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劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』が公開! 担当編集者が見た漫画家・堀越耕平のスゴさと、原作の完結に向けて思うこと 「一番すごいところとなると“挑み続けている”ところでしょうか」

集英社オンライン / 2024年8月2日 11時0分

劇場版第4作目となる『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』が、8月2日(金)より全国公開された。オリジナルストーリーによるキャラクターたちの活躍、映画オリジナルキャラの、そして原作の完結。気になることだらけの同作について、連載開始時から4年間担当を務め、現在は『ヒロアカ』のメディア担当をしている週刊少年ジャンプ編集部の門司健吾副編集長に話を聞いた。

【画像】『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』のキャラクターたちの活躍

劇場第4作目とダークマイト誕生秘話

──『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、『僕のヒーローアカデミア(以降、ヒロアカ)』の映画4作目となりますが、制作が決まったとき、堀越先生はどんな反応でしたか?



門司健吾(以下同)
 本当ですか? と。ジャンプの漫画のなかでも、オリジナルストーリーの映画を作れる作品は限られています。といっても、『ヒロアカ』はこれまで3作もオリジナル映画を公開してきたので、編集者としては4作目の可能性は十分にあるだろうと思っていました。でも、先生はまだやれるんですね、と驚いていましたね。

──これまでの3作品はいずれもヒットしていると思うのですが、それでもですか。

そうです。『ヒロアカ』を生み出しても、“自信満々”みたいなところがない先生なので。

──『ヒロアカ』の映画といえば、堀越先生が総監修を務めることが恒例となっていますが、本作ではどのように関わっていますか?

今回も総監修です。制作が決まったタイミングで、先生も含めた関係者が集まってゼロからブレストしました。『ヒロアカ』の映画はいわゆるパラレルワールドの話ではなく、原作のストーリーラインに挟み込むので、どのあたりの話にしようか、といったところから。

──本作の時系列はどこに当たるのでしょうか。

スターアンドストライプが作ってくれた、束の間の猶予にあたる期間です。そこが固まったあとは、アニメは1話から、映画も全作携わっている脚本家の黒田(洋介)さんに筋書きを書いてもらって、それをもとに、先生の意見も交えて打ち合わせを重ねていきました。

──では、先生もかなりストーリー作りに関わっているのですね。本作のヴィラン・ダークマイトは、ヒーローものでは定番といえる、ヒーローにそっくりなビジュアルをした敵キャラクターです。どのような経緯で誕生したのでしょうか。

実は、ストーリーがほぼ固まったタイミングでもダークマイトはいなかったんですよ。完成した映画とほぼ同じ流れの物語までできていたのですが、それを堀越先生に見せたら「これでもおもしろいけど、もう一歩敵役を強められたらいいのに」と。

──それは、熱い展開ですね。

そしたら、サラサラッとその場で絵を描き始めたんです。たとえばこんな感じの敵<ヴィラン>とか~って。それがオールマイトの偽物みたいなビジュアルでした。ただのマフィアでなく、オールマイトとの関係性が軸として刺さったことで、映画における敵<ヴィラン>たちの存在感がワンランクアップしたと思っています。

──先生が描きはじめたとき、門司さん的にはキタ! という感じですか。

そうですね。絵を見て、純粋にこれはいいぞと。とにかくビジュアルがおもしろかった。スーツを着て椅子にドカッと座っていて、ワイングラスみたいなものを持っていたと思います。

一番すごいのは“挑み続けている”ところ

──最高の瞬間ですね。ほかにも、映画のオリジナルキャラクターとしてジュリオ・ガンディーニ、アンナ・シェルビーノが登場しますが、彼らはどのように誕生したのでしょうか。

脚本をもとに先生がデザインしてくださいました。デザインでキャラクター性はすごく変わるので、最終的には先生によるエッセンスも強くなりました。僕は、堀越先生のキャラデザインのスキルは日本でも有数だと思っています。デザインを見るだけで、キャラクター性が伝わってくるのは本当にすごいです。

──おもしろい脚本に先生の意見とデザインが加わり、映画全体がアップグレードしていくという。

ジュリオのメカニカルな部分はもともと脚本の黒田(洋介)さんのアイディアですが、ディテールを詰めていったのは岡村(天斎)監督の趣味ですね。

──キャラデザの話がありましたが、門司さんは『ヒロアカ』の連載開始時から先生を見てきて、どんなところがすごいと思いますか?

