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「妥協しませんでした」競泳・池江璃花子選手の母親が語る、身体を作る大切な時期に食べさせたい「まごわやさしい」食材とは? 

集英社オンライン / 2024年7月27日 12時0分

競泳女子日本代表の池江璃花子選手の母であり、幼児教育教室の経営、講師として活動している池江美由紀氏は、子どもの健全な発育のためには、母乳育児とその後の食事が重要なカギと説く。離乳後の子どもに、どんな食材を食べさせるのが理想なのか?

【画像】子どもの身体作りには必要な食材

本稿は、池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

母乳は飲ませるほど出やすくなる

初乳(出産後10日くらいまでの母乳)には、赤ちゃんが必要とする栄養素や免疫物質がたくさん入っています。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ免疫力が低い状態です。母乳を飲むことで、赤ちゃんの免疫力は強化されます。

赤ちゃんが生まれてから最初の1、2回で出るうんちを「胎便」といいます。黒っぽくて、コールタールのような粘性のある便です。赤ちゃんは、お母さんのおなかにいる間に羊水を飲み込み、腸管を通して羊水をきれいに保っています。腸管にたまった汚れは、生まれてから胎便によって排出されるのです。初乳には胎便の排出を促すような物質も入っています。

初めは母乳も出にくいですし、赤ちゃんの吸う力も強くありません。母乳の出口となる乳首の乳腺をすべて刺激するように、丸く飲ませることが大事で、赤ちゃんの抱き方を工夫して、母乳が出やすいような抱き方をとる必要もあります。おなかが減ってぐずりだしたらすぐに飲ませられるように、いつも赤ちゃんのそばにいる必要もあります。

たしかにお母さんにとって、母乳育児は重労働という側面があります。でも、赤ちゃんに母乳を飲ませれば飲ませるほど、母乳は出やすくなることが多いのです。

私は夜中も、2、3時間おきに母乳を飲ませました。初めは起きるのがつらくて大変でしたが、赤ちゃんが上手に吸えるようになってリズムができると、母乳もどんどん出て、双子でも育てられるような、よく出るおっぱいになりました。

おかげで3人の子どもを、それぞれ1歳半で断乳するまで完全母乳で育てることができました。

母乳は大切な栄養素

0~3歳は、脳の発達にとって最も大事な時期です。母乳にはそのベースを作る大切な栄養素がいっぱい入っているのです。

厚生労働省が行った平成27年度の調査によると、妊娠中に、「ぜひ母乳で育てたいと思った」「母乳が出れば母乳で育てたいと思った」と回答したお母さんは、9割を超えています。

しかし、生後3カ月時点で母乳だけで育てている割合は54.7パーセント。ミルクへの依存が一面であるのも事実です。

今は生まれてすぐからミルクを与える病院も多いため、母乳育児の方法を教えてもらえない、やり方がわからない、と思っているお母さんが多いかもしれません。

いろいろな事情があってミルクに頼らざるをえないお母さんも多いかもしれませんが、母乳育児のよさを、一人でも多くのお母さんにお伝えしていきたいと思います。

食べ物は「まごわやさしい」を

出産でお世話になった片桐助産院(現在は閉院)の片桐弘子先生は、自然の力をとても大切にされていました。添加物や人工甘味料などが入った食べ物は避け、旬の野菜を中心にした日本の伝統食を奨めてくれました。

それまでの私は、まったく無頓着な食生活を送っていました。でも、片桐先生のおかげで母子にとって食生活がどれほど大事であるかを知り、母乳育児ができる健康的で正しい食のあり方を学ぶことができました。

妊娠中の母子にとってよい食べ物とは、出産後の母親にとってもよい食べ物であるだけでなく、その後もずっと続ければ健康に暮らしていける食べ物でもあります。もちろん、乳離れしたあとの子どもにとってもです。

ですから、私は子どもたちのために、特別な離乳食を作った覚えはありません。私が普段食べているものを薄めたりやわらかくしたりしてそのまま食べさせていました。

意識していたのは、「離乳食を早く始めないこと」です。完全母乳で育てていれば、8カ月くらいまで母乳だけでも平気です。「○カ月までに始めなければならない」とか、「特別な離乳食を作らなければ(買わなければ)ならない」とか、私はそういうことにこだわる必要はないと思います。

