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〈札幌すすきの首切断・公判〉SM女王様に扮した娘を送迎し“ドライバーさん”と呼ばれた父が出廷「首を拾ったと自宅で告白された」被害者遺族は「女装して遊ぶことは知っていたがよき夫、よき父だった」「女性を襲うようなことはしていない」

集英社オンライン / 2024年7月2日 12時3分

「サイコパスの娘に支配された家」母親は“奴隷契約書”を書かされ、父親は“ドライバーさん”と呼ばれSMプレイの練習台に…被害男性とは避妊トラブルが発端か〈すすきの首切断事件/母親の初公判〉〉から続く

札幌・すすきののホテルで昨年7月、男性(当時62歳)を殺害して切断した頭部を持ち去るなどして女と両親が起訴された事件で、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われた母親の田村浩子被告(61)=札幌市厚別区=の第2回公判が7月1日、札幌地裁であった。公判では検察側、弁護側とも、娘の瑠奈被告(30)が女装していた男性に避妊具なしに性行為をされたことからトラブルになり、事件につながったという認識で一致。また、父親で精神科医の修被告(60)が証人として出廷し、遺族に謝罪の意を述べたうえで「娘を警察に突き出すことは裏切り行為になると思った」などと心情を吐露した。

【写真多数】瑠奈被告に「ドライバーさん」と呼ばれSMプレイの練習台に…ギターを弾く父親の修被告、事件現場となったホテルの部屋、自宅など…

〈まちがったやつにやられた〉

公判では検察側が証拠として提出した資料の中に、瑠奈被告が記したメモも含まれ、そこには昨年5月に女装した男性と知り合い、トラブルに発展した経緯が端的に書かれていた。

<5月28日、イベントに参加。お姉さんたちにかわいがってもらった。その後、間違ったやつにやられた>

修被告は白髪まじりの坊主頭で、カーキ色のパーカーを着て出廷。やつれた様子で冒頭、「言葉では言い尽くせませんが、取り返しのつかないことになってしまった。大変、申し訳ないです」と遺族に謝罪した。

娘が起こした事件については、弁護人からの質問にこう振り返った。

「(昨年)7月2日未明、家に戻った娘から『首を拾った』と言われ、初めて事件に気がついた。(警察に通報しなかったのは)現場までは自家用車で行ったので、娘はすぐにでも逮捕されると思った。自分の手で警察に突き出すのは裏切り行為になると思い、できませんでした」

ホテルに向かう際の瑠奈被告は黒いボディラインが目立つSMの女王様風の格好で大きなスーツケースを持っていた。修被告は『娘は男性とSMプレイをすると思っていた』と主張している、

「男性を殺害した後、瑠奈被告は服を着替えホテル付近に迎えにきた父親の車に乗り込みました。修被告が服装が替わったことやバックなどの荷物が増えていることについて『どうしたのか?』と質問すると、娘は『拾った』『着替えた』と短的に答えたといいます。途中コンビニでパーティ用の氷も購入しますが、この際も深くは聞かなかった」(社会部記者)

「父は女性を襲うようなことはしていないと信じている」

帰宅した後、氷を受け取った瑠奈被告が浴室でスーツケースから首が入ったビニール袋をとりだし、“作業する”姿をみて修被告は「頭が真っ白になった」と話す。

6月の浩子被告の初公判でも明らかになった、娘を巡る歪な親子関係についてはこう述べた。

「10年ほど前から『瑠奈』と呼びかけると『その子は死んだ。その名前で呼ばないで』と言われるようになり、接するのが難しくなった。基本的に『シンシア』と名乗っており、叱ることもできなくなった。

(検察側は両親が娘の奴隷と化していたと主張していることについて)娘がこれ以上、心を壊さないようにするために主体的に選んだ行動だった。自傷行為や薬の過剰摂取を繰り返しており、本人を追い詰めないようにするべきと考えた」

修被告が証言を終えて立ち去る際、目を合わせた浩子被告は涙ぐみ、ハンカチで目元を押さえながら見送った。

一方、この日の公判で検察側は被害者男性の遺族の供述調書も読み上げた。

妻は男性が数年前からすすきので女装して遊んでいることも知っていたが「よい夫、よい父親であり、これからも普通の未来が待っていると思っていた」と振り返り、道警から遺体発見の知らせを受けた際のやり取りとしてこう供述していた。

「警察から防犯カメラに映ったウイッグとスカート姿の画像を見せられ『あ、パパだな』と思ったが、すすきので遺体が見つかったと言われた。『顔を見れば確認できます』と言うと『実は、頭がないんです』と言われ、頭の中が真っ白になった」

男性の長男は、父親の影響でオートバイに乗ることが好きになり、還暦祝いにヘルメットの内側に装着して会話ができるインカムをプレゼントし、ツーリングに誘ったという。そんな長男の供述調書はこんな具合だった。

「父は3度殺された。1回目はホテルで首を切られ、2回目は持ち去られた首の皮を剥がされ、3回目は犯人側の言い分がメディアに載ったこと。父は女性を襲うようなことはしていないと信じている。人を楽しませるのが好きな人で、こんな殺され方をすることには納得がいかない」

浩子被告の次回公判は、8月30日の予定だ。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文 集英社オンラインニュース班

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