「体臭が苦手すぎる」「1日数回シャワーを」発言をした“テレビに出ていない無名アナ”はなぜ大炎上してしまったのか? 森香澄ら人気アナの過去の“体臭”発言との決定的違いとは?
集英社オンライン / 2024年8月14日 11時0分
SNSでの“不適切”な投稿をした人気タレントのフワちゃんは謝罪後、自ら芸能活動休止の声明文を出した。そんな騒動の傍らでフリーアナウンサーの川口ゆり氏が男性の体臭に関する投稿を行ないこちらも大炎上、所属事務所の契約も解除された。だが、これまで名だたる女性アナが「体臭発言」をしてきたが、ここまで燃えたことはなかった。その違いは何か?専門家が分析する。
かつて名だたるアナも“体臭発言”をしていたが…
札幌市出身で、現在は札幌と東京の二拠点生活を送る川口アナ。
今回、8月8日に自身のXで「男性顧客向けの美容事業をますます頑張りたい」とした上で「ご事情あるなら本当にごめんなさいなんだけど、夏場の男性の匂いや不摂生している方特有の体臭が苦手すぎる。常に清潔な状態でいたいので1日数回シャワー、汗拭きシート、制汗剤においては一年中使うのだけど、多くの男性がそれくらいであってほしい…」とポストして大炎上した。
多くのユーザーから反発の声が上がるなか、9日には〈一日に何度もシャワーに入れない人もいると非難の声を沢山貰いますが、そういう話をしてるのではなく〉などと反論するも火に油を注ぐ結果となり、再炎上。
事態を受けて11日に〈この度は私の不用意な発言で不快にさせ、傷つけてしまった方が多くいたこと、大変反省しております〉と謝罪した。
しかし、批判は止むことはなく、自身が契約していた札幌のフリーアナウンサー事務所「VOICE」と、アナ活動とは別に行なっていたハラスメント防止研修講師として所属していた「青山プロダクション」から契約解除を通達された。
女子アナウォッチャーとして知られる丸山大次郎氏によれば「川口アナは、地方局含めてテレビにほぼ出てないフリーアナのかたで、業界でも有名なかたではない」と話すが、そもそもテレビにも出ていないフリーアナとは何をしているのか。
「彼女が所属していた『VOICE』には地方局出身の女子アナも数名いますが、基本的にフリーアナウンサーは星の数ほどいて、ほとんどが川口さんのようにイベントや結婚式などで司会をされている。テレビなどのスポットの当たるメディアに出るのは一握りですが、そうした司会のかたもアナウンサーという呼ばれ方をします」
丸山氏によれば、これまでもテレビ番組のあらゆるコーナーで名だたる女性アナが「体臭に関する発言」をしてきたという。今回とそれらの違いはなんだったのか?
「かつて『スッキリ』(日本テレビ)に出演した大橋未歩アナが『爪切ったら、爪切りの臭い嗅いじゃいます』と変な臭いフェチであることを暴露したり、元テレ東アナで最近、写真集も出した森香澄は『上田と女がDEEPに吠える夜』(日本テレビ)で『自分の足がとんでもなく臭い』と発言。
また日テレの滝菜月アナも体臭と香水の話を熱弁したり、テレビ岩手の中島あすかアナも靴の臭いが好きなど、あくまで自身の体臭や匂いフェチに関する発言であり、誰かの臭いのディスではありませんでした」
「男性全体への攻撃になってしまっているのが一番の原因です」
ただ、2021年6月29日に放送された「スーパーJ チャンネル」(テレビ朝日)で「ミドル脂臭」をテーマにした際に女性アナが男性アナをイジるこんなシーンもあったという。丸山氏が続ける。
「20代の柳下圭佑アナや林美沙希アナが『ミドル脂臭』を再現した臭いのサンプルを嗅いだときに一様に『うわあ』『不快』と反応したのに対し、40代の男性アナの小松靖さんがその臭いを『大丈夫かも』と反応すると、大木優紀アナが『ミドル脂臭は30代から50代に多く、自覚ができないのが特徴』と鋭く指摘しました。
これは当人がいることで笑いの範疇になったわけです。やはりXという、文字だけで余白のないものが災いしましたよね」
では、川口アナの投稿はなぜここまで炎上したのか? ネット炎上の解説を専門にするライターの篠原修司氏は言う。
「男性全体への攻撃になってしまっているのが一番の原因です。まずは主語を大きくしないこと。『男性』と書くと、人口の半分が対象です。川口ゆりさんは『多くの男性』と書いてしまっており、そのために『多くの男性』から批判される事態となりました。
そもそも夏場の臭い自体も男性だけのものではありません。対象とする範囲に性別は関係ないこと、そして『何もしていない人』に対して対処を呼びかければ炎上まではいかなかったものと思われます。できる限りの対処をしている人に対して、『私の希望する対応をしていないのであればクサい』と発信するのは、攻撃だと受け取られても仕方ありません」
川口アナはハラスメント防止研修講師としても活動していた。自身のFacebookで「私は研修講師業では建設現場のハラスメント防止研修がもっとも好きです」とも投稿している。にもかかわらずなぜ、今回の発言をしてしまったのか。
国内初のパワハラ対策資格を立ち上げた社団法人の理事、大田勇希氏はこの騒動についてこう分析する。
「近年、『スメルハラスメント(スメハラ)』という新たな形のハラスメントが注目されています。これは、香水やタバコ、体臭などにより周囲に不快感を与えてしまう行為です。臭いの感じ方は個人差が大きく、悪意がなくても他者に不快な思いをさせるためハラスメントの一種として認識されています。
ハラスメント研修を担当する立場であれば、この事例の繊細さ、難しさを理解されていたはず。もし川口さんが『清潔感を保つことが大事』という主張を意図したのなら『男性の皆さん!夏場はシャワーの頻度を増やし、汗拭きシートや制汗剤を活用するだけで、好感度上がります!』といった提案をすべきでした。これなら少なくとも炎上は避けられたはずです」
現在も川口アナのSNSには多くの非難の声が溢れている。そのいっぽうで「解雇をする事務所もおかしい」「誰にでも失敗はあるガンバレ」といった投稿もある。川口アナの今後の言動に注目が集まりそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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