食材で気をつけていたのは、次の点です。

●なるべく農薬や化学肥料、食品添加物を使っていない自然に近い形の食べ物を与える

●できるだけ近くで栽培された食べ物を与える
「ご馳走」という言葉は、心を込めてもてなすことで、とくに食事を振る舞うという意味で使われます。これは、おいしいものを走り回って集めたことが由来とされています。つまり、走り回って集められる範囲の、近くで採れた食べ物です。

「身土不二(しんどふじ)」という言葉もあります。その土地で採れる食べ物が、その土地にいる人に必要な栄養である、という考え方です。

また、遠くから運んでくるものは、それだけ食べるまでに時間がかかりますから、鮮度を保ったり、腐ったりしないようにするために、さまざまな化学的処理を施さなければなりません。

●季節に採れる食べ物を与える
大まかにいって、冬に採れる作物(白菜、レンコン、根菜類など)は身体を温め、夏に収穫される作物(トマト、キュウリ、ナスなど)は身体を冷やします。寒い冬に、身体を冷やす夏野菜などは食べさせないようにしてきました。

●外国産のものはなるべく避ける
移動距離が長いため、その間のかび・腐蝕・発芽を防ぐために農薬(ポストハーベスト)をかけられることが多いので。

●精製された白い食べ物(砂糖、白米、白い小麦粉で作られたパンやうどん)は、なるべく避ける
白く精製するということは、その分の栄養が削がれているということです。たとえば白米は、まわりの胚芽を落としていますが、じつはその胚芽にビタミンやミネラルが含まれているのです。できれば玄米を食べるのが理想ですが、「玄米はちょっと食べにくい……」という方も、100パーセント精米した白米ではなく、胚芽を残した胚芽米を食べるとよいと思います。

食育の世界に「まごわやさしい」という言葉があります。これは、「こんな食材を食べたらよい」というものの頭文字を取ったものです。

〈ま〉まめ。豆腐、みそ、そら豆など
〈ご〉ごま。クルミやアーモンドなどの種実類も含む
〈わ〉わかめ。海苔、ひじき、昆布など
〈や〉やさい。とくに緑黄色野菜
〈さ〉さかな。とくに小魚や、イワシ、サバといった青魚
〈し〉しいたけ。えのき、しめじなどのキノコ類も含む
〈い〉いも。サツマイモ、サトイモ、こんにゃくなど

「まごわやさしい」は、野菜以外は黒や茶色など地味な色のものが多いです。子どもに持たせたお弁当も、そんな色ばかりでした。子どもたちにとっては、あまりうれしくないお弁当だったかもしれませんが、身体を作る大切な時期です。妥協はしませんでした。

日本の伝統食には、「まごわやさしい」を使った料理が多いと思います。自分と家族の健康のために、お子さんの健やかな成長のために、取り入れてみてください。

文/池江美由紀 サムネイル/写真:Insidefoto/アフロ

『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所)

池江 美由紀
『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所)
2022/9/27
1,650円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4569853284
競泳の池江璃花子選手を育て、子どもの能力開発教室で指導してきた著者の池江美由紀さん。本書は、著者が幼児教室で、また3人の子育てを通して実践してきたこと、学んだことを、【池江式】子育て法としてまとめたものです。
【池江式】子育て法では、まず何よりも人間性を大事にし、その次に才能を伸ばすことを考えます。本書では、そうした、強くやさしい心を育み、才能を引き出す【池江式】子育てメソッドを、イラストや写真を交えて解説しています。
タイトルにある「【池江式】魔法の言葉」とは、お母さんやお父さんが日ごろ子どもにかけてほしい言葉を指しますが、紹介している言葉の傍に魔法のアイコンがついているため、一目瞭然です。●子どものモチベーションを上げるには「さすが!」「できたね!」「すごいね!」、●難しいことに挑戦させるときは「あなたには無限の力があるのよ」、●叱ったあとのフォローには「あなたはとても素晴らしい子なのよ」、というように、場面、場面ですぐに使える言葉が並んでいます。
松岡修造さんが「あなたの子育てをハッピーにしてくれます!」と太鼓判を押す一冊!

競泳・池江璃花子「暑いのにお疲れさまです」会場入りの際に警備員に必ず声をかけた理由…母親が重要視した「あいさつの習慣」〉へ続く

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