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知らない人が突然「トイレ貸してください」隅田川の花火大会のゴミ・トイレ問題はどうなる? 近隣住民は「目に余りすぎちゃうね」と憤慨

集英社オンライン / 2024年7月27日 16時0分

7月27日の夜7時からスタートする、都内最大級の花火大会「隅田川花火大会」。昨年はコロナ禍を経て4年ぶりに開催され、大きな盛り上がりを見せたが、それと同時に課題も浮かび上がってきている。

【画像】これが日本国民の民度なのか…花火大会後のゴミの山

大混雑でビルの隙間からしか見えない…

1773(享保18)年に始まった東京・両国の花火の伝統を受け継ぐ花火大会「隅田川花火大会」は、二つの会場から90分間で合計2万発もの花火が打ちあがる。

昨年は4年ぶりの開催ということもあってか、来訪者数は過去最多の約103万5000人(主催者発表)を記録した。例年はおおよそ90万人程度ということで、コロナで抑えられていたものが解放されたせいか、一気に記録を更新する賑わいをみせた。

広大な河川敷で打ち上げる多くの花火大会と違って、ビルの間から花火が打ち上がるのが特徴でもある「隅田川花火大会」。東京スカイツリーや浅草の浅草寺、五重塔、ビルの夜景と花火とのハーモニーが幻想的で、“映える”花火大会としても人気が高い。

しかし都会型の花火大会ゆえに、お金を払って入ることができる有料席や、人気の場所をしっかり確保していないと、途端に花火がビルの影に隠れてしまって見えなくなる。

せっかくはるばるやってきたのに、ビルの隙間からしか花火を見られないという人は多く、SNS上では不満の声もあがっている。

〈隅田川花火に初参加かしたのですが、右往左往しながらビルの隙間から花火を楽しみました……〉
〈近隣の何の邪魔なく見えそうな場所ほぼ封鎖。大勢の人がビルの隙間から欠けた花火見るしか無い状況。もう行かない〉
〈隅田川の花火大会は二度と行かない。人が多過ぎる上に交通規制が凄くて戻ることも、座ることも、止まることもできないままひたすらゆっくり歩き続ける地獄の行進。時折ビルの隙間からチラッと見える花火〉

ちなみに有料席は一席6000円ほどで申し込みできるが、毎年倍率が高く、チケットの転売サイトなどでは高値で転売されていたりもする。また、花火大会当日のスカイツリー展望台の入場価格は、1名1万2000円。320名限定で、こちらも人気が高く、熾烈な競争が繰り広げられている。

そしてこのような、人が一斉に集まる大イベントで発生しているのがゴミ問題だ。花火が終わった後の街のそこかしこにはゴミが捨てられており、近隣住民からは苦情の声も多くあがっている。

ワールドカップではゴミ拾いで話題になった日本人だが…

昨年は特に、いたるところでゴミがポイ捨てされている様子がSNSに投稿・拡散され、物議を醸すことになった。

打ち上げ会場近くの押上や浅草などでは報告が相次ぎ、ネット上では〈どこまでこの国の民度は下がってるのか?〉〈サッカーのワールドカップでゴミ拾いをする日本人は民度が高い!ってやってたけど、自国の花火大会ではやらないんですね〉〈そもそも都市部で花火大会をやるのが間違っているような気がします〉といった苦言が相次いだ。

会場近くのマンションの管理人をしている50代男性に話を聞くと、やはり毎年のゴミ問題には悩んでいるようだった。

「普段も植え込みとかに空き缶とかを捨てられているんだけど、花火大会のときはやっぱり特にヒドいね。この辺は道路にシートを引いて花火を観る人もいるくらいだけど、そのマナーったらないね。飲んだ缶とか、カップのコーヒーを置きっぱなしで。

まあ、大なり小なり覚悟はしているけど、花火大会開けの月曜日に出勤してくるのは毎年怖いよ、めちゃくちゃだよ。目に余りすぎちゃうね。私は数年前からこのマンションを担当しているけど、引継ぎのときにも、この花火大会のことはしっかり言われたね」(50代男性、マンション管理人)

