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〈あのベイブレードが再ブーム〉シリーズ最新作は累計出荷200万個の大ヒットも、子どもたちは「うるさい」と家を追い出され、公園、公民館も“禁止”で「遊ぶところがない」と悲鳴

集英社オンライン / 2024年7月14日 9時0分

玩具メーカー大手の「タカラトミー」は、昨年7月に現代版ベーゴマ玩具「ベイブレードX(エックス)」の販売をスタート。シリーズ最新作となる本商品は、新たなギミックとして「X(エクストリーム)ダッシュ」を搭載し、歴代シリーズ最速のスピードを実現。発売からわずか半年で国内累計出荷数は200万個を突破する大ヒットを記録している。その一方で、ユーザーの親からは騒音を気にする声も…。令和のベイブレード事情を取材した。

「床が傷つくから家では禁止」「うるさいから館内禁止、外でやりなさい」ブームだけど遊ぶ場所がない令和の子どもたち

 

「ベイブレードX」ブームのきっかけは?

今年でシリーズ誕生から25周年を迎えた、現代版ベーゴマ玩具「ベイブレード」。これまでに世界80以上の国と地域で累計5.2億円以上(2023年4月時点)が出荷され、日本をふくむ世界各国でブームを起こしてきた。



そんななか、玩具メーカー大手のタカラトミーは、昨年7月におよそ8年ぶりとなる新シリーズ「ベイブレードX(エックス)」の販売をスタート。

近年は家庭用ゲーム機やスマートフォンを使ったゲームアプリが人気を集め、アナログ系の玩具は苦戦を強いられるなか、発売からわずか半年で国内累計出荷数は200万個(2024年1月時点)を突破するなど大ヒット商品になっている。

「本シリーズは、従来のベイブレードから新たなギミックを追加して『X(エクストリーム)ダッシュ』という新機能を搭載しました。ベイブレードを回すフィールド(スタジアム)の側面に『エクストリームライン』と呼ばれるレールが敷かれていて、そこにベイブレードの軸についた『ギヤ』が噛み合うことによって一気にコマを加速するようにしたのです。

これまでのベイブレードの場合、コマ同士があまりぶつかり合うことがなく減速していくのを待つのみ……という状況になることも少なくなかった。ところが、この『X(エクストリーム)ダッシュ』により迫力のあるバトルを実現しました」(エンタメ系ライター)

ベイブレードシリーズは、これまで第一世代の「爆転シュート ベイブレード」(1999年~)、第二世代の「メタルファイト ベイブレード」(2008年~)、第三世代の「ベイブレードバースト」(2015年~)を展開してきた。

そのどれもが全世界出荷数およそ1億5000万個を超える“メガヒット”を記録し、第四世代となる「ベイブレードX」にはそれ以上の売上が期待されている。

ところが、新宿区で長年にわたりおもちゃ屋を営む、「カネモ・トイホビー」店主、那須嘉一郎さんは「ベイブレードX」が発売された当時をこう振り返る。

「昨年7月にウチでも入荷しましたが、最初の売上は全然でした(笑)。従来のベイブレードシリーズとは変わり、『ランチャー』(ベイブレードを回す機械)までモデルチェンジしたため、新しいベイブレードで遊ぶとなると、またイチから道具をそろえる必要があったんです。

ところが、昨年の夏ごろに『ベイブレードX』のアニメが始まり、コロコロコミックの漫画連載も人気になったことで小学生から注目を集めて在庫も動きだしました。

アニメに登場するキャラクターが使っているベイブレードが発売されるので、昨年末あたりから新商品が出るたびにすぐに完売するようになったという感じです」

ベイブレードXシリーズは、現在およそ20種類以上の商品を展開。昨年まではランチャーとベイブレードがセットになった「スターターキット」や、ベイブレードを回す「スタジアム」を一緒に買う“新規ユーザー”がほとんどだったが、発売から10ヶ月経った今では“既存ユーザー”に向けた商品が売れているという。

「一番の売れ筋商品は『ランダムブースター』。これはカードゲームのパックのように、箱を開けるまでどんなベイブレードが入っているかわからない仕様になっています。

ここでしか手に入らない形や色をした商品もあるので、友達が持っていない“レア”なベイブレードを求める小学生男子の心を鷲づかみにしているというわけです。
ウチでも入荷するたびに2、3箱買っていく子もいて、すぐに完売するという状況になっています」(同)

