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「なに見てやがんだ!」とあちこちでケンカを売っていたリコ(21)。小学生の頃からサンロク街にタムロ、“ぼったくりスナック”にも勤務。仲間が離れ“ぼっち”な日々に「なんかつまんなくて…」〈旭川・女子高生殺害〉

集英社オンライン / 2024年6月16日 16時27分

「ヤンキーとかじゃなくてワル」逮捕された元キャバ嬢“サンロクのリコ”は「本人が嫌がる身体的なコンプレックスを執拗にいじる」元いじめっ子「でもサンロクのヤカラたちって結束力が固いから…」〈旭川・女子高生殺害〉〉から続く

北海道旭川市神居古潭地区の橋の上から女子高校生(17)を川に落として溺死させた疑いで、道警に殺人など複数の容疑で逮捕された内田梨瑚容疑者(21)と19歳の女A子=ともに旭川市在住、無職=。同市随一の繁華街「3・6街(サンロクガイ)」で仲間とつるんでは無軌道な遊びを繰り返していた2人は、片や小学生時代からサンロク街に出入りして飲酒を覚え、もう一方は勝手な思い込みから突然街中で暴れ出すなど、その“激ヤバ“な横顔が取材で浮かび上がった。

〈画像多数〉加工なし…内田容疑者の素の写真、挑発ポーズをとる写真、共に逮捕された19歳のA子の近影、A子と内田容疑者の2ショットも

 

事件を起こした日にもバイトに

「A子は今回の事件を起こした後も、平気でバイトに出かけてましたよ。確か最近は旭川駅前の居酒屋だったはず」

A子とは同級生だったという女性はこう証言し、続けた。

「A子たちが事件を起こしたのは4月19日の未明と報道で知りましたが、その日の午後2時ごろ、私の友達がA子をバイト先まで車で送ってあげてたんです。その際もA子はふだんと変わらない様子だったといいます。

しかも途中で友達の車が他の車にぶつけられて、警察も来たと思うのですが、事故処理中もA子は平然としていたそうです。事件を起こした日にバイトに行ったのも含めて、すごい神経してるなと思いますね」

同級生によると、A子は高校を2年で中退した後は、アルバイトを転々としながら生活していたようだ。

「A子はバイトをすぐやめて変えるので、お金はあんまり持っていませんでした。あの子は昔から変わっているというか、ちょっと被害妄想の気があって、その辺ですれ違う女の子に『あいつが見ている』と言い出してケンカを売るみたいに絡むということがありました。

それでトラブルになり収拾がつかなくなって、最後はA子のお母さんにまで話が行くということが何度かありましたね」

A子は、#4で「娘はずっと寂しかったと思う」と取材に証言した自身の母親と一緒にアパートの2階で暮らしていたが、1階の空き家に勝手に入りこんで友達と酒盛りするなど、トラブルメーカーとして有名だったという。

「他にも友達に包丁を向けたり、お金に関するトラブルはよく聞きました。顔は可愛いんで男の人にはモテたけど、ヤンキー気質なところもあったので、リコさんと気があったのかもしれないですね」

「なんかつまらなくて…」

一方、内田容疑者については、「リコを自宅によく泊めてあげていた」という年上の女性から話を聞くことができた。

「リコちゃんなら小さい頃からよく知ってるし、高校生の頃はうちにもよく泊まりに来ていました。母親はサンロクのキャバレーについこの前まで勤めていましたよ。リコちゃんも小5ぐらいからその母親にサンロクに連れ出されて、当時からお酒を飲んでいましたね。

店内で母親は娘を注意せず放置していた。そんな環境だからかリコちゃんはその頃から友達のお兄ちゃんなど上の世代と付き合うようになっていました」

好むと好まざるとに関わらず、小学校時代から“大人の世界”に放り込まれた「リコ」の感覚はその頃からおかしくなってしまったのかもしれない。歪な環境下で成長した「リコ」は中、高校生になると、街ですれ違う女の子に絡むようになったという。女性が続ける。

「街で『あいつ何見てやがんだ』とか言い出して絡むんだけど、相手は弱そうな普通っぽい女の子ばかり。私も含めて年上の先輩に『そういうのやめろ』と諌められると『わかりました』って言うこと聞くんです。先輩とか大人には敬語をちゃんと使いますよ。

ただ、ふだんは1人で喋って1人で笑ってるみたいに、会話が噛み合わない感じというか。説明しづらいけど、まともな会話にならないんですよ。そのくせ気真面目なところもあって、ウチに泊まってるときでも高校にはちゃんと毎朝起きて通っていました。『高校を卒業できる』と本人から聞いたときは頑張ったなーって思いましたから」

しかし「リコ」はこの頃すでに、お酒やタバコ以外の“非行”も覚えていたという。

「正確にはいつからかはわかりませんが、そのくらいの時期に“薬物”でも遊んでいました。また、クラブにもかなりの頻度で行っていました。行くときはいつも1人ですよ。みんなしばらくはリコちゃんと一緒にいても、しだいに付き合えなくなって離れていく。

だから彼女はいつも1人で旭川駅近くのクラブに行っていました。そのクラブも早めに切り上げて深夜営業の喫茶店にいるところを何度か見かけたことあります。そのときは『なんかつまんなくて』とポツリと言っていました」

両親はなぜリコに何も言わなかったのか… 

そのうち「リコ」は金欠気味になったようだ。

「金欠になったときにリコちゃんは、サンロクの“ぼったくりスナック”で勤めていましたよ。ちょっと店に入るだけで何万円もとられるような店です。このスナックのママとリコちゃんの母親も仲がいいので、母親もキャバレーでの勤務が終わったらそこに遊びに来ていましたね。

でも、そこもリコちゃんは辞めちゃった。仕事も続かない子だったし、だから誰かに絡んでお金をとろうとしたことはあったんだと思う」

「リコ」をこの女性が最後に見たのは昨年の夏だったという。

「最後に見たのは、夏にサンロク祭りでリコちゃんが屋台を手伝って働いていたときですね。今回の事件について思うのは、リコちゃんを知っている人たちならみんな『リコならやりかねん』って言うだろうなってことです。

両親もなぜリコちゃんに何も言わないのかって?……たぶん言えなかったのか、自分たちも好き勝手やってたのか、興味なかったのか、そんな感じなんじゃないかな」

なんとも後味の悪い事件である。

※「集英社オンライン」では、今回の事件についてについて情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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