1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

〈ウルトラマンごっこもできない…〉なぜ都内では“つばなし赤白帽”を推奨する小学校が多いのか?「運動しやすい」「ケガ対策」の声に「熱中症対策は大丈夫か?」と論争勃発

集英社オンライン / 2024年7月13日 9時0分

学校の体育の授業や運動会で使用されている赤白帽。地域によっては紅白帽と呼ぶところもある。“つば”の長さや形など様々なタイプが使用されており、なかには帽子の“つば”がなく頭の部分を覆っただけの赤白帽を使用している学校もある。これからの時期、“つばなし”で熱中症対策は大丈夫か?

〈写真あり〉“つば”がない赤白帽で“ウルトラマン”をやると… 「熱中症対策は大丈夫?」と懸念される“つばなし赤白帽”

「“つば”がお友達にぶつかりケガをした、といった苦情が学校に入った」

7月に入ってから日に日に気温が高くなり、熱中症対策を意識する季節となってきた。
筆者の息子は都内の公立小学校に通っているが、体育の授業で使用する赤白帽に“つば”がない。



学校関係者によると区の大半の小学校は20年以上この“つばなし赤白帽”を推奨しているが、ここにきてある“論争”がおきている。

「これじゃ、ウルトラマンに変身できないですね」

東海地方出身で昭和生まれの筆者は、赤白帽を半分にして縦にかぶりウルトラマンに“変身”することが度々あった。「そんな思い出話はどうでもいい」とあるママ友は筆者の言葉を切り捨て、真剣な表情でこう訴えた。

「これから日差しも強くなる。帽子としての機能は果たしているのか?」「目に紫外線が直接当たってしまうので、目を傷めてしまう可能性はないのか?」

たしかに日よけがない“つばなし帽子”では、猛暑日が続くこれからの時期、あまりに頼りない。ではなぜ“つば”がないのだろうか?都内で学校に赤白帽や体操服、上履きなどを長年販売している洋服店の店主はこう話した。

「“つばなし”はマット運動のときに邪魔にならず運動ができますし、また『“つば”がお友達にぶつかりケガをした』といった苦情が学校に入ったという噂もあります。狭い東京の学校だからこそ重宝されてきたのかもしれません、このあたりの小学校はたいてい“つばなし”が主流です」(洋服店店主)

区の教育委員会に問い合わせると、赤白帽の種類については各学校の判断にゆだねており教育委員会は“管轄外”であるが、半数の学校が今も“つばなし赤白帽”を推進しているという。 

「最近では日よけを大きくした帽子が好まれる傾向です」

では全国的に“つばなし”は多いのだろうか。現役教師たちにも話をきいた。

「私の学校はみんな“つばあり”の赤白帽を使用しています。地域や学校によって使用されている赤白帽は様々です。後ろに日よけがついているタイプの赤白帽を導入している学校もあると聞いたことがありますが、“つばなし”タイプがあるというのは初めて知りました。

たしかに学校で子どもたちがふざけあって、赤白帽の“つば”のところが目に入ってしまうトラブルになったことがあります。このようなトラブルを考えると、“つばなし”の赤白帽は安全かもしれません。しかし、熱中症が心配なこれからの時期、“つばなし”の赤白帽で十分な対策が取れるのか心配です」(30代兵庫県小学校教諭)

「私の学校では、帽子の裏表が赤と白で、あごに引っ掛けるゴムがついているものを使用する決まりになっています。“つば”の長さや後ろの日よけのある・なしは特に定められていません。

“つばなし”の赤白帽を使用している児童は今まで1度も見たことがないですね。むしろ最近は、熱中症対策で後ろに日よけがついているタイプの赤白帽を着用する児童が増えています。

“つば”を巡るトラブルは聞いたことがありませんが、あごひもを噛んでしまう児童がよくいるので、それを注意することは多いですね。唾液がつくと衛生的にも良くないので。

あごひもを噛みすぎてゴムをが伸びきってゆるゆるになってしまうと、それを直してもらうように保護者の方にお願いすることもあります」(40代神奈川県小学校教諭)

西日本で創業100年以上の学童用帽子を販売する老舗の総合衣料メーカーは「“つばなし”は聞いたことがない」「最近では日よけを大きくした帽子が好まれる傾向です」と“つばなし”の存在に驚いていた。

全国的にもマレな“つばなし”だが、ある公的機関の熱中症の専門家は「“つばなし”でも一定の熱中症対策になる」としたものの“日よけ”の必要性についてこう警鐘を鳴らした。

「炎天下で黒色は紫外線を吸収しやすいので、髪の毛を覆うことができる“つばなし”の帽子も熱中症対策にはなります。ただ、直射日光を避けるためには“つば”がある帽子の方がより効果的です。

帽子は時々はずして、汗の蒸発を促すことも大切です。また、速乾素材や軽・涼素材等の帽子を活用することも熱中症対策になります。 グラウンドなど日陰のない場所で運動をする際は、帽子を着用して適宜休憩や水分補給をし、無理をしないことが大切です」

連日続く猛暑。もはや“つば”の有無では防ぎようもない暑さだが、子どもたちが安全で過ごせることは親の切なる願いである。 

※「集英社オンライン」では、学校にまつわるトラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文 足立徒太郎
集英社オンラインニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください