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《トランプ前大統領銃撃事件》「暗殺から助かる強運」「暴力に屈せず戦う姿勢」アメリカ国民が求める強いリーダー像を見せたトランプに“風”は吹くか?

集英社オンライン / 2024年7月14日 18時0分

7月13日(日本時間7月14日)朝、アメリカのドナルド・トランプ前大統領が銃撃されるという衝撃的な一報が飛び込んできた。トランプ氏は右耳を負傷し、流血する痛ましい映像が世界中に拡散されたが、力強く拳を掲げ無事をアピール。今秋に大統領選を控える中、銃撃は選挙戦にも大きな影響を与えるだろう。

米大統領選挙への影響は必至…「トランプ氏をさらに押し上げる効果」となり、選挙戦で窮地に立たされるバイデン大統領

無事をアピールでトランプ支持者は結束

事件はペンシルベニア州での集会中に起こった。トランプ前大統領は支持者の声援を浴びながら登壇すると、11月に行われるアメリカ大統領選に向けて演説を開始。演説が10分ほど経ったところで銃声が鳴り響き、聴衆の歓声は悲鳴へと変わっていった。



銃弾はトランプ氏の右耳付近に命中し、耳の辺りを押さえて体を伏せたが、発砲はその後も続いていく。しばらくするとSPが駆け付けて退避に動いたが、ここでトランプ氏は、力強く右拳を掲げて無事をアピールした。

耳付近からは痛々しい流血が鮮明に確認できたが、トランプ氏は「Fight! Fight!」と繰り返し、聴衆は一気に沸き立つ。シークレットサービス(SP)はトランプ氏の行動を静止しようとしたが、それでも拳を掲げる姿に聴衆は「USA」コールで応えるのだった。

その後、トランプ氏は容態の安定が伝えられ、事件から約2時間半後には自身の会社が運営するSNS「Truth Social」を更新し、「銃弾が右耳の上の方を貫通した」などと事件に言及。また、1人が死亡、2人の負傷が伝えられている聴衆に追悼の意を示し、警護したシークレットサービス(SP)にも謝意を示している。

こうしたトランプ氏の一連の対応について、「アメリカ国民に訴える力は大きい」と指摘するのは『Z世代のアメリカ』などを著書に持つ、アメリカ政治外交が専門の同志社大学大学院・三牧聖子准教授だ。

「暗殺から助かる強運や、窮地において強さと冷静さを見せた姿勢は、移民問題や戦争など国内外で『アメリカは危機にある』との感覚を強めてきたアメリカ国民が求める強いリーダー像に合致します。党大会直前に起こったこの事件は、トランプ氏のもと支持者をさらに団結させるでしょう」(三牧氏)

「民主主義」の看板もトランプ陣営に大きく傾く?

一方のバイデン氏は銃撃を受けて緊急記者会見を開き、トランプ氏の無事に安堵するコメントとともに「こんなことを許してはいけない」「政治的暴力は絶対に許されない」などと強く非難する声明を出したが、銃撃事件がトランプ陣営有利に働くことは否めないという。

「バイデン陣営は、2020年大統領選の敗北を認めず、議事堂襲撃事件への道を作ったとしてトランプ氏を『民主主義への脅威』と批判してきました。

しかし、今後のトランプ陣営は、暴力に屈せず選挙戦を続けるトランプ氏の姿勢こそが『民主主義』であるとの宣伝を強めるでしょう。それがトランプ氏をさらに押し上げる効果を果たすのではないでしょうか」(三牧氏)

バイデン政権はこれまでも「民主主義」を重ねて強調してきたが、むしろ状況は不透明化する一方だ。

「犯人の動機解明はこれからだが、SNSでは人物像や動機をめぐる根拠のない議論や陰謀論が、トランプ氏・バイデン氏両支持層の間で拡散されています。

権威主義が広がる世界で、バイデン政権はアメリカを民主主義の牙城と位置付け、民主主義国の結束を呼びかけてきましたが、当のアメリカが今、民主主義の魅力を世界に示せていません。それどころか、民主主義の未来は極めて不透明な状況となっています」(三牧氏)

国家の元首脳が公然と銃撃される事件といえば、日本人ならば2年前の安倍晋三元首相銃撃事件を想起することだろう。

銃撃したと見られる人物はその場で射殺されたことが伝えられており、本人から動機や背景などを直接聞き出すことはできない。陰謀論や真偽不明な情報も飛び交っているが、全容の解明には時間がかかりそうだ。

取材・文/久保慎 集英社オンライン編集部

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