リコちゃんはサンロクと呼ばれる旭川市の繁華街のキャバクラで働いていたことがあって、一年前の“彼”は40代の男で、どうみても“一般人”には見えませんでした。家庭環境については詳しくは知りませんが、お父さんはタトゥーを入れていますが、学校行事などにもまめに参加して優しい方ですし、よく家族で家の前でバーベキューしてましたからね。家族仲が悪かったとかはないでしょうね」
かつての同級生の証言も、これを補足するような内容だった。
「リコは学校では目立っているタイプの子でしたね。まぁ、ヤンキーです。何度か気に食わない同級生を怒鳴りつけてるのを見たことはあります。基本は陰で悪口を延々と言うみたいなことをよくしていました。最後に見かけたのは18歳くらいのころ、運転免許の教習所でフードをかぶったままでいかにもヤンキー然としていました。『元気?』と声をかけると明るく『元気だよ』と言っていましたが、会話はそのくらいしかしてないです」
幼馴染や同級生からは疎遠になった意地悪と評判のかつての少女は、やがてサンロクガイの“顔”になり、SNSをめぐるトラブルで女子高校生から電子マネー10万円を脅し取ろうと画策、送金がうまくいかなかったからと呼び出して車に監禁して連れ回し、わいせつ行為をした挙句、橋の上から10メートルも下の冷たい川に突き落とした。
「サンロクのヤカラたちって結束力が固くて仲間をかばいあう」
現場は神居古潭(かむいこたん)地区の神居大橋。被害者の魂に手を合わせに来たという旭川市の男性は、こう語った。
「高校生が転落させられた神居古潭は昼は観光スポットですが、夜は若者が集う心霊スポットみたいになっています。それに鳴門海峡ほどではないけど川に渦ができるので、昔からヤンキーやヤカラたちの間では『あそこに人を投げ込んでも沈んで石の間に引っかかって上がってこない』なんて言われていた場所なんです。
だからこそ内田容疑者たちはあの場所で転落させたんだと思いますよ。仮に遺体が上がったとしても自殺で処理される可能性が高いってふんだんじゃないですかね。
この考え方っていわゆるサンロクに出入りするヤカラの連中の考え方と似ているんですよ。あのあたりのビルの非常階段から誰かを突き落としても、酔っ払いの転落死で処理される可能性が高いと踏んで突き落とす、という発想。いちかばちかすぎるって? それがサンロクのヤカラたちって結束力が固いから絶対に仲間が“うたわない”って信じている。だからトラブルがあったとしてもそれが漏れづらいんです。みんなが仲間をかばって逃がそうとする。そういう文化が根づいているんですよね」
何を思って愚行を重ねたのか。認否を含めていまだ明らかにしていない道警の厳しい取り調べが、連日続いている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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