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〈那須2人殺害〉「店を取られるくらいなら取ってやるか!」犯行一味のドン、長女の内縁の夫で全身刺青の男も殺害容疑で再逮捕「睡眠薬入りのコーヒーを飲ませた」供述も…シャッター街となった“宝島ロード”は30の不動産屋が内見中

集英社オンライン / 2024年6月15日 19時4分

〈那須2人殺害〉殺害依頼に「受ける」と居酒屋で即答。ターゲットが誰かもわからず襲いかかった即席実行犯“カンカン”は、報酬でブランド物を購入し大阪で豪遊。ホストを目指すも半年でギブアップの過去〉から続く

東京・上野で焼き肉などの飲食店を約20店舗展開していた「サンエイ商事」の社長、宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)が殺害され、遺体が栃木県那須町に遺棄された事件で、警視庁は主犯格とみられる関根誠端(せいは)被告(32)と不動産会社役員、前田亮被告(36)=ともに死体損壊罪などで起訴=を殺人容疑で再逮捕した。警視庁はサンエイ商事の飲食店経営の「番頭」格だった関根容疑者事件の主犯で、売り上げの配分など経営を巡る確執から夫妻の殺害を図ったとみているが、両容疑者とも黙秘しているという。

〈事件は刺青だらけ〉背中一面に「殿」と「姫」、腹には「鶴」の関根容疑者の刺青全身写真、平山容疑者の「カエルとダルマ」の和彫り、手の甲にハートマークと「K」のタトゥーを入れた若山容疑者

 

犯行グループ6人全員が「殺人」で立件

警視庁はすでに、関根容疑者から1500万円の報酬を受け取って夫妻の殺害と遺体遺棄の依頼を受けた佐々木光容疑者(28)や佐々木容疑者の求めで実行犯2人を手配した仲介役の平山綾拳容疑者(25)ら4人を遺体損壊罪などで起訴した上で殺人容疑で再逮捕している。

「関根、前田容疑者の逮捕容疑は、4月15日深夜から16日未明にかけ、東京都品川区の空き家のガレージで、先に逮捕された4人と共謀して宝島さん夫妻の首を絞め殺害したというものです。これで犯行グループ6人全員が殺人で立件されたことになります」と社会部記者は話す。

事件を振り返っておこう。これまでの集英社オンラインの取材や逮捕容疑によれば、関根容疑者は4月上旬、都内のクラブ店長Y氏に「お願いしたいことがある。コロし…、消してほしい人がいるんだよね」と持ちかけたがY氏に断られている。

その後、関根容疑者は、サンエイ商事の飲食店のうち十数店舗が集中する上野の通称「宝島ロード」でキャッチをやっていた佐々木容疑者に殺害計画を依頼したと警視庁はみている。さらに、佐々木容疑者は渋谷のクラブで知り合った平山容疑者に、殺害実行犯の手配や凶器、遺体運搬用の車の準備を求め、これに応じた平山容疑者は同じクラブで知り合った元俳優、若山輝人(キラト)容疑者(20)と姜光紀(カン・グァンギ)容疑者(20)を殺人・遺体遺棄の実行部隊として集め、4月15日夜にハンマーや結束バンドなど凶器一式を積んだ自分の車を実行部隊の2人に貸し与えている。

「睡眠薬入りのコーヒーを飲ませた」

「計画が実行に移されたのは4月15日夜です。関根・前田両容疑者が新規店舗の物件を見に行こうと宝島さん夫妻を車で連れ出し、品川区の空き家へ向かいました。実行部隊の若山、姜両容疑者も凶器を積んだ車でこの家に入っているほか、佐々木容疑者も周辺にいました。

容疑者の一人は『宝島さん夫妻に睡眠薬入りのコーヒーを飲ませた』と供述し、実際に宝島さんがふらつく姿が途中の防犯カメラに映っていました。空き家のガレージで夫妻は襲われたもようですが、幸子さんは頭蓋骨が陥没するほど頭と顔面を傷つけられており、ハンマーで殴りつけた可能性もあります。二人の死因は窒息死で、瀕死の重傷を負わせたうえで首を絞め、とどめを刺していたとみられます」(社会部記者)