ベイブレードにハマる子どもの親は「とにかく音がうるさい」

そうしたメーカー側の作戦が功を奏したのか、「ベイブレードX」は大ヒットを記録。そうなるとつきまとうのが“転売ヤー”の存在だろう。近年では「ポケモンカード」の転売が相次いだことで逮捕者まで出たが、都内の転売ヤーの男性はこう答える。

「昨年末まではメーカー側も需要が読めなかったこともあり、出荷数を絞っていたのでフリマアプリなどで、定価の3~4倍ほどでやり取りされている商品も少なくなかった。

ただ、今はダメですね。需要に供給が追いついてしまったので値段も落ち着いている。一応、新商品の発売初週になると定価の2倍ほどでやり取りはされていますが、そこまでおいしい商材とは言えません」

令和の時代に巻き起こったベイブレード旋風。この一大ブームをユーザーの親たちはどう捉えているのか。小学2年生の息子がベイブレードにドハマりしているという、豊島区在住の40代・男性は「アナログのおもちゃだからこそ、いろいろと工夫しながら遊んでいるので買ってあげて正解だった」と満足気だ。

「今年の春ごろに、いきなり『ベイブレードがほしい!』と言い出したんですよ。どうやら通っている学童(=学童クラブ)にコロコロコミックが置いてあって、それを読んで興味を持ったみたいで…。

それから今日に至るまで毎日ベイブレード三昧です。週末になるたびに友達同士でベイブレード大会が開かれるので、それに向けてコマ(=ベイブレード)の高さを変えたり、重さを測ったり、コマが何分間回り続けるのか調べたりしています。子どもながらに、強くなるためにはどうしたらいいだろう? と試行錯誤しているのはいい傾向だと思いますね」

その一方で、「ベイブレードX」は新たなギミック「X(エクストリーム)ダッシュ」を搭載したことにより歴代シリーズ最速のスピードを実現し、迫力のあるバトルを実現したわけだが、この男性はこう頭を悩ませる。

「とにかく音がうるさいんですよ(苦笑)。コマが回るだけでも音がかなり響くというのに、それに『X(エクストリーム)ダッシュ』が加わると、キュイーン!と爆音が鳴ったり、勢い余ってフィールドを飛び出して床で回るからフローリングが傷つかないか心配しています。

ベイブレード専用のフィールドを持っていないご家庭では、紙皿の上でコマを回していると聞きますし、ママ友たちも『外でやってもらいたいですよね…』と愚痴をこぼしています。

実際に、週末になると近所の公民館で勝手にベイブレード大会が開かれているようですが、ついこの前、そこの管理人さんに『うるさいから館内は禁止』と注意されたみたいです。

それで外のテーブルに移動して遊んでいたら、そこでもステージ外に弾きだされたコマのパーツが花壇の溝に入ったそうで、それを探そうと子どもたちが花壇を荒らすもんだから、さらに怒られて“利用禁止”になってしまいました。

まあ親としては、家でピコピコとテレビゲームをやられるよりかは血が通っている遊びのような気がしていいと思うのですが……」(同)

左回転の発売がブーム継続のカギ

7月にはシリーズ1周年を迎えて、今後もますます売上を伸ばしていくことが予想される「ベイブレードX」。しかし、前出のおもちゃ屋店主は「どんなおもちゃもいつかブームは収束していってしまう。それはベイブレードXも同じでしょう」と語る。

「この業界では、ベイブレードは『回りモノ』と呼ばれていて、昔からボーイズホビーとしての人気も高い。ものすごく売れるか、そこそこ売れるかの差はあれど、商売としては固いんですよ。でも、どんなおもちゃだって一年も二年も遊ぶと、飽きがきてしまう。ある程度の期間が経つと、だんだんと人気も落ちていくんです」

過去のベイブレードシリーズも、最初は小学生を中心に人気に火がつくが、それが幼稚園年長組に回り、最終的に未就学児に回るとブームは終わったという。ただし、ベイブレードXの今後については「まだまだブームは続いていくでしょう」と話す。

「今後ブームを左右するのが『左回転のベイブレード』の存在です。過去のベイブレードシリーズにおいても、ブームの後半には必ずといっていいほど左回転の新商品が出て、ふたたびユーザーが盛り上がるという流れがあった。

これでアニメやマンガも盛り上がれば、『左回転のベイブレードがほしい!』と思う子どもも続出するんじゃないかと思っています」

時代は変われど、子どもたちに愛され続けるベイブレード。今後も、末永くブームが続いていってほしいものだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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