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〈従業員が川で全裸で溺死〉逮捕された“元ヤンでパンチパーマのいじめっ子”の会社社長は日頃から被害者男性に暴行といじめ三昧。痩せ細った被害者は「食べ物をわけて頂けないですか」と社長親戚を訪ねて…

集英社オンライン / 2024年8月10日 10時0分

〈川で全裸で泳がされ溺死〉「怒鳴られ殴られ深夜まで働かされていた」逮捕された“元ヤン”自動車会社社長と被害男性の“イビツ“な関係「『殴られたの?』と聞くと『僕が悪いんです』って…」〉から続く

静岡市清水区で自らが経営する自動車販売会社・修理工場の従業員、太田滉基さん(当時33)に暴行したうえ、全裸で川に入るように仕向けて溺死させたとして清水署に重過失致死容疑で再逮捕された望月一行容疑者(42)=暴行罪で起訴=。分別のある不惑の大人とは思えない、短絡かつ残忍な人格はいかにして形成されたのか。

〈写真多数〉望月容疑者と共にピースする太田さん、望月容疑者が扱っていた高級車やレアな国産車、タレントと自慢気に写る姿、車のチームに入りセンターで“ウンコ座り”をするヤカラ写真も…

「最近見たときは痩せ細って老けて、おじいちゃんみたいになっていた」

望月容疑者と小学校時代から関わりがある知人女性は、あきれたような表情で「カズ」(望月容疑者)についてこう語った。

「昔からいじめっ子という部分はありました。小学校の頃は、ある女の子が不登校になるまでいじめてたりしていましたから。うちの子も叩かれたり蹴られたりしたことがあって、あまりにひどいので私がカズを叱りにいったこともあります。そのときにお仕置きで私が叩いたようですが、それをこないだ顔を合わせた際に『俺、おばちゃんに2回も殴られたんよ』と言っていました。話しやすいいい子という印象もあるものの、外面がいいだけともいえますね」

会社を立ち上げ、そこの職人として雇用していた太田さんとの関係についても、この知人女性はよく知っていた。

「工場で太田くんを怒鳴りつけていたのを見かけたので注意したところ、『反抗するから、ちゃんとやらないから』と言い訳していました。太田くんが1人で工場で働いてるのに、カズが釣りしていたこともあったので『あんたもちゃんと働きなさい』と言ったこともあるけど、カズはいつも『ちゃんとやってるって』と生返事ばかりでしたね。それでも話を合わせるのがうまくて外面がいいので、カズのところで車を買ったという近所の人も結構いますよ。昔は同級生であってもカズと距離を置きたいって子が多かったけど、今は話もうまくなって人当たりもいいもんだからね」

カズのヤンチャ履歴についてはこう証言した。

「昔? ん〜まあ、暴走族の一歩手前というかそんな感じではありましたね。高校卒業して車の専門学校を出てから日産に勤めてたみたいですが、整備なのかどうかはわからないです。ただ、そこに10年以上勤めて、それから独立しました」

太田さんについての印象は、こんな具合だ。

 「カズが独立して立ち上げた工場に、太田くんも初期の頃からいました。うちの子どもが言うには、その頃の太田くんはとてもイキイキしていたのに、最近見たときは痩せ細って老けて、おじいちゃんみたいになっていたそうです。もともと太っていたわけではありませんが、食事もちゃんとしてなかったんだと思います。最初のうちはカズも太田くんにカレーの弁当を買って差し入れたりもしてましたが。

というか、カズは給料もまともに払ってなかったのかもしれないです。身なりはいつも整備のツナギなんで、ボロボロということはなかったのだけど……。太田くんの出身は沼津のほうだと聞いていましたし、こっちには相談できる子とかもいなかったでしょうし、本当かわいそうにね……」

「俺は今まで母親に一度も叱られたことがない」

生真面目な職人の太田さんを半ば奴隷のように扱っていた42歳の「カズ」社長。その横暴ぶりには、親族もこう眉をひそめた。

「おかしいなと思いだしたのは去年の冬ごろに太田くんが突然、『昨日から何も食べていなくて。夕飯の残り物とかでいいので食べ物をいただけないでしょうか?』とウチを訪ねてきてからでした。この時代に食べる物がないなんて発想もありませんし、お金があればコンビニに行くでしょうし……。私たちがカズくんの親戚だというのもあっていろいろ悩んだ末に来たのだと思います。

