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スメハラ…? 気になる他人のにおい、どうやって伝える? 社内、学校、家庭でも伝えることは困難「共感を得られる伝え方が大事」

集英社オンライン / 2024年7月12日 11時0分

自分もスメハラしているかも? 日本人の約6割が「自分や他人のにおいが気になる」約5割は「自分の汗は臭いと思う」日本人の体臭の特徴とは?〉から続く

昨今スメハラという言葉を聞くようになった。マスクの無い生活に再び慣れたこと、酷暑の影響で他人のにおいに対して敏感になったというデータもある。パートナーや友人、職場で一緒に働く人のにおいが気になるとき、どうやって伝えるべきか。企業や学校向けににおいに関するセミナーを開催する株式会社マンダムに話を聞いた。

マンダム広報部の石川さん

企業や学校でセミナーを開催

ーー「スメルハラスメント」という言葉もありますが、他人のにおいに関しては、指摘しにくい部分ですよね。

まず前提として、直接他人に「においが気になる」という指摘をすることは難しいと思います。企業から我々のもとに寄せられる声としては、「社内で喚起をしても響かない」「傷つけずに伝える方法が分からない」「正しいにおいケア方法が知りたい」というお悩みが多く見られます。



現代は香水や柔軟剤など、体臭以外にもにおいに関するトピックが多様化してきているので、悩みも一括りにはできません。

対応できずにいる中で、お客様やクライアントからのご指摘に繋がってしまうケースもあるようです。

弊社がセミナーを行なっている企業からは「第三者の立場から、においへの気づきや、ケアのきっかけ作りをしてもらえないか」という形で相談いただくことが多いですね。

ーーにおいや体臭にまつわるセミナーでは具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

ベースとしては、昨今のにおい意識や、発生のメカニズム・年代やお悩みに応じたケアの方法をお伝えします。また、実際ににおいのサンプルを嗅いでいただき、種類や快・不快を実感いただきます。周囲のリアクションがきっかけになって、ケア意識を持っていただけることも多いです。

我々としては「体臭=悪」や、「ケアできていない人=マナーがない」とは全く考えていません。

それよりも、ご自身も周りの方も心地よく過ごすために、日頃から実践できる具体的な対策などをお話しさせていただいております。

ーーセミナーを実施することでどのような反応がありますか?

実際にセミナーを受けていただいた企業では、「気づきを得て、ケアを始めてみようと思った」「社内でにおいに関する話ができるようになった」と言った意見を頂戴することもありますね。

ーー企業だけではなく学校でもセミナーを開催していると聞きました。

コロナ禍が明けてからにおいが気になる人が増えたということもありますし、一例ですが「体育の授業後の教室のにおいが気になる」というお声も伺います。

コロナ前から身だしなみに関するセミナーを定期的に行なっている学校などでも、今年から「においケアの時間を増やしてほしい」と言われました。

内容としては、やはり10〜20代に気になる汗臭をメインに取り上げることが多いですね。

学校でも同じく「体臭=悪」という伝え方ではなく、みんなが心地よく過ごすためにできる対策を伝えています。

ちなみに部活単位で依頼が来ることもありますよ。たとえば柔道部や剣道部からご相談があった場合は、自分の身体のケアだけでなく、道着や籠手のお手入れ方法なども聞かれることが多いです。

混ぜ合う文化と無臭文化

ーー社会人であっても、学生であっても直接的に伝えることは難しいですよね。ちなみに日本人より体臭が強いといわれる海外では、においに対しての考え方が異なるのでしょうか?

海外ですと自分のにおいに香水をプラスして、香りのマッチングを楽しんだり、オリジナルの香りを作ったりするカルチャーがありますよね。

たとえばフランスなどの古くから香水文化が定着している国々では、自身の体臭に香水の香りをまとって個性を出す、といったことが日常的に行われています。

一方で、近代の日本では無臭や無色透明なものを求めていく傾向が強いと、とある心理学の教授からお聞きしたことがあります。

もちろん欧米でも制汗剤が古くから販売されているので、一概には言えないのですが、傾向として日本には「まずはにおいをゼロにする」といった考えを持つ人が多いですね。

ーーアジアの中でも、国ごとに制汗剤のニーズは異なるのでしょうか?

弊社はアジア諸国でも製品を販売しているのですが、たとえば東アジアと東南アジアでは少しニーズが変わってきます。インドネシアなどの東南アジアでは、フレグランス以外にも、比較的香りの強いウォータータイプやスプレータイプの制汗剤が人気です。

どうしても無臭を求めがちな日本では、他人のにおいに対して敏感になってしまうのかもしれないですね。

相手に伝えるためのテクニック

ーーそもそも、なぜ我々は自分のにおいに気づけないのでしょうか?

たとえば起きたばかりの寝室では何も感じなくても、ちょっと時間をあけてみたり、違うにおいを嗅いだりしてから再度寝室に入ると、少し汗臭く感じることがありますよね。

このように人間の体には、人は同じ空間で同じにおいを長く嗅いでいると、その物質に対して鈍感になってしまう「順応(順化)」というメカニズムがあるんです。

ーー家庭や会社でにおいが気になったとき、どのように伝えればよろしいでしょうか?

においは誰しもが持っている個性であって、またセンシティブな話題なので、パートナーだったり、友人だったり、親しい関係にあっても伝えづらいかと思います。

そうした時に、企業などでは、やはりセミナーなどを上手に活用して第三者から伝えるのも1つの手段としてよいかなと思いますね。

また、相手ににおいについて伝える際には、いくつかのポイントを意識してみると、上手にコミュニケーションが取れるのかなと思います。

ーーぜひポイントを教えてください。

まずは「共感を得られるような伝え方をする」ということ。

もちろん、ストレートに「くさいよ!」と伝えられる関係性も素晴らしいと思いますが、たとえば「私最近代謝が落ちて痩せにくいんだけど、あなたも最近体調変わったことないかな?」といったように、自分のことを話したうえで問いかけてあげると、相手の共感を得やすいのかなと思います。

2つ目は、「頭ごなしに言うのではなく、相手を尊重して伝える」ということです。たとえば「夏は仕事中にも汗かいちゃって大変だよね。いい制汗剤があるみたいだから、使ってみない?」といったように、相手が言われてどう感じるかを意識するとよいかなと思います。

3つ目は、「話題を置き換えて伝える」ということ。たとえばワイシャツの首周りに汗シミができていた際に、「このシミは◯◯が原因らしいんだけど、ケアしてみない?」といったように、別の角度からケアを勧めるのも一つの手かと思います。

最後が「伝えるタイミングを考える」ということです。たとえば、1日働いて疲れて帰ってきた瞬間に「くさいよ」と言われると、やはり心のダメージが大きいですよね。

その際はご飯を食べたり、お風呂に入ったりした後の落ち着いたタイミングで伝えてあげると、相手も受け止めやすくなると思います。

梅雨があけて本格的な夏が来る前に、自分のにおいに鈍感になってしまっていないか、改めて見つめなおしてみるのはいかがだろうか?


写真・文/毛内達大

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