一方で、このマンションよりもさらに会場近くに進んだ、大通り沿いに面した喫茶店で40代女性に話を聞くと、意外にも「ゴミ問題ではなにも困っていない」という証言があがってきた。

「この辺は花火大会当日は道路を封鎖して歩行者天国になっています。そして墨田区からの委託で、町内会に段ボールが配られており、そこにゴミを捨ててもらうようにと花火大会前に路上に設置しているんです。

花火大会が終わった後はそれを墨田区が回収してくれるというのをやっているので、道路にゴミが……というのはほぼないです。店の前にゴミがあるということもないですね」(40代女性)

この近くのマンションの管理人に話を聞いても、やはり花火大会でのゴミ問題に困ったことはないとの話を聞けた。

「もう15年近くはここらへんで管理人をしているけど、ゴミ問題で困ったことは、過去に一回しかないよ。10年前くらいかな、雨がすごい降って花火大会が中止になったんだけど、その次の日に来たら、新品のまだ封を開けていないブルーシートと、これまた新品の缶チューハイや缶ビールが敷地内に置かれていたんだよ。缶は10本くらいあったから、家に持ち帰って冷蔵庫に冷やして飲んだよ。もったいないからね。

まあでも、人の混雑が凄くてまいっちゃうことはあるね。港区のマンションと掛け持ちで管理人をやっていた頃、花火大会当日の夕方に港区からこのマンションに来ようと思ったら、混みすぎてるし、道路は封鎖されているしで全然たどり着けないもんだもん。だから私はこの辺から歩いて40分くらいのところに住んでるけど、毎年、花火大会は家でテレビ中継を見てるよ。高橋英樹と娘のやつね」(60代男性、マンション管理人)

知らない人が突然やってきて「トイレ貸して」

どうやら同じ墨田区内でも、区がしっかりと管理してゴミ問題対策をしている場所とそうではない場所があるようだ。

だが、花火大会当日はゴミ問題以外にも、近隣の住民を悩ませている問題がある。場所取り合戦は毎年熾烈を極めており、中には立ち入り禁止の柵を超えて侵入したり、私有地の庭やマンションに勝手に入ってしまう人も多いのだ。 

花火大会の公式サイトでは、〈他人のマンションや敷地内に無断で立ち入り行為は犯罪です。絶対に行わないでください〉〈防護柵へ登ったり、防護柵の中に入ったりする行為は、危険ですのでおやめください。大切に育ててきたコスモスやヒマワリなどがおられるなどの被害を受けています。環境保護にご協力お願いいたします〉と注意書きがされているが、このようなマナー違反をするような人が、公式サイトの注意書きをわざわざ見るはずもないだろう。

大会当日は大混乱を避けるために交通規制もされており、普段は使えた道が使えなくなっているルートがある。グーグルマップの示す道を進むことはできないのだが、それを無視して、規制の柵を破って進んでしまうものもいるというわけだ。

さらに来訪者の中には、急に家のチャイムを鳴らして、「トイレを貸してください」「ベランダで花火を見させてください」などとお願いしてくる人までいるという。

「ベランダで花火を見させてください」に関してはもはや呆れるしかないが、トイレ問題に関してはバッドマナーとして片づけられない面もある。当日は、会場近くの飲食店は混雑や混乱を避けるために営業を休止している、あるいはテイクアウト専門にしていることが多く、ほとんどのコンビニもトイレの貸し出しを不可にしている。

そのため、トイレする場所がまったくなくなってしまうのだ。言うまでもなく駅のトイレは大行列。そもそも会場付近の駅はそこまで大きくないため、人の出入りだけで精いっぱいの一方通行状態で、一度地上に出てしまうと、再入場することも難しい。

切羽詰まった人が、バッドマナーを承知で付近の家にトイレのお願いをしてくるのだろうが、当然、住んでいる人からするとたまったものではないだろう。

毎年、何らかのトラブルが起こっている隅田川の花火大会。今年はいったいどうなってしまうのだろうか。まずは、全員がゴミのポイ捨てをやめるよう、努力してもらいたい。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部

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