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〈“個撮AV撮影”で逮捕・略式起訴〉「このメスガキが…」が口癖の人気”裏アカ男子“は目隠し、拘束、さらに腹を殴り…それでも気軽に撮影に応じる女性が後を絶たない理由

集英社オンライン / 2024年7月13日 17時0分

千葉地検は7月9日、AV出演被害防止・救済法違反とわいせつ電磁的記録陳列の容疑で同県在住の31歳の会社員の男を略式起訴した。男は罰金50万円を即日納付して勾留は解かれたが、この処分に不満と不安を呈す被害女性たちに話を聞いた。

〈画像〉取材に応じた被害者のAさんと、裏垢男子KとAさんのやりとり

2万人ほどフォロワーがいる人気の“裏垢男子”が逮捕 

男はアダルト動画の交流販売サイトで活動するなか、無修正動画の公表とAVに出演する女性に対して必要な契約書を交付しなかったとして6月19日に逮捕・勾留された。

その後、勾留期間中にほかの女性2人に対するAV出演被害防止・救済法違反の容疑で追送検されたが、こちらは不起訴となった。



この事件を取材した記者は、次のように話す。

「男はイニシャルがKのハンドルネームで2022年3月から2024年3月にかけて、アダルト動画の交流販売サイトに動画を投稿し、約630万円もの収益を得たようです。

動画を撮影して販売する際には、必ず書類の提示と契約書を交わす必要がありますが、これらを複数名の女性に対して行わなかったとのこと。しかし、理由は明かされていませんが、追送検された女性2名の件に関しては不起訴処分となったようです」

今回の千葉県警によるAV新法に関する摘発は初となるが、同人AV(メーカーではない個人やサークルが制作したアダルトビデオ)の摘発自体は、今にはじまったことではない。

Kによる被害を受けた女性は、一体どのような流れで同人AVに出演することになったのか。千葉県の警察署に被害届を提出し、千葉簡裁で証言したAさん(24歳)に話を聞いた。

「KはXで、2万人ほどフォロワーがいる人気の裏垢男子でした。ハメ撮り動画を投稿し、そのプレイを見て『この人としたい』と思った女性が、プロフィール上にある応募フォームに入力して、実際に会って同じようなことをするんです。

私は2022年9月末ごろ、その応募フォームに自ら入力して、アポを取りました。それで10月半ばごろに千葉県内の駅で合流し、ホテルで行為をしました。自ら会う約束をしましたが、まさか動画を販売されるとは思っていませんでした」

同人AVを販売する男に自ら会いに行ったという点では、「飛んで火に入る夏の虫」だと言わざるを得ない。だが、Aさんの言い分はこうだ。

 「私は行為を撮られるという非日常的な経験をしたかっただけで、それを販売されるとは思いませんでした。AV新法によって動画を販売するには事前に文書を作成して契約書にサインをするのが必須だそうです。

私は販売の許可をしてません。自業自得だとは思いますが、自分が性行為している姿が知らぬ間にインターネット上に公開されたことは、精神的なショックが大きいです」

「妄想していたほど『めちゃくちゃいい』ものじゃなかった」

とはいえ、Aさんは一体なぜKに自らコンタクトを取ったのか? 聞いてみると、Aさんはうなだれながら「彼氏と別れたばかりで、気の迷いからでした」と話した。

「それまで彼氏としかそういうことをしたことがなかったし、体の関係のためだけに男性と会うなんてあり得なかった。

でも彼氏と別れてフリーになり、寂しさを紛らわすためになんとなく裏垢女子がいろいろな人とエッチなことをする“ネット漫画”を読んで、『楽しそう』って思ったんです。それで私もXに裏垢を作り、いろんな裏垢男子のアカウントを見て、妄想を膨らませていました。そして、最初にコンタクトを取ったのがKでした」

Aさん曰く、Kの容姿は「身長180㎝くらいで、メガネをかけた丸顔。一般的にはかっこいい顔じゃない」そうだ。Aさんは実際にKと会い、膨らんだ妄想は満たされたのだろうか?

