暴走する”石丸信者”の横暴…対立議員の住所をさらし深夜に「死ね」と電話、頭髪が薄い議員の自宅には育毛剤…被害議員は「8月に石丸の映画が公開されたらさらにひどくなるのでは」これには石丸派からも「やりすぎ」の声
集英社オンライン / 2024年7月17日 17時53分
都知事選での大健闘とその後のテレビ出演での歯に衣着せぬ物言いから、「痛快」「パワハラ上司を彷彿とさせる」と賛否両論の石丸伸二氏(41)。1期目で市長の職を去った広島県安芸高田市では議会との対立の構図を自ら演出したが、その陰では「居眠り市議」と断罪したベテラン市議が無念の死を遂げていただけでなく、複数の議員が深刻な中傷や嫌がらせの被害に苦しんでいた。
〈画像あり〉石丸氏の“敵”として信者たちから攻撃を受け続けた武岡議員と、写真で振り返る東京都知事選
唯一の対処法は石丸がいくらツイートしようが無視すること
石丸氏は市長時代にSNSで女性市議のことを「恫喝された」と名指しで糾弾し、女性市議に名誉毀損訴訟を起こされて敗訴した(#1)。
また、本会議中に居眠りしていたことを石丸氏に「恥を知れ」と断罪された男性市議は、嫌がらせを受けた末に胃の持病が悪化し、今年1月に死去していた(#4)。しかし、「被害者」はそれだけにとどまらない。
現職の男性市議の一人が語る。
「ほとんどの議員がネットでの誹謗中傷やイタズラ電話などなんらかの嫌がらせなどを受けているんじゃないかね。唯一の対処法は石丸がいくらツイートしようが無視すること。嫌がらせに対してもとにかく無視。反応するとこちらも巻き込まれて火だるまになるだけだから。
そもそも石丸は就任当初は古株の市議らとも飲みに行ったりして『僕も二次会ご一緒します』みたいな感じだったんだぞ。そこからのあの状況だからな……。
それに石丸はとにかく質問に質問をかぶせて相手の揚げ足を取り続けるわけだから議論にはならないわな……。しかも再生回数が稼げるからか、YouTuberたちが議会動画の切り貼りをし続けるからどんどん議会のほうが『アホ』とか『老害』みたいなイメージになっていくわけだ」
広島ホームテレビが制作して今年5月に公開されたドキュメンタリー映画「♯つぶやき市長と議会のオキテ 劇場版」も石丸シンパたちには“抵抗勢力”叩きの燃料になったようだ。
「この映画が新たな誹謗中傷を呼び起こしたし、これをベースに8月には役者を使って撮った映画が公開される。名指しされた市議たちはモデルにされて役者が演じるんだからたまらんだろうな。
私はイタズラ電話や脅迫電話にも『どちら様?』って尋ねて名乗らなかったら切ってしまうからいいけどさ。
これまでも、ストレスで頭髪が薄くなった市議のところに育毛剤が届いたりする嫌がらせもあったらしいよ。最近はだいぶ減ったけど映画でまた露出されたら嫌がらせは増えるかもな」
連日嫌がらせの電話、支援者にまで誹謗中傷をしたり…
石丸前市長に勝訴した女性市議も、激しい嫌がらせやイタズラに辟易しているという。近親者がこう証言する。
「もとは参院選広島選挙区を巡る買収事件で、前法相から60万円受け取ったとして市長が辞職し、『政治再建』を掲げて当選したのが石丸氏ですから、半ば思い込みのように『腐った議会』という見方をしていたのでしょう。
武岡議員の居眠り騒動以降、石丸氏と議会との対立が始まりました。SNSに投稿を繰り返す石丸氏に対して議会としては『当人に直接指摘すれば良いだろう』と申し入れるために石丸前市長を協議会に呼び出したところ、石丸氏が『数名から議会の批判をするな、選挙前に騒ぐな、敵に回すなら政策に反対するぞ、と説得?恫喝あり?』とツイートしたんです」
この時点では、女性市議は全く思い当たるフシがなかったにもかかわらず、市議選の公示日に石丸氏がTwitterに名指しで「恫喝された」とつぶやいた。
「その後は嫌がらせがひどく、女性市議の自宅に深夜帯まで『死ね』だとか『今すぐ辞めろ』という電話が連日10回以上もかかってきたり、SNSのコメント欄は誹謗中傷で埋め尽くされた。
