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「食べる手りゅう弾」と呼ばれる激辛ポテチを食べ高校生14人が救急搬送。あのヒカキンも試食し悶絶、製造会社スタッフは直撃に「私もパウダーを全部いれることはありません」

集英社オンライン / 2024年7月17日 18時49分

16日午後1時頃、都立高校の1年生 14名が胃の痛みや吐き気などを訴え緊急搬送される事態が起きた。生徒らは“食べる手榴弾”と呼ばれ恐れられているバングラデシュ産唐辛子“ブート・ジョロキア”入りの「18禁カレーチップス」を回し食べしていたという。この激辛ポテチはアルコールのように法で摂取制限はされてはいないが、無闇に食べることへの危険性を専門家に聞いた。

〈画像〉「耳かき一杯分で鷹の爪コップ一杯分をも勝る」とも言われるヤバすぎる唐辛子、ブート・ジョロキアの写真

食べた33人中14人が搬送

第一報は16日午後2時頃のことだった。生徒14名が集団緊急搬送ということで気温や湿度の高さによる食中毒かと思われたが、実際は男子生徒が持ち込んだ激辛ポテチ「18禁カレーチップス」を食べたことによる体調不良だった。社会部記者は言う。



「『18禁カレーチップス』を高1の男子生徒が持ち込み、同級生33人ほどでお昼休み中に回し食べをしていたようです。

持ち込んだ生徒は無理やり食べさせたのではなく『辛い物好きがいたら食べてもらおうと思った』とし、『以前食べたことがあり、辛かったが体調は崩さなかった』と話していたようです。食べた生徒のうちの15人が腹痛や吐き気、口の痺れを訴え14人が搬送されたとのことでした」

16日夕方頃に「18禁カレーチップス」を製造販売する会社に電話をすると、鳴り響く電話の対応に追われたスタッフがおずおずと「代表がコメントを出しましたので…」と言い、次の公式コメントを寄せた。

「関係各位に対し多大なるご迷惑をおかけいたし申し訳ございません。搬送された方、並びに体調不良を訴えられた方の、一日でも早い回復をお祈り申し上げます」

電話口のスタッフに「『18禁カレーチップス』は食べたことはありますか?」と問うと、こう話した。

「製品は2013年に発売され、ポテトチップスと18禁カレーパウダーと袋をとめるクリップがついており、パウダーを入れなければごく普通のチキン風味のポテトチップスです。

これにお好みで調整しながらパウダーを入れてクリップをとめ、シャカシャカと振って辛味を満遍なくまぶして食べるというものです。私自身はパウダーを少し入れて食べましたが、全部入れて食べたことはありません。怖いので」

実際に生徒らがパウダーをすべて入れたかどうかは明らかになっていないが、商品の製造元のスタッフですら「怖くてパウダーはすべて入れられない」と言うのだから、よほどの辛さなのだろう。

ハバネロの約2倍の辛さ

この製品を食べたことがある激辛料理専門家でフードアナリストの金成姫(キムソンヒ)氏に「18禁カレーチップス」のパウダーに多く含まれるブート・ジョロキアなる唐辛子の辛さについて聞いた。

「とくに辛い唐辛子として有名なハバネロは聞いたことがあるかもしれませんが、ブート・ジョロキアを唐辛子の辛さを量る単位“スコヴィル値”で説明すると、ハバネロの約2倍だと言われています。

また、ブート・ジョロキアの耳かき一杯分は鷹の爪コップ一杯分にも勝るとか、ブート・ジョロキアに比べたら他の唐辛子なんて朝食に食べるシリアルみたいだとか、いろんな言われ方をするほどです」

そんな金さんも「18禁カレーチップス」を食べる際には事前に“準備”をしているという。

「私はハバネロ以上の辛い物を食べる時は必ず牛乳やヨーグルトなどを胃に入れて保護します。この『18禁カレーチップス』もそうです。体調を壊さず万全に辛味の旨みを感じたいからです。水では辛さは引かないし一時しのぎでしかありません。未知の辛さと向き合う時のセッティングは絶対に欠かせないのです」

金さんは今回の報道を受けてこう述べた。

「正直、このような刺激物はアルコールと似ています。急激に許容範囲を超える量を接取すると胃痙攣や急性胃炎、咽頭炎などを起こすこともあるからです。私の知り合いの激辛仲間ですら下痢を発症し点滴を打った人もいるほどですから」

激辛好きの金さんは、今回の事態によって「『激辛=悪』のように捉えられるのだけは我々フリークからしたら悲しいことだ」と言う。やはり前述したように「辛さに向き合うには準備が必要」ということなのだろう。

だが、今回の騒動で「18禁カレーチップス」に注目度が集まり、商品が売られる都内の複合雑貨店ではこんな声もあがった。

「今日の昼過ぎから『18禁カレーチップス』に関する問い合わせが増えて、1個1100円(税込)と決して安くはないんですけど、あっという間に売り切れました。18禁とはいえアルコールのように年齢確認があるわけじゃないし、小さいお子さんが買いに来たとしても止めることはありません」

ヒカキンも悶絶

今回の報道を受けて、都立高の2年生男子は言う。

「これ、ヒカキンがYouTubeで食べてるの見て、いつか友達と罰ゲームとかで食べようと思ってたんですよ。18禁カレーパウダーが指に付着しただけで『ヒリヒリする』って言ってたし、3枚食べただけで『胃が熱い』と言ってたからマジで辛そうだったけど、別に違法な物じゃないんだし18歳未満でも食べてよくない?」

だが、訪問診療も行う一般内科「CCクリニック」山崎明子院長は子供たちが軽いノリでこのような刺激物を食べることへの危険性を指摘する。

「商品には唐辛子の辛味成分カプサイシンも多く含まれているようですが、カプサイシンは消化促進効果もあり、これにより下痢や腹痛を引き起こした可能性もあります。

また、具合が悪くなった子の中にはもしかしたら無自覚だったアレルギー症状を引き起こし、一種のアナフィラキシーによる気管支や胃腸の浮腫が出た可能性もありますね。

これらの症状はほとんどが一過性ですが、慢性的な腹痛の原因となったり、今後、香辛料を摂取した際に腹痛を引き起こす原因になる場合もあります。昼食時という空腹で吸収率が高い時に食べたことも災いしたかもしれません」

「18禁カレーチップス」の製造元である磯山商事の商品ラインナップには「18禁シリーズ」として「カップメン」や「カレー」、「チョコ」といったさまざまな商品があるようだ。前出の金さんによれば、これらも「マニアの間では人気だった」と言う。

ただ、同社ホームページでは2021年2月にも「酸味を呈する商品が発見され、類似商品にも同様の事例が否定できないことが判明致しました」として一部商品の自主回収をしている。購入制限のない商品で“好き者”向け商品だからこそ、消費者側は十分に注意して楽しむ必要があるだろう。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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