1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

DISH//、メンバー全員主人公タイプで大ゲンカもある⁉︎ TVアニメ『逃げ上手の若君』OP曲で手にした「逃げてもいい」価値観がバンドをアップデート

集英社オンライン / 2024年8月10日 17時0分

TVアニメ『逃げ上手の若君』(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MX・BS11ほか/Prime Videoにて最速見放題配信中)のオープニングを飾っているのがDISH//の新曲『プランA』だ。和を感じさせるメロディーや楽器、作品のメッセージと共鳴する言葉で紡がれたこの曲は、どのようにして生まれたのか、DISH//の4人に話を聞いた。

【画像】メジャーデビュー11年のDISH//

アニメ主題歌の制作は大きなチャレンジ

――『逃げ上手の若君』のオープニングテーマ曲『プランA』は、どのように作っていったんですか?

北村匠海(以下、北村) 主題歌のお話をいただいてから、まず(橘)柊生と(泉)大智が作曲の基盤を作ってくれたんです。

橘柊生(以下、橘) サビのメロディーは匠海が考えて、他の部分は大智とふたりで作りました。作品を読んだ上で、「こんな感じがいいんじゃない?」って案を出しながら作っていったら、あっという間に土台ができましたね。

北村 そこから景色が見えてきて、僕が詞を書いていきました。

――曲作りの最初の段階から、和楽器を入れるイメージがあったんですか?

 ありました。バンドの僕ら4人とサポートメンバー以外の楽器の音を入れたくて、大智と笑いながら、「ここいいじゃん!」みたいな感じで作っていきましたね。

――アニメの主題歌作りは、通常の楽曲作りとは違う難しさはありましたか?

北村 ドラマやCMに曲を書き下ろすことはやってきたんですけど、今までのアニメとのタイアップは提供していただく曲だったんですね。メジャーデビューシングルも『NARUTO-ナルト- 疾風伝』とのタイアップだったし、作詞作曲ができない時代からアニメと関わらせてもらって、DISH//としての転機になってきた中で、今回の曲作りは僕らにとっても大きな挑戦になると思っていたんです。

でも実際の曲作りでは、『逃げ上手の若君』チームと僕らのイメージの差異がなくて、やり取りがすごくスムーズでした。

ずっと逃げていることが正義でいい

――曲作りをする上で考えた『逃げ上手の若君』のイメージは、具体的にどういうものでしたか?

北村 『週刊少年ジャンプ』の作品で逃げることに特化した漫画はなかったと思うし、それでいてバトルシーンには『週刊少年ジャンプ』らしい熱さもあり、仲間とのつながりも描かれていて、弱さも持つ主人公に感情移入もできて。歴史的におもしろいところを切り取っているのも新しくて、歌詞がどんどん湧いてきましたね。

――歴史好きの矢部さんとしては、『逃げ上手の若君』をどう受け取りましたか?

矢部昌暉(以下、矢部) まず「そこをやるんだ」って思いました(笑)。その時代だと足利尊氏が圧倒的に注目されるし、北条氏でも、大河ドラマで主人公だった北条義時とか、教科書で習う北条時宗がまず思い浮かびますよね。だから、この作品で初めて北条時行という名前を知った方もたくさんいらっしゃると思うんです。

「逃げる」を武器に戦うのも意外だったけど、読めば、「逃げるって間違ったことじゃないんだ」っていうことがすごくよくわかるんですよね。松井(優征)先生特有のギャグと伝えたいことのバランスが絶妙で、本当におもしろい作品だと思いました。

――『プランA』という曲のタイトルに込めた意味は?

北村 「逃げることが第一の作戦でいい」ということです。この作品はアクションシーンもかっこよくて、「ずっと逃げていることが正義でいいんだ」と思えるんです。

僕も子どもの頃から逃げることは恥だっていう考え方を植え付けられてきた感覚があるんですけど、逃げることが大事な瞬間もある。

逃げることがプランBじゃなくてプランAでもいいという意味です。

DISH//のメンバーは全員ルフィ

――漫画やアニメが価値観やアイデンティティに影響を与えていると思うところはありますか?

