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〈川で全裸で泳がされ溺死〉「怒鳴られ殴られ深夜まで働かされていた」逮捕された“元ヤン”自動車会社社長と被害男性の“イビツ“な関係「『殴られたの?』と聞くと『僕が悪いんです』って…」

集英社オンライン / 2024年8月9日 16時0分

静岡県清水区の巴川で今年6月24日、同区の「望月自動車販売株式会社」社員の太田滉基さん(当時33)が溺れて亡くなる事件があり、県警清水署は8月7日、代表取締役の望月一行容疑者(42)=暴行罪で起訴=を重過失致死の疑いで再逮捕した。望月容疑者は太田さんに頭突きしたり蹴ったりした疑いでこれまで2回逮捕され、起訴されており、同署は度を越したパワハラが常態化していたとみて、厳しく追及している。

〈写真多数〉望月容疑者と共にピースする太田さん、望月容疑者が扱っていた高級車やレアな国産車、地元タレントと自慢気に写る姿、現場となった巴川など…

太田さんの靴や衣服は巴川の桟橋に放置されていた

今年6月24日夜、望月容疑者は会社近くの巴川に連れ出した太田さんに対し、溺れるおそれがあることを予想しながら川に入るように指示し、死なせた疑いがある。望月容疑者は同日午後11時半ごろ、自ら「同僚が巴川に入って行方不明になった」と119番通報、太田さんは3日後の同27日、同区の折戸湾まで漂流し、全裸の状態で見つかっていた。太田さんの靴や衣服は巴川の桟橋に放置されていた。

現場は、近隣に清水次郎長の生家があることから次郎長通りと名付けられたノスタルジックな商店街の裏手に位置していた。望月容疑者と被害者が働く会社は、元はガレージだったのを望月容疑者が自身で改装して立ち上げた工場だったという。登記簿情報によれば、会社設立は2020年4月1日だ。
事件はなぜ起こったのか。近くに住む女性はこう振り返る。

「工場がオープンしたのは5〜6年前くらいで、望月くんが自分で作業してガレージを改装しているのを見かけました。今でこそ車の販売やリースなども含めて手広くやっていますが、当初はこの修理工場だけだったと思います。もともと望月くんは日産自動車に職人として勤めていて、地元に戻ってきて独立したと聞いています。太田くんとも日産時代に知り合ったらしく、立ち上げ当初からかどうかはわかりませんが、かなり早い段階から太田くんも工場で働いていました。株式会社といっても他に女性の事務員が1人いるぐらいで、実質従業員は太田くんだけでしたね」

「望月くんにやられたんでしょ? 大丈夫?」と声をかけると…

2人は当初は連れ立って近所の喫茶店に昼食に訪れるなど、仲の良い「親方」と「職人」に見えたという。ところが…。

「2、3年前から、工場からたびたび怒鳴り声がするようになったんです。何を言ってるかまではわかりませんが、怒鳴っていたのは望月くんだったので、太田くんが怒鳴られているのだろうと思っていました。そして1年ほど前、太田くんの目のあたりに殴られたような跡があったので驚いて尋ねると『転んだんです』と言うのです。実は事件直前の6月20日にも太田くんと道で顔を合わせたときには、頭突きでもされたのか額が赤くなり、唇にも切れたような傷があったので『望月くんにやられたんでしょ? 大丈夫?』と声をかけたんですよ」

太田さんはこのときも「僕が悪いところもあるんです」と苦笑いで返したが、望月容疑者のこうした「虐待」は近所では周知の事実になっていたという。

「彼が怒鳴られたり、朝から晩まで働かされてるのは明らかだったので自治会の人たちみんなで心配して、太田くんに他の仕事を紹介しようとしたり、辞めるように促したんですが、本人がずっとそんな調子だったんです。そんな頃に太田くんが怪我をしてるのを見て、『これ以上は放っておけない』と自治会でも動こうって話し合っていたんです。その矢先に太田くんが亡くなってしまった……。まさか川を泳がせるなんてことをするとは思いませんでした」

太田さんはどんな青年だったのだろうか。知人の男性はこう証言する。

「すごく真面目で優しい子でした。会えばいつも『どこ行ってたんですか? 今日も暑いですね』と愛想よく声をかけてきたし、相談するとちょっとしたことでも家まで来てアドバイスしてくれることもありました。花が大好きで工場の裏口にある植木にうれしそうに毎日水やりもしていましたよ。いつも熱心に車の整備をやっていました。

反対に望月くんはいつも事務所にいるか、外に出てるか、ひどいときは巴川で釣りをしていることもありました。工場は朝8時頃から24時ごろまで明かりがついていて、いつも太田くんが作業していたようです。太田くんはもともと少し遠いところから原付で通ってきていましたが、今は工場の近くの一軒家に住んでいます。望月くんに勧められて嫌々買ったというような話も聞きました。家の前も仕事関係の車を停めるスペースになっていたし、四六時中監視されてるような気にもなりますよね。太田くんが真面目すぎて、いつの間にか仕事がすべてだと望月くんに洗脳されていたのかと思ってしまうほどです」

「見たらわかるけど巴川は泳ぐような場所ではない」

「近所の人に怒鳴るようなことは一切なく、外面は非常にいい方です。しゃべるのも上手で、それこそ清水区は台風で河川氾濫などもありましたから、災害対策のことなんかをわかりやすく話したりということもありました。ですから最初は太田くんに怒鳴ったりしているというのも信じられなかったくらいです。昔は悪かったという話は聞いていましたが、今はそんな雰囲気はまるで出さないので、人当たりがいい方という印象しかなかったんですけどね。
事件のあった日は、最初は対岸に消防車がたくさん停まっていたので火事かと思っていたんです。でも次の日に工場側に警察車両がたくさん停まって川を捜索しだしたんで胸騒ぎがしていました」

別の男性住民も、太田さんが望月容疑者に日常的に「虐待」されていた様子に気づいていた。

「太田くんがたくさん働かされていたのは知っている。朝8時から僕が帰ってくるのが夜12時のこともあるけどその時間でも工場で働いていたからね。それで太田くんが朝起きれないと、工場から歩いて1分程度の自宅に望月くんが起こしにくる。玄関のドアを蹴ったりしてね。怒鳴られたり殴られたりしたら辞めてしまえばいいと思うんだけど、本人にその気がないというか。すごく真面目な性格だったから望月くんにつけ込まれたのかな」

男性は望月容疑者を幼少期から知っていたという。小学校時代から学校をサボって釣りばかりしている少年で、次第にヤンキー化が進んでいったという。

「でも、地元に戻ってきて車屋を始めてからは事業の拡大にも熱心で、真面目にやっていた。ただ、手を広げるのに整備担当が太田くん1人じゃ足らんだろうとは、ずっと思っていた。今さらだがなんとかしてあげられてたらな……。僕は60年この近所にいるけどこれまであの川に人が入っているのを見たのは一度きりだけだよ。阪神タイガースが優勝したときにファンが飛び込んだんだけど、見たらわかるけどきれいな川ではないし泳ぐような場所ではないでしょ……」

怒鳴られ、殴られ、蹴られ、誰も泳がない川に全裸で流された33歳の真面目な自動車修理工。県警は、口論となったトラブルの原因や巴川に入ることになった詳しいいきさつを慎重に調べている。

 ※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンラインニュース班

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