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16年ぶりに復活の『内村プロデュース』はなにがスゴかったのか? 有吉弘行、さまぁ~ず、有田哲平らが必死に汗をかいていた……だけじゃない!

集英社オンライン / 2024年8月16日 16時30分

2000年4月から2005年9月までレギュラー放送されていた『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が、2008年3月の単発SP以来、実に16年ぶりに今秋復活! なぜレギュラー放送終了から19年も経つバラエティ番組が今も愛され続けているのか?

【画像】「どうしてもコントがやりたい」という内村光良の一言で始まった番組

16年ぶりの復活で話題『内村プロデュース』とは?

『内村プロデュース』(以下『内P』)とは、ウッチャンナンチャン・内村光良がサングラスをかけた怪しいプロデューサーに扮し、若手・中堅芸人たちに即興コントや大喜利などのムチャ振りをしていくバラエティ番組。

内村は番組設定上、理不尽で高圧的なプロデューサーを演じていたが、もちろんそれはコントキャラのようなもの。ボケ倒す芸人たちに内村が愛あるイジリやツッコミでフォローし、若手も中堅も関係なく、和気あいあいとした温かな雰囲気を持った番組だったのである。

そんな『内P』が最後のSP放送から16年もの時を経て、「祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!」と題して今秋放送される。

「内P出てた芸人」として、レギュラーだった、さまぁ~ずやふかわりょうの出演、「内P見てた芸人」として、現在売れっ子である、さらば青春の光やヒコロヒーの出演が発表されており、復活SPでは芸歴関係なく必死に笑いを取りにいく様が観られることだろう。

――それにしても、放送期間は5年半とそう長くはなかった番組が、なぜ今になって復活するのか? なぜそれほどまでに愛され続けているのか? ここからは、『内P』のそのスゴさを3つのポイントにわけて紹介していこう。

①今や大物のMC芸人たちが必死に汗をかいてがんばっていた!

やはり、まず語っておかなければいけないのは、レギュラー・準レギュラーだった芸人たちの豪華さ。

レギュラーのさまぁ~ずは、当時もさまざまなテレビ番組に呼ばれてはいたが、現在のように多数の冠番組やMC番組を持つほどの大物ではなかった。

出川哲朗やくりぃむしちゅー・有田哲平などもすでにそこそこ売れてはいたが、今のように数々のゴールデン番組を任されるほど大ブレイクすることを予想できていた人は少なかっただろう。

なかでも放送当時と現在のギャップが大きいのはバナナマンや有吉弘行。特に有吉は猿岩石として大ブレイクするもその後、一気に仕事がなくなり、どん底にいた時代だった。『内P』で爪痕を残すことでテレビ露出が回復し始めたこともあり、有吉は内村やさまぁ~ずを「命の恩人」と称するほど感謝しているのだ。

そんな今やMCクラスとなった芸人たちが、内村からのムチャ振りに焦りながらも懸命に応え、必死に汗をかきながらなんとか笑いを生み出そうともがきまくる。精神的に追い込まれるだけでなく、温泉や風呂といったシチュエーションでは全裸で奮闘するなど、文字どおり体も張っていた。

現在はゴールデンの冠番組でビシッとスーツを着こなして司会進行しているMC芸人たちが、とにかく目の前の笑いを取るためだけにガムシャラに挑み続け、輝いていたのが『内P』なのだ。

7月28日には「復活SP」の出演者内定発表会見が開催され、内村、さまぁ~ず、ふかわ、ヒコロヒー、さらば青春の光が出席したが、ここでも内村からの指令として恒例のムチャ振りが発動。

芸人たちが記者からの質問に答える際に“縛り”が設けられ、即興大喜利会見の様相を呈していた。もちろん今では大物となったさまぁ~ずもムチャ振りされたのは言うまでもない。

②グダグダの“ユルい笑い”が時代のカウンターとなっていた!

内村からのムチャ振りに芸人たちは必死で笑いを取ろうとするが、その即興コントなどのネタ自体が必ずしもおもしろかったわけではない。むしろめちゃくちゃスベッたり、場が荒れたりすることばかり。

けれど、そんなグダグダな状況にこそ内村は大笑いし、愛あるツッコミで“ユルい笑い”として成立させていたのだ。

今思えば、その“ユルい笑い”がウケたのは時代のカウンターだったからかもしれない。

人気企画だった「芸人引き出し王決定戦」をはじめ、『内P』ではさまざまなお題が与えられ芸人たちが即興コントを披露することが多かったが、『内P』スタート以前にはきちんとセットを組んで、ガッツリ作り込んだ台本で見せるコント番組が大ヒットしていた。

『ダウンタウンのごっつええ感じ』(1991年~1997年/フジテレビ系)や、内村が座長を務めていた『笑う犬』シリーズ(1998年~2003年/フジテレビ系)などは、かなり綿密に計算されて構築された本格コント番組だったのだ。

そんな本格コント番組がムーブメントを起こした後に放送開始した『内P』は、計算なんてする余裕のない芸人たちが、即興コントなどでむき出しの素を見せて笑いに昇華していた。

本格コント番組とは笑いを取ることへのアプローチが真逆だったわけだが、そんな“ユルい笑い”が、くしくも時代のカウンターとしてハマッたのかもしれない。

③実は誰よりも内村光良自身の新たな一面が引き出されていた!

『内P』はふかわや有吉ら数々の芸人たちの新たな一面が引き出された番組だったが、実はもっとも違う魅力を開拓したのは内村本人だったように思う。

それまでの内村には、いつもニコニコでとにかくやさしい善人のイメージや、番組企画に真剣に取り組むストイックなイメージなどがあった。それは現在の内村にも通ずるところだろう。

そんな内村が『内P』では怪しげなプロデューサーとして、暴言を吐いたり横暴に振る舞ったりしており、ダークサイドな魅力を開花させたのだ。もちろん過去のコント番組で悪役キャラを演じていたこともあるが、『内P』では“内村光良”本人のままで権力を振りかざす傍若無人な人間を演じており、それが目新しかったのである。

たとえば番組開始早々に、内村が「お前たちはダメだ~!!」と叫ぶのがお決まりのパターン。そんな内村からの理不尽極まりないダメ出しに、芸人たちが猛烈に抗議したりタジタジして戸惑ったりするのが掴みの笑いとなっていたのだ。

余談だが、ふかわは“自分がウッチャンの新しい一面を引き出している”といった趣旨の発言をたびたびしていた。

内村や周囲の芸人は認めてはいなかったが、ふかわのイジリがいのあるダメさ加減に、内村がイライラしてキレるといったノリの延長で、ダークサイドキャラが出来上がっていったという側面もあったので、ふかわのその発言もあながち間違っていないかもしれない。

――こうして終了後も長年愛され続けた『内村プロデュース』。今秋のSPでも、ムチャ振りに必死に対応しようとする芸人たちによる“ユルい笑い”を堪能させてくれるに違いない。

文/堺屋大地 サムネイル/2009年2月18日発売DVD『内村プロデュース~円熟紀』(テレビ朝日)より

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