北村 いろんな漫画やアニメを見て育ちましたから、知らず知らずのうちにアイデンティティのひとつになってると思います。仲間の大切さとか、いろんな価値観を少なからず漫画やアニメから学びましたね。

――「逃げちゃダメだ」っていう考え方もアニメから学んでるかもしれないですね。

北村 だからこそ『逃げ上手の若君』は斬新ですよね。主人公は逃げない、何度でも立ち上がるっていうのが定石だから。

僕も何度もそういう漫画のキャラクターを演じて、何度も立ち上がってきたんですけど。僕らをきっかけに『逃げ上手の若君』を観る人や、「逃げたいけど、逃げるなって言われてきたしな……」っていう人に、「そんなことからは逃げていいよ」と伝わればうれしいですね。僕らも、今回のタイアップで価値観がアップデートされました。

――矢部さんは特に影響を受けた作品はありますか?

矢部 僕は『ワンピース』が好きなんです。僕らって、やりたくないことは本当にやらなくて、やりたいことだけをやるんです。全員、ルフィなんですよ。それに僕らずっと精神年齢が高校生で止まってるんです(笑)。そういうところも、今まで触れてきた作品とリンクするなと思いますね。

北村 すごくおこがましいですけど、僕ら、いろんな漫画の主人公が集まったみたいな脳みそなんです(笑)。脇役的な考え方の人がいなくて、みんな頑固だから、たとえば「今回のMVどうする?」っていうことを決める会議は、大体長くなります。みんな「俺はこうだ」っていう意見があるからおもしろいですね。

 『逃げ上手の若君』と通じるDISH//の戦い方

――『逃げ上手の若君』は、自分の運命からは逃げず、その時にベストな道を選んでしなやかに戦う強さが描かれていますが、DISH//の戦い方にも通じるところがあると思いますか?

北村 常に立ち向かってはきたんですけど、数年後のために今はこうしようという選択をとってきたこともありますね。

僕ら、デビュー10周年に『「再青」プロジェクト』というものをやったんです。楽曲を提供してもらっていた頃の曲を今の僕らの音で再生し直すプロジェクトだったんですけど、当時、賛否両論があって。でも、今までの自分たちを肯定してあげたい気持ちも、今の僕らの音として残したいっていう気持ちもあったから、「信じてくれ」っていう思いでやりきったんです。

あのプロジェクトで、過去の曲が改めてちゃんと自分たちの楽曲になったという感覚がありました。でもある意味、守りだったのかもしれないとも思っていて。だから今思い返すと、『逃げ上手の若君』と『「再青」プロジェクト』には通じるものがありましたね。

DISH//としての運命からは逃げないということでもあったし。いい迷いもあって、僕らにとってすごく大きいものになりました。

――メジャーデビュー11年の今、1年目と比べてもっとも成長したと思うところはどこですか?

北村 メジャーデビューの時と今では、ライブから楽曲への向き合い方からスタイルがまったく違いますね。僕らは年齢のわりにはバンドの歴が長いから今までいろいろなことがあったけど、今、すごくシンプルに、音楽が楽しいですね。

泉大智(以下、泉) 僕は途中で加入したんですけど、僕が入る前のDISH//からも今はかなり変わっていると思うし、いまだに変わり続けていて、いい意味でまだ完成形じゃなくて。まだまだ伸びしろがあるバンドだなと思いますね。

――今回の主題歌というタッグを経て、DISH//が新たな武器を手にした感覚はありますか?

 DISH//の和テイストのロックというのは以前からあったんですけど、それを、自分たちの手で作ることができたという手応えがありますね。今回、明確にDISH//の方向性として提示できたと思います。

 この曲や『逃げ上手の若君』と一緒に進んでいきたいですね。『プランA』はフェスでもやる機会が多いと思うので、DISH//のいろんな曲を聴いてもらえるきっかけとしての武器になったと思います。

取材・文/川辺美希 撮影/恵原祐二  Hair & Make Up: Kosuke Enami Styling: Shinya Tokita

衣装クレジット/◼️北村匠海:ニット \42,900 パンツ \69,300 ともにシュープ タンクトップ \17,600 ユウキ ハシモト(すべてサカス ピーアール) その他スタイリスト私物 ◼️矢部昌暉:ジャケット \107,800 パンツ \61,600 ネクタイ \9,900 すべてタム(サカス ピーアール) Tシャツ \15,400 ドレスドアンドレスド その他スタイリスト私物 ◼️橘柊生:ブルゾン \47,300 パンツ \53,900 ともにイントゥーダスク(ジェットン ショールーム) Tシャツ \22,000 タム(サカス ピーアール) その他スタイリスト私物 ◼️泉大智:シャツ \38,500 パンツ \44,000 ともにヴェイン(サカス ピーアール)その他スタイリスト私物

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください