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6年ぶり再タッグのドラマ主題歌で話題の小田和正、オフコースの原点は学園祭のホールステージだった!?

集英社オンライン / 2024年7月7日 16時0分

伝説のバンドグループ、オフコースはいかにして生まれたのか? その原点は、高校時代の学園祭までさかのぼる。まさに青春をぶつけて練習し、満員のホールで演奏を披露した経験は、いまも「すばらしい思い出」と小田和正氏は聞き手の阿部渉に語る――。

【画像】学園祭で演奏をする高校3年生の小田和正

本稿は、小田和正著『時は待ってくれない 「100年インタビュー」保存版』(PHP文庫)を一部抜粋・再編集したものをお届けする。

学園祭でのステージがオフコースの始まりだった

──音楽にのめり込んでいった小田さんが、のちにオフコースで一緒に活動する鈴木康博さんと、最初は中学受験のために塾に通う電車のなかでお会いになったとか……。



小田和正(以下、同) 康(やす)とは京浜急行で会ったんだ。

──受験して入学した中学でまた一緒になったんですね。

どこで親が聞いてきたんだか、聖光学院という新しい学校があるから、そこへ行ったらどうだって言われて、受験したんだけど、受かったら康もいて、「なんだ、お前、京浜急行のときの康じゃん」みたいなね。

康とは学校からの帰り道が一緒だったから、一緒に歌ったりしてたんだよ。ビートルズの『恋する二人』とかハモッて、「あ、こいつはハモるな。こいつは歌えるぞ」って思ったりしてね。

──いまは新しいホールになりましたが、高校3年生のときに、聖光学院のホールで学園祭のステージに立たれたんですよね。鈴木さんと、もう一人のオフコースメンバー、地主(じぬし)道夫さんも一緒に。

そうそう。このホールで、おれたちがやる前年の聖光祭のときに、先輩が、たしか四人だったと思うけど、ゴスペルをアカペラで歌ったのよ。それがかっこよかったんだ。それで、来年、あそこのステージに立つのは自分たちだと思って。

──演奏することを、もう決めていたんですか。

うん、決めた。本気で決めた、冗談じゃなく。「よし、あそこに立つぞ」と思った。それで彼らを誘って、おもにブラザース・フォア(1960年代に人気を博したアメリカのフォークソンググループ)の曲を4、5曲、練習したんだ。

聖光祭は2日間あって、初日の午前中っていう、とっても分の悪い時間帯にやることになったんだけど、ぜいたくは言えないし、まあいいやと思って、それに向かってすごい練習をした。

ただ、おれのなかでは、おれたちがこんなにがんばっていいことをやろうとしてるのに、初日の午前中だけで終わるわけがないと思ってたの、じつは。

当日は結構うけて、「終わった、終わった。よかった、よかった」って言ってたけど、これで終わるはずはないって本当に思ってたんだよね。

そしたら先生が、「君たちは2日目の閉会式の前に、もう1回演奏しなさい」って。「してください」じゃなくて「しなさい」と言ってくれて、同級生もみんな、「オーッ」と盛り上がったけど、おれはやっぱりなって、ひそかに思ってた。

2日目の閉会式の前だから、お客さんはもう満杯ですよ。しかも、近くの学校の女子もたくさん来ていて。そこでやって、また大うけでね。すばらしい思い出です(笑)。

音楽が心から楽しかった

──ほかの生徒たちは、受験を控えて大変なときですね。当然、小田さんも大変だったと思うんですが。

それはもう、本当は音楽の練習より勉強しなくちゃいけないんだけど、「これが好きだから」っていう理屈があるから。もう好きだっていうことだけだね。

歌って、ハモッた瞬間はすごい楽しくて、何ものにも代えがたいものがある。ちょっと勉強の時間を削ってでもやりたいというくらい、音楽が楽しかったんだね。

──そして、2014年12月、在校生や先生、卒業生のための新校舎竣工記念ライブを、新しくなったこのホールでやられたんですね。

依頼されて3日間やったんだよ。大変だったな。

その最後に、在校生の前で『my home town』を歌ったときに、結構グッときちゃってね。いかん、いかんと思って。

──『my home town』は、小田さんがふるさと横浜への思いを歌詞にされた曲ですが、そこでグッときたというのは、母校で歌うということへの思いですか。

まあ、いろいろなことがね。最初の歌詞が、「こゝで夢を見てた、この道を通った」っていう、まさにその場所だったからね。

──いろいろなライブで、小田さんがステージ上でこみ上げている姿を拝見しますが。

わりと、そういうの弱いですね、うん。できるだけクールにいようと思うんだけど、それを誓っても、やっぱり襲ってくるものに負けることがよくあるね。


著/小田和正 サムネイル/左:『時は待ってくれない 「100年インタビュー」保存版』(PHP文庫)より。右:Shutterstock

『時は待ってくれない』 (PHP文庫)

小田 和正
『時は待ってくれない』 (PHP文庫)
2024/4/3
990円(税込)
200ページ
ISBN: 978-4569904078

2017年8月13日、NHK・BSプレミアムの人物ドキュメント番組「100年インタビュー」で放送され、大反響だった「アーティスト小田和正~時は待ってくれない~」。
本書は、それを元に構成した単行本(2018年5月刊行)を文庫化したものです。

前半では幼少・少年時代、学生時代、オフコース時代、そしてソロ活動の時代と、小田和正氏の半生を振り返り、後半ではファンの思いに応えることなどのトピックスを紹介。
滅多に聴くことのできない小田氏のリアルな言葉と貴重な写真を所収しています。

中高一貫の進学校で野球部のキャプテンを務めながら練習中にいつも歌っていたこと。
鈴木康博氏との出会いがオフコースの原点だったこと。医学部から建築の道へと進路を変更し、大学院まで行った理由。
大ヒット曲「さよなら」「ラブ・ストーリーは突然に」誕生秘話。九死に一生を得た自動車事故で変わった人生観。メロディ、歌詞のつくり方……。
小田氏がずっと純粋に音楽が好きだということがひしひしと伝わってきます。

「うまくいったなと思うことは、全部、つらい思いをしたあとだった」「時は待ってくれないから、目いっぱい走った。でも、本当にがんばろうと思っている人には、時はきっと待ってくれる」――70歳の節目に語られた、小田和正氏の素顔と音楽への思い、未来を築く人たちへのエールが詰まった一冊!

小田和正「積極的に一人になったわけじゃないからね」と語るソロ活動への思いと270万枚の大ヒット曲『ラブ・ストーリーは突然に』の誕生秘話〉へ続く

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