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パリジェンヌの究極の美容法は「ミネラルウォーターのガブ飲み」ってホント? スキンケアにこだわるフランス人女性たちが教えるキレイになる法則

集英社オンライン / 2024年7月7日 13時0分

パリジェンヌが産後に必ず“膣トレ”をする理由とは? 「母親である前に、私は私だから」保険適用も可能、フランス流の産後セルフケア〉から続く

数多くのスキンケアグッズが並ぶフランスの薬局。だがフランス人女性にとって究極の美容法は、ミネラルウォーターのがぶ飲みだというが、いったいどうしてなのか。

【写真】フランスの女性たちの心強い味方

書籍『パリジェンヌはすっぴんがお好き』より一部抜粋・再構成し、パリジェンヌとミネラルウォーターとの深い結びつきを紹介する。

頼れるパリの薬剤師さん

パリの街角には、よくもこれだけ、というくらい薬局がたくさんあります。そして女性、特に働く女性に重宝されています。そんなパリの薬局に所狭しと並んでいるのは、日本のようにメイク用品ではなく、スキンケア・グッズです。

意外と知られていないことですが、フランスは「デルモ・コスメティック」という、医療とコスメの間に位置するカテゴリーが存在するくらい、この領域の研究が発達している国です。

このため、洗顔料、クレンジングオイル、化粧水、保湿クリーム、角質ケアなどのスキンケア・グッズはとても充実しています。私など目が回ってしまうくらい、ありとあらゆる種類の製品が薬局に鎮座しています。

パリジェンヌは誰もが試行錯誤を重ねながら、自分の肌質や用途に合う製品を開拓しています。ニキビやアレルギー、日焼けによるシミやしわ……。肌のトラブルに限りがないのは万国共通ですが、そんな彼女達の最大の味方は薬剤師さんです。

子供の頃からアトピーに悩んできた私も、顔なじみの薬剤師さんに何度助けてもらったかしれません。髪の毛をいつも引っ詰め、薬剤師というよりはバレエ教室の先生のようなそのマダムは近所の人気者です。

彼女目当てに来るおなじみさんも多いので、長蛇の列が出来ることもしばしばです。

私の乾燥肌に効く日常使いの洗顔フォームから、昼用、そして夜用の保湿クリーム、さらには繊細な瞼専用のクリームまで、薬剤師さんは事細かに選んでくれます。私が怪我をした時には、「傷痕にならないように」と、とっておきのクリームを勧めてくれました。

あまりにもしょっちゅうお世話になっていたので、私がある日、ため息交じりに

「マダムがいなくなったら困っちゃうわ。自分じゃ何を選んでよいのかわからないんですもの」

そう漏らすと、彼女は難しく考えることはないと言います。そして声をひそめ、「店長に怒られちゃうけど」と前置きしながら囁きました。

ミネラル・ウォーターのガブ飲み

「本当に大事なのは、ミネラル・ウォーターをガブ飲みすることよ」

目を丸くしている私を見て笑いながら、マダムは続けました。「スキンケアって外側にばかり集中してしまうけど、内側からやらなきゃダメなの。人間も植物も一緒よ。葉っぱや花びらをいじっていたのではダメ。根っこから水分を入れてあげないと干からびてしまうのよ」

そう言われて私は「あっ!」と思うことがありました。オフィスでソフィアもヤスミナも毎日ミネラル・ウォーターを文字通りガブ飲みしています。

「どうして?」と聞いてみると不思議な顔をされるくらい、それはもう習慣化されたことです。

フランスはエビアンのような良質の天然水が有名な国です。そんな天然水を源泉から一切加工をせず、熱殺菌処理もせずに自然のままの状態で直接ボトリングをしたのがフランスのミネラル・ウォーターです。

カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルをバランス良く含んでいるため、健康にも美容にも良いとされています。パリジェンヌの究極の美容法は、なんと、ミネラル・ウォーターのガブ飲み。こんな簡単なことだったのです!

小躍りしたい気分の私でしたが、喜ぶのは少し早すぎました。フランスのミネラル・ウォーターは種類がとても豊富なのです。そして銘柄によってミネラルの含有量に差があり、それぞれ効能が違います。何を飲んでいいのかさっぱりわかりません。

出張が多い金髪美人の上司、ジュリエットは恐れ知らず、疲れ知らず、そして時差ボケ知らずです。そんな彼女もどこへ行くのにもルイ・ヴィトンのバッグにミネラル・ウォーターを潜ませ、水分補給を怠りません。

私はジュリエットがどの水を飲んでいるのか観察してみることにしました。すると、ウォーターの銘柄はコロコロ変わるではないですか。しびれを切らして、彼女に直接質問をぶつけてみると、意外な答えが返ってきました。

「TPOに合わせて数種類の水を併用しているわ」

そう言うジュリエットは実際、食事の際はシャテルドン、スポーツの時はコントレックス、便秘にはエパー、洗髪にはエビアン、そして洗顔にはアベンヌの水と決めて使い分けているそうです。

フランスではこのように、生活習慣や用途、さらには年齢や体質に合わせてミネラル・ウォーターを飲み分けるのが常識なのです。つまり「これさえガブ飲みすればオッケー」という調子のいい水など存在しないのです。

何事も一朝一夕にはいきません。自分に合うスキンケア製品も、ミネラル・ウォーターも、やはり自分なりに試行錯誤を繰り返さなければ見つからないということです。

「汝自身を知れ」ソクラテスの言葉が時空を越え、私の心に深く突き刺さるのでした。


写真/shutterstock

パリジェンヌはすっぴんがお好き(ダイヤモンド社)

藤原淳
パリジェンヌはすっぴんがお好き(ダイヤモンド社)
2024/5/29
1,540円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4478119587
ルイ・ヴィトン本社に17年間勤務しPRトップをつとめた「もっともパリジェンヌな日本人」が、どうすれば自分なりの生き方を貫くことが出来るのかを提案する本。悩みも愚痴もため込まないパリジェンヌの生き方、恋愛、仕事術を学び、日々の生活で簡単に実践できる本です。

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