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《東京・上野の夏に異変》猛暑で動物たちもぐったり「豪邸にあるじゅうたんかな?」氷を使ったイベントもまさかの大惨事

集英社オンライン / 2024年7月21日 11時0分

日本中で気温40度近くになる地域が相次ぐなど、近年、日本の夏は「猛暑」を超えた「酷暑」と呼ばれ、「災害級の暑さ」という言葉まで誕生した。今年は7月初旬から早くも異常な暑さが続き、今から夏本番が心配される状況だ。この暑さには人間だけでなく動物たちもお手上げのほか、涼をとるはずのイベントにも影響が……。

【画像】災害的な暑さで「豪邸にあるじゅうたん」みたいにグロッキー状態のクマ

猛暑で動物にも異変が

7月初旬の日本列島を連日の猛暑が襲っている。七夕の7日には静岡県静岡市で今季国内初の気温40度と、日本気象協会が定める「酷暑日」を記録。

翌8日も和歌山県新宮市で39.6度、東京府中市で39.2度とそれぞれ観測史上最高を更新し、梅雨明け宣言が出ていない地域も多い中、早くも厳しい夏を予感させている。



8日には日本救急医学会がオンラインで緊急記者会見を開き、まだ体が暑さに慣れきっていない時期であることから、「暑い時間帯の不要不急の外出は避けてほしい」と注意喚起。近年、日本の夏は「災害級の暑さ」といわれることが多いが、会見では「すでに災害を超えた状況」との警鐘を鳴らしている。

SNSでも暑さに関する話題が頻繁にトレンド入りしているが、まいっているのは人間だけではない。連日の猛暑に、動物園のかわいい動物たちも大変な日々を送っているのだ。

この様子をXにアップしたのは、はむ公さん(@hamungo007080)。はむ公さんは7月6日に東京・上野動物園へ来園。この日の東京は晴れのち一時的に大雨、最高気温は34.4度だったが、撮影された動物たちは一様に暑さにダウンしてしまっている。

クマは岩場に大の字でへたり込み、はむ公さんはその様子を「豪邸にあるじゅうたんかな?」と例えている。別のクマも溶けたように横たわり、レッサーパンダもアスレチックにへばりつくなど、みな「ぐったり」という表現が的確な姿だ。

 バクも脚をたたんでペタリと這いつくばってしまい、心なしか表情にも生気がないように見える。サル山のニホンザルも日陰を避暑地にしており、園内を巡回する来園者よりも元気がないといえるだろう。

特につらさを感じさせるのがホッキョクグマだ。名前の通り、本来ホッキョクグマは北極圏を中心に生息していて、暑さとは無縁の生態系といえる。動物園で本来と正反対の環境で過ごすのは、同情にすら値するかもしれない。

はむ公さんが収めたホッキョクグマも、来園者に背を向け、空調の効いた屋内に帰りたそうにしている。夏に慣れている人間ですらまいってしまうのだから、寒冷地から来たホッキョクグマがつらさを感じるのは無理もないだろう。 

恒例の氷彫刻イベントにも大きな影響

こうした現象は、東京のみならず他の動物園でも起こっているようだ。7月上旬の午後、関東近郊の動物園に足を運んで園内のスタッフに話を聞くと、動物たちは今、“避暑”に奔走しているという。

「(一部の動物たちは)今はバックヤードに入っています。なんせこの暑さなので、動物たちも屋内に入ってしまって……中は空調が効いてるので、そっちの方が快適みたいです」(園内スタッフA)

野生では厳しい生息環境で生きる動物たちも、ひとたび人間が管理する文明の利器に慣れるとそちらを好むようだ。特に、寒い地域に生息するホッキョクグマは、暑さが苦手なようで……。

「ホッキョクグマなんかは、暑さですぐに中へ戻ってしまうことがありますね。やっぱりこれだけ暑いので、寒いところの動物は特に大変だと思います」(園内スタッフB)

厳しい暑さを示す現象は、上野動物園を出てすぐの上野恩賜公園でも見られている。7日に開催された「第53回全国氷彫刻展夏季大会」だ。

同イベントはNPO法人日本氷彫刻会が主催するもので、コロナ禍での中止を挟み、昨年に4年ぶりの復活を果たした恒例行事。全国から集まった選手たちが135kgある1本の氷を削り、芸術的な彫刻を創り上げ、腕を競い合う。

完成した作品は公園内に展示もされるのだが、この日の東京都心は晴れのち曇り、最高気温は34.4度を記録していた。

この氷彫刻展を訪れた湯島しゆさん(@yushimaosusume)が、Xで現地の様子を投稿すると、その画像は240万インプレッションを超える万バズに。というのも、アップされた画像には、暑さのあまり続々と溶けていった氷彫刻が写っていたのだ。

作品の中にはもはや原型を留めていないものも多く、東京の夏がいかに厳しいかを雄弁に物語っている。溶けて分解された氷が地面に散乱する様子も見て取れ、早めに来場しないと芸術的な氷彫刻は見られなかったことだろう。

気象庁は平年より暑くなる確率を70%と予報 

こうして各地で感じさせる“酷暑の夏”だが、気象庁もこの夏は平年並みより暑くなると予報している。

7月4日に発表した6日から8月5日の1ヶ月に関する見通しでは、北海道のオホーツク海側などごく一部の地域を除くほぼ全国で、気温が平年並より高くなる確率を70%以上としている。

やはり今年の夏は、この勢いを保ったまま暑くなることを覚悟しておいたほうがよさそうだ。

社会全体を見ても、ハンディファンなどの暑さ対策グッズが急速に普及したほか、夏の風物詩「甲子園」こと全国高校野球選手権大会でも、昨年の第105回大会から5回終了時に10分間休憩する「クーリングタイム」が導入されている。こうした動きも、夏の暑さが厳しくなり、対策の必要が生じたことを示しているかもしれない。

氷使ったイベントに動物園と、さまざまな箇所で影響を及ぼしている猛暑。このままだと、夏のレジャーシーンにもホットけない大きな変化が生じそうだ。

取材・文/久保慎 集英社オンライン編集部

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