太田くんはとにかくお腹が減って困り果てたという感じだったので、昨日の残り物のスープとお湯が沸かせるならとインスタント食品も渡しました。その後も何度かウチに食べ物の無心にきたので、その度に『遠慮はいらないからお腹が減ったらいつでも来なさい』と伝えました」

太田さんはこの親族に「社長に同じことを言うと殴られるので」と打ち明けたという。

「なんとなくカズくんが給料をちゃんと払っていないと感じたので、太田くんにはこれだけ働いたということをわかるようにしておいたほうがいいよと伝えていました。事業は拡大していたのでカズくんにお金がなかったわけではないと思いますが、誤魔化していたんでしょう。太田くんには『深夜まで寝ないで働かされてお金ももらえないなら辞めたほうがいいよ』とも伝えていましたが、太田くんがカズくんを悪く言うことはありませんでした」

親族は「カズ」やその母親にまで苦言を呈することがあったが、それもうやむやにされたという。

「二人には『太田くんのこと、なんとかしてあげて。食べ物にも困っているよ』と注意をしましたが、母親は『息子がちゃんと給料も払ってるし、私だってラーメン作って持っていってるわ』と怒って帰ってしまいました。また、それとは別にカズくんが、『倉庫の中にカメラを設置してあるから太田が仕事してなかったら携帯を見ればすぐにわかるんだ。あいつがウトウトしてたら携帯から叱ってやるんだ』と自慢げに笑っていたことがありました。食べ物も食べずに夜遅くまで働かせられたら寝てしまうこともあるでしょうし、私は『なんでそんなことするの。やめてあげなよ』と注意しましたが、カズくんは『いいんだよ』と話を打ち切ってしまいました。なぜもっと早く太田くんは辞めなかったのか、どこか遠くに行ってしまえばカズくんとの関係も切れたでしょうに」

「カズ」はこの母親と父親との間にひとりっ子として生まれ、溺愛されて育ったようだ。
親族が続ける。

「父親はダクト関係の会社で働いていて、もう10年近く前に亡くなっていますが、コワモテな雰囲気の人で、母親も元はヤンチャをしていたほうです。その影響か、カズくんも昔から与太者っぽい風体をしていました。小学校のときは普通でしたけど、中、高の頃はそんな雰囲気で、高校を卒業するとパンチパーマにしていましたよ。ウチで餅つきをやったときには中学時代の同級生が久々にカズくんを見て『お前その格好なんなんだ』って驚いていましたから。とにかくカズくんは『俺は今まで母親に一度も叱られたことがない』と言っていたぐらいなので、わがまま放題で育ったんでしょうね」

「ローカルテレビで流れるクルマ関係のCMなんかにも出ていましたね」 

何をしても許されると勘違いしながら42歳にまでなった男は、知人にもむやみに恐れられる“プチ怪物”になっていたようだ。

「小学生の頃から陰険で、大人たちの前では礼儀正しく振る舞い、陰で悪さをするような子でした。表立ってケンカをするような不良ではなく、隠れて弱い人間をいじめるタイプで、大人の目を盗んで弱い友達をつねったりとか、そんな感じですよ。地元に戻ってきて車の商売を始める際の挨拶回りでも『今までの悪ガキだった俺を払拭したいんです』なんて言っていたけど、どこか信用できないし、関わり合いにはなりたくなかったですね」

ケンカ自慢の不良とは違う、陰湿な怖さを感じさせる人間。「カズ」はそんなタイプだったという。

「ただ、商売に関しては人のつながりをうまく使って事業を拡大していましたし、ローカルテレビで流れるクルマ関係のCMなんかにも出ていましたね。同窓会の幹事なども率先してやり、そこから仕事にも繋げるようなやり手ではあったと思います。実際に去年の秋に新しい店舗を清水次郎長通りにオープンさせていて、その敷地内で不動産業をやってるのは同級生です。人を巻き込んで何かをやるのは上手なんだと思います。

カズはもともと静岡市内の日産のディーラーで、カズ自身も整備士として働き、太田くんとはそこで知り合っています。太田くんは一級整備士の資格を持っていたはずなので、いくらでも他で働けたと思うのですが、何かカズに弱みでも握られていたんですかね。ああ、あんまり話しすぎてカズが出てきてから報復されても嫌なんでこの辺で。いや、ほんと怖いというのはあるんですよ」

陰険な男「カズ」に、県警の調べの手が緩むことはないだろう。

 ※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンラインニュース班

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