剥がされた関根容疑者の顔入りポスター

残忍な殺害は信じられないほど雑な計画と指示で行われていた。

「仲介役の平山容疑者が殺人オーダーを出したとき、姜容疑者は居酒屋で即答で応じ、電話で受けた若山容疑者も『今決めろ』と言われてすぐに受けています。姜・若山両容疑者は自分が殺す相手が誰かも知らないまま、言われた通りガレージに現れた夫妻を殺害したとみられ、遺体の遺棄場所も平山容疑者がネットの地図情報サービスで『田舎のほう』を探し、ここで遺体を燃やしてこいと姜容疑者らに伝えていました」(捜査関係者)

4月16日早朝に燃えた状態で見つかった2体の遺体のうち、1体は宝島さんであることが同日中に判明。平山容疑者が翌17日に警視庁の交番に出頭したことで、犯行の全容が判明した。「平山容疑者は『出頭しろと指示を受けた』とも供述していますが、被害者の身元がすぐに判明し、ビビッた可能性もあります。自分は直接首を絞めていないから殺人には当たらないと考え“一抜け”を図ったのかもしれません。無駄でしたけどね」(社会部記者)

実はこのころ、宝島ロードでも小さな異変が起きていた。

「関根さんは宝島さんの店をマネージャーとして切り盛りしていました。ビールメーカーはサービスとして取引先の飲食店店長の顔写真を入れたポスターを作ってプレゼントしたりするんですが、関根さんの顔写真を用いたポスターが貼ってある店もありました。そのポスターが、宝島さんが殺されたとわかった直後に剥がされ、なくなりました」(近所の飲食店関係者)

経営の主導権をめぐる確執が顕在化していた?

関根容疑者は全身に刺青を入れ、巧みな話術を弄して金持ちマダムから大金を引っ張る「女喰い」で身を立てていた(♯29♯30)が、宝島夫妻の長女と内縁関係になり、1年半ほど前からサンエイ系列店の運営の前面に出るようになっていたと関係者は証言。系列の約20店のうち、5、6店は店のコンセプトや経営方針などを完全に仕切る「関根プロデュース」だったという。

この“関根系”の店の売り上げが特によかったことから、昨年ごろからこれを快く思わない宝島さんが「もっと(売り上げを)寄越せ」と要求するようになり、反発する関根容疑者が「(店を)取られるくらいなら、こっちから取ってやるか」と口にするなど、サンエイの内部では経営の主導権をめぐる確執が顕在化していたと関係者は話す。

警視庁はこの経営の主導権争いが殺害の動機になったとみている。

「関根容疑者は今年2月、系列店の店員らに送ったメッセージで、宝島社長からの要求に従う必要はないと伝え『4月末までにはすべて片づけます』とも表明していました」と店舗関係者も話しており、以前から4月末までに何らかの行動を起こすことを考えていた気配もあったという。

「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示している」

結局、犯行が解明されたことで、関根容疑者は経営権を独占するどころか被告人席が待ち構えていることになった。社長夫妻も番頭もいなくなったサンエイの多くの店は営業が止まったままで、宝島ロードは急に寂しくなった。

しかし、栄華を誇った経営者の退場は、別の飲食店にはまたとない商機の到来でもある。サンエイ系列店では最近、背広姿の人がシャッターを開けて店内に入っては、しばらくして出てくるという光景が繰り返されている。

「あの人たちは不動産屋さんですよ。詳しい経営のことはわかりませんが、営業できなくなった店を売却する話が進んでいるようで、それに関係して不動産関係の人も中を見にきているようです」と系列店の調理師の一人は話す。自分が勤める店はまだ営業を続けているが、この先の雇用がどうなるかはわからないと嘆いた。

周辺の飲食店経営者は「あの一角は人通りも多く、きちんとした店を作れば相当な売り上げが見込める」と指摘。周辺の事情に詳しい関係者は、「すでに30もの企業がサンエイ物件の経営権に関心を示していると聞きました。大手が出ばってくるとのうわさもあります」と話す。
「宝島ロード」という名称が消えてなくなる日も近そうだ。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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