さらにコメント欄に応援のメッセージを寄せてくれた支援者のページにまで行って誹謗中傷をしたり、女性市議の家の位置をマークしたネットの地図情報を掲載して悪口を書くなど常軌を逸した嫌がらせが続いた。数は減っていますが、そういった脅迫やイタズラ電話はいまだにあるようです」
女性市議が首長相手に訴訟に踏み切った背景には、こうした事情があったのだ。#4で報じたとおり、半年前に亡くなった武岡市議が受けた“口撃”も目に余るものだったようだ。別の市議がこう証言する。
「2021年8月の豪雨被害が一番ひどかったのは氾濫した多治比川一帯ですが、そこは武岡市議の地元でした。武岡さんは市職員出身で災害対応を熟知しているので、『すぐに被害届を出さなきゃ』と書類を用意して地域を10か所以上回っていたんです。
そんな人が現場を見て『たいしたことはないのお』なんて言うわけがないんですよ。それを石丸前市長は『市民から聞いた』として武岡さんの発言として言いふらした。石丸さんはこういう人の名誉を傷つけるような大嘘を平気で言うんですよ。
もちろん武岡市議は『僕はそんなこと言ってない』と激怒して『対石丸には個人よりチームを組んで対応した方がいい』と呼びかけて『清志会』という会派を発足したんです」
この市議が「石丸メソッド」を詳しく解説してくれた。
「石丸さんは一回標的に定めたらその人が議員をやめるまで攻撃をやめないと。だから終わったと思ったらまた何かを重ねて再燃させるという波状攻撃をするんですね。
議会の切り張り映像を使って繰り返し刷り込みを図る手法は見ていて恐怖を覚えるし、石丸シンパと言われているような広島ホームテレビの映像を観る人達は石丸氏が『大嘘つきだ』だと言われても信じないでしょうね」
石丸信者の特徴は40~60代男性
「石丸信者」の特徴については、こう分析する。
「市議会の傍聴には多い時は70名以上来ていましたが、40代から60代の男性が多い印象ですね。その中には議会の映像の切り貼りで再生数を稼いでいるYouTuberもいたと思いますよ。旅行のついでに『石丸さんを一目見たくて』というご夫婦もいました。
イタズラ電話や脅迫電話、メールは私を含めてほとんどの議員が受けていると思います。職員が5人しかいない議会事務局にもそうした電話はかかってくるので、仕事の効率は悪くなります。そんなことしても石丸氏本人のためにはならないとわかりそうなものですが……」
一方で安芸高田市議会に関わる「石丸派」のある人物はこう擁護する。
「石丸前市長が辛辣な物言いをしたくなる気持ちも少しはわかるんです。自分の支援者の機嫌だけ取ったり、意味のない質問を繰り返す議員が実際にいましたからね。
ただ、石丸前市長は常日頃『安芸高田市に関心を集めなくてはならない』と、あのキャラクターと物言い、SNSを使った戦略で実際に注目を集めたので、その意味では成功しているわけです」
しかし、この石丸派から見ても「やりすぎ感」は否めなかったようだ。
「例えば武岡市議の場合は嫌がらせの電話は奥様にまで向かっていたわけで、石丸前市長もそのことを知っていたなら、やり方を変えてもよかったと思います。石丸さん自身も実家に記者が取材に行った際に激怒していましたしね。
もちろん、石丸前市長がTwitterで発信するのと、記者が実家に取材に来るのは違いますが、結果的に家族がストレスを感じるという意味では同じことをしているわけです。
また、石丸さんは記者会見で毎回、中国新聞の一記者を「それが中国新聞の見解ですか」と、まともに答えられないような詰め寄り方で吊し上げていました。これでは他の記者も自由に質問できないし、言論統制のように見られかねない。心配した市議の一人が進言したところ『間違ったことはしてない』と聞き入れなかったそうです」
石丸伸二、41歳。京大卒の元メガバンカーでニューヨーク帰りの独身エリート。都知事選で吹き荒れた“石丸旋風”と拡散させた“信者”はまだまだ世間を騒がせそうだ。
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