いっぱいあるので迷いますが、まずはすさまじい画力ですね。ただ、一番すごいところとなると“挑み続けている”ところでしょうか。

──ぜひ、具体的に教えてください。

『ONE PIECE』をはじめ、ジャンプに載っている他の漫画を超えたい、勝ちたい、という思いをずっと持っているんです。常に一番を目指しています。

──『ヒロアカ』ほどの大ヒット作を作りながら、ですか。

そうなんです。あれだけ作品がヒットしているので、「もう順位とかよりも自分の描きたいことを好きなように描こう」となってもおかしくないですし、別にそれも間違っているとは思いません。ただ、堀越先生は「ジャンプで連載する以上はトップを目指して戦いたい」と言い続けているんですよね。

──『ヒロアカ』の熱さやおもしろさの根源を見た気がします。さて、本作はA組の面々もプロヒーローたちも勢ぞろいの、いわばオールスター作品ですよね。門司さんが気に入っているシーンがあれば教えてください。

今作はヒロアカ史上最大級のアクションだらけで、とにかく見どころだらけだと思っています。なのであえてちょっと細かいところを挙げると、敵<ヴィラン>の“個性”でA組のメンバーが幻覚を見せられるシーンがあるのですが、そのときのとあるキャラの幻覚に注目です。原作を読んでいる人だと、ジーンとするんじゃないかな。

──これはぜひ、劇場で楽しんでほしいところです。

細かい演出にも先生がアイデアを出してくれています。たとえば、芦戸(三奈)がメリーゴーラウンドに乗って「これ動くよー!」というシーンがあって、脚本を読んだときに芦戸らしいなあ、と思ってたんです。でも、脚本をチェックした先生からのコメントに「このシーンの芦戸は笑っていたりせず、真顔のほうがいいです」と。その後、映像になって見たときに、確かに芦戸はこうだ! となりました。

──もう1度観たくなってきました……! 続いて、本作の入場者特典であるスペシャルコミックの内容を簡単に教えてください。

先生描き下ろしのカバーで、前日譚の漫画、キャラクター設定、ラフデザインと盛りだくさんの1冊です。先生への一問一答も収録されていて、担当目線で見てもかなり衝撃的な答えもありました。これは話題になること間違いなしだと思います。

映画公開の3日後には、原作が完結

──映画公開を前にして原作の完結が告知されています。すでに原稿は完成済みなのでしょうか(2024年7月上旬時点)。

いえ、絶賛作業中です。

──ギリギリまで描かれているのですね。それも、先生が挑戦を続けているからこそでしょうか。

そうですね。最後まで『ヒロアカ』の物語をしっかり読者に届けたいという強い気持ちで描いてくれています。

──完結はさみしいニュースでしたが、同時にラストが楽しみです。とはいえ、『ヒロアカ』はジャンプの柱と呼べる作品のひとつですよね。率直に、ジャンプの副編集長としてはいかがですか?

雑誌全体で考えると、これだけの作品が終了することはもちろん痛手です。ただ、無理に引き留めるということはしていません。完結自体はかなり前から話し合ってきたことですしね。ずっと見てきた身としては、感動のほうが強いです。

──そうですよね。

ただ、最初に話していた完結時期からはかなりずれ込んでいるんです。たしか、最初に話したのは2、3年くらい前で、そのとき「来年ぐらいに……」と話をしたと思います。結局、2年くらい伸びたかな。でもそれは、描かなければならないことを描くためであって、決して寄り道しているわけではありません。

──先生は、物語の完結にあたりなにかおっしゃっていましたか?

ふとした瞬間に「このキャラを描くのってあとなんコマあるんだろう」と思うこととかはあると。ただ、今はまだ締め切りと戦う生活をしていますので本当に描き終わるまでは、そこまで感慨はないみたいです。

──では最後に、映画館に足を運ぶファンに向けてメッセージをお願いします。

原作の完結を控え、テレビアニメが放送中、そして映画の新作公開と同時にコミックスの41巻が発売するという、すごく奇跡的なタイミングが重なっています。すごく盛り上がると思うので、ぜひその波に乗ってほしいです。

──まさに、「ヒロアカの夏」ですね。

そうですね。原作は完結しますがアニメは続き、そういう意味では『ヒロアカ』はまだまだ終わりません。劇場版も今までの劇場版のいいとこ取りのような出来に仕上がっていますので、ぜひたくさんの方にご覧いただきたいなと思います。


取材・文/関口大起

『僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ユアネクスト』

声の出演: 山下大輝(緑谷出久役) 岡本信彦(爆豪勝己役) 梶裕貴(轟焦凍役) 佐倉綾音(麗日お茶子役) 石川界人(飯田天哉役) 稲田徹(エンデヴァー役) 中村悠一(ホークス役) 宮野真守(ジュリオ・ガンディーニ役) 生見愛瑠(アンナ・シェルビーノ役) 三宅健太(オールマイト/ダークマイト役) ほか
原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:岡村天斎 脚本:黒田洋介
メインキャラクターデザイン:馬越嘉彦 キャラクターデザイン・メイン作画監督:林祐己 総作画監督:小田嶋瞳
音 楽:林ゆうき 音響監督:三間雅文 
アニメーションアドバイザー:長崎健司 アニメーション制作:ボンズ
主題歌:Vaundy『ホムンクルス』(SDR/Sony Music Labels Inc.)
製作委員会:東宝 讀賣テレビ 集英社 ボンズ 日本テレビ 電通 ソニー・ミュージックエンタテインメント ムービック
配給:東宝 コピーライト (C) 2024 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (C) 堀越耕平/集英社

公開日 2024年8月2日(金)  全国東宝系にてロードショー
公式サイト https://heroaca-movie.com/

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