「意外にも『こんなもんか』って感じでした。アイマスクをつけられて、されるがまま拘束プレイをされたもの、妄想していたほど“めちゃくちゃいい”ものじゃなかった。しかもKが実況中継しているみたいに行為中にしゃべるので、シラけて集中できなかったです」

Aさん以外に、Kと自らコンタクトを取ったBさん(29歳)にも話を聞いたところ…

「Kとは体の関係をもちたくてマッチングアプリを使って出会いました。撮影も許可しましたし、動画の販売なども『どうぞご自由にお使い下さい』という感じでしたけど、契約書は一切見ていないです」とのことだった。

また、現在は夫と2人で暮らしている主婦のCさん(30歳)は、まだ独身だった一昨年
K”と会って撮影に応じている。

「Kは『このメスガキが』と、よく“ガキ“というワードを行為中に使って言葉責めをしていました。女の子に許可を得ているとはいえ、お腹を蹴ったり、顔を踏み潰したりと、ハードめなプレイをしていて、無理にSキャラを作っている印象でした。今も私の動画が販売されているかどうかはわからないけど、とにかく夫にバレないことだけを祈りますね」

Kから金銭は受け取っていないとはいえ、Bさんについては、仮に身バレをしてしまったところで「自業自得」な部分もある。

「火遊び感覚で気軽に出演するものではない」

しかしながら、どうして女性たちはここまで“変態のK”と接触し気軽に性行為の撮影に応じ、同人AV被害に遭ってしまうのだろうか。同人AV界の動向に詳しいグラビアアイドル兼ライター・吉沢さりぃ氏に聞いた。

「同人AV自体は10年以上前から存在していましたが、動画サイトなどで簡単に販路を確保できるようになったことや、SNSの発達で出演者を探しやすくなったことで市場が拡大しました。

女性たちが同人AVに出る理由は、本人らが性に奔放なことに加え、出演して男性の“おかず”にされることで承認欲求を満たしたい、火遊びしたいなどです。そのほとんどが『身バレしなきゃいいや』と思っていて、動画を撮影することへの抵抗感がほとんどない方が多いです」

しかし、ただの火遊びでは済まず、今回のように犯罪に巻き込まれるケースもある。同人AVそのものが違法なわけではないが、これに関わるリスクは大きいだろう。

「たとえば、今やインフルエンサー化しているセクシー女優などは、きちんと契約書を交わしたうえで正規のビデオメーカーの作品に出ていますし、引退後に本人が申請を行えば、動画も削除されます。でも、同人AVは完全に個人のやりとり。トラブルになっても契約書がないため訴えにくかったり、契約書があったとしても実は撮影者に有利な内容になっていたりと、デメリットしかありません。楽しそうとか、火遊び感覚で気軽に出演するものではないと思います」

ちなみに吉沢氏も、かつて自身のXアカウントにも同人AV出演依頼がDMで送られてきたと明かす。

「個人撮影AVを撮っているというアカウントから、『個撮に興味はあるか』とDMが来ました。しかも拘束時間3時間で8万円と、全然高くない微妙なギャラ設定です。

こんなふうに、現役グラドルをやっている私のところにも個撮の依頼が気軽に届くんですから、怖いですよ。どうか女性の皆さん、違法なことに巻き込まれないように十分注意してください」

Kの勾留が解けたのは7月9日のことだが、その日からさっそくXへの投稿を再開し、こりずに同人AV撮影の募集を継続していた。

集英社オンラインはこれまでも“裏垢男子”の危険性を何度か報じてきた。不特定多数の女性と行為を繰り返す“裏垢男子”は金銭トラブルや身バレ、性感染症など多くのトラブルがつきまとう。女性側はコンタクトを取る前に、今一度リスクについて考えてほしい。

 ※「集英社オンライン」では、“裏垢男子”にまつわる事件、トラブルについて情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news  

取材・文 集英社オンラインニュース班

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