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〈越谷・マンション住人が殴られ死亡〉「ボクの魂を抜こうとしてるんだ!」「自分を守るためにボコボコにしてやった」と殴り続けた男の意外な過去「もともと仲がよかったのに」被害者男性との関係は…

集英社オンライン / 2024年8月16日 17時0分

埼玉県越谷市北越谷のマンションの管理人から8月14日午後2時前、「入居者の男性同士がケンカしている」と110番通報があり、現場に急行した越谷署員が階段付近で意識不明で倒れていた男性Aさん(28)を発見した。Aさんは近くの病院に運ばれたが、まもなく死亡。同署は現場マンションの自室に戻っていた小材心容疑者(29)を傷害容疑で緊急逮捕した。「自分がやりました。私自身を守るためにボコボコにしてやった」などと犯行を認めており、同署は容疑を傷害致死に切り替えて調べを進める方針。

〈画像あり〉二重アゴにして笑みを浮かべる小材容疑者、前髪を垂らしヤンチャだった若かりし頃、現場となったマンションなど…

現場は自立支援をサポートする施設

現場のマンションは、高齢や前科などの理由で生活に困窮している人たちの自立支援などのサポートをしている施設で、2人はともに入所者だった。事件のあった14日、Aさんは1人で近所で買い物などをして施設に帰ってきたところ、小材容疑者と鉢合わせたという。施設長が「集英社オンライン」の取材に2人の関係や当時の様子を詳細に証言した。

「小材と被害者は年齢も近いこともあり、もともと仲もよくて交流があったんだ。被害者は軽度の障害があって療養手帳も持っていた。面倒見のよい小材が何かと世話を焼いていた。小材はヤンチャではあるけど、人間味もあってね。被害者がちょっとしたことで嘘をついたりすると、注意したりもしていた」

良好だったはずの2人の関係性に何が生じたのか。施設長が続ける。

「小材はちょっとおかしくなっていたんだと思う。被害者はケンカをふっかけるようなことは絶対しない子だし、おそらく小材が一方的に殴りつけたんでしょう。小材は空手経験者で腕っぷしには自信があるらしく、『自分はケンカになっても手を出さない。過剰防衛になっちゃうから』と普段から言ってたぐらいなんだけど。でもああやって手を出しちゃって……」

この日、施設長はAさんに殴りかかる小材容疑者に気づき、止めようとしたという。すると…

「小材は『この子が僕の魂を抜こうとしてる。魂を抜いたり魂を入れようとしてる』とかそんなことを繰り返すので、これはもうだめだなと110番したんです。僕が見た時は、暴行自体はそこまで激しくはなくて、被害者も出血したり怪我をしている様子もなかったんです。ただ、泣いてうめき声をあげ、ひきつけを起こしていたので救急車も呼びました。

僕が間に入って止める前に2人の部屋がある4階で暴行をしていたみたい。その後、1階に降りてきて『オラーッオラーッ』って怒鳴り声が聞こえたので僕が止めに行ったという流れです。

被害者は泣きながら唸っていたけど、2人の間には距離が開いていて、小材が殴り続けているという状況ではなく、気づくとたまに小材が叩くという感じ。

被害者のシャツがめくれて腹が出ていて、そこを小材が平手でパチンパチンと叩くので、やる度に止めた。最初はそんなにダメージありそうじゃなかったんだけど、魂うんぬんのこともあって110番して、続いて119番した。

小材はフラッシュバックなのか禁断症状なのかわからないけど被害妄想みたいになってて、正直正常な様子ではなかった」

「1週間ほど前から急に部屋に引きこもって食事にも来なかった」

小材容疑者が妄想に駆られていた可能性があるが、その原因も施設長には心当たりがあったようだ。

「すべてが本当のことかはわからないけど、小材本人が言うには地元出身で母親はだいぶ前に亡くなって、父親と弟の3人暮らしだったらしい。初めてウチにきたのは19歳の頃だからちょうど10年前だな。

小材は15歳の頃から父親にDVをされていたと言っていた。それでウチに避難してきたんだけど、本人は『弟を守らないと』と2、3ヶ月で施設を出て建築系の会社の経営を始めたんだ。その当時は結構景気はよかったみたいだよ」

それから10年間、小材容疑者からは何の音沙汰もなかったという。ところが…

「今年の6月28日、ヤツから突然『戻りたい』と電話がかかってきた。初犯なのか何回捕まったとかは聞いてないけど、覚せい剤絡みの事件で逮捕されて執行猶予を持っているという話をしていた。弟のことも気になったから聞いてみると『父親から逃がすことができた』と言うから安心したし、本人もここで仕事を見つけて出直そうって矢先に今回の事件を起こしてしまった。

ここに来て最初の1ヶ月は穏やかに生活していたんだけど、事件の1週間ほど前から急に部屋に引きこもっちゃってさ。僕が様子を見に行くと『大丈夫です。色々考え込んでしまって』みたいなことを言うんで心配していた。普段は生活しているみんなで飯を食うんだけど、飯の時間にも降りて来なくなっていたんだ。8月中にはここを出て自立するということで、アパート探しもしていたんだけどな」

一方的に被害に遭い、命を落としてしまったAさんはどんな人だったのだろう。

「普通に話はできるし、普段は1人で出かけて遊びに行くことなんかもよくしていた。小材と2人で遊びに出ていくこともあったんだよ。Aさんは天涯孤独ではないんだけど、ここに来てから5年の間、家族が訪ねてきたことはなかったな。さっきも言ったけど、この子は人を殴ったりとかそういうことは絶対にできない、今回も殴られれば殴られれっぱなしだった。小材の方が一方的にやってしまったことだと思うよ」

都会の片隅で肩を寄せ合って生きていたはずの孤独な者同士が生死を分つことになったのはなぜなのか。突き詰めるほど虚しさが募る盆の出来事だった。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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