1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「進次郎とは違って軽くない!」「キレ者で人格者」地元で愛される “コバホーク” 小林鷹之のアキレス腱。懸念される「統一教会とのつながり」と「二階派との遺恨」

集英社オンライン / 2024年8月22日 7時0分

永田町の“パーフェクト超人”が台風の目になりつつある。9月27日に投開票が行なわれる自民党総裁選。岸田文雄首相の不出馬宣言を受け、10人以上が立候補を表明する混戦模様となるなか、注目度がいや増しているのが「コバホーク」こと、小林鷹之前経済安保担当相だ。49歳という若さもさることながら、身長186センチ、東大&ハーバード大出身で、トップ官庁の財務省を経て政界入りしたという群を抜いたエリートぶりも話題を集めている。

コバホークの最大の“ライバル”は?

地元での評判は…

「自民党総裁選挙に覚悟を持って出馬することをここに表明する」

8月19日午後、国会内で記者会見した小林氏はこう語り、力強く総裁選への名乗りを上げた。「自民党は生まれ変われることを証明したい」「脱派閥選挙を徹底する」などと持ち前の清新さをアピールした。



会見を目の当たりにした全国紙政治部記者は「出馬のタイミングも会見そのものも満点に近い内容だった」と太鼓判を押す。

「永田町では若手の注目株として存在感を増していた小林氏ですが、知名度はいまひとつ。首相候補としてはそこが最大のネックになっていましたが、他の候補に先駆けて出馬会見をしたことで電波ジャックにまんまと成功しました。

会見でも『脱派閥』を掲げて自身のアピールポイントである若さを前面に押し出せた。『自民党をぶっ壊す』と宣言し、小泉旋風を巻き起こして一気に首相の座に駆け上がった小泉純一郎氏を彷彿とさせる会見でしたね」(前出の政治部記者)

2022年、甘利明前幹事長の肝いりで内閣府特命担当相の新ポストとして新設された経済安全保障担当相を務めた小林氏。

2012年の衆院選で初当選し、地元・千葉県八千代市の選挙区でこれまで4回の当選を重ねている。地元でのリアルな評判はどうなのか。

選挙活動でも一緒になる機会が多いという自民党市議はこう語る。

「時間があるときは必ず八千代市の駅頭に立たれるし、大臣時代も有権者の方々との交流を欠かさなかった。とても国会議員とは思えないほど地元に密着しています。

小学生からご年配まで、特定の支持層というよりは幅広く地元から愛されているという印象です。駅前の掃除でも、鎌を持って自分で草刈りまでされます。

 すごく頭もキレるし、人格者、努力家でもある。国会議員であれば、その下に市議とか県議がいて、彼ら地方議員を通じて間接的に市民の人と繋がっているというイメージがあると思うんですよ。でも、小林議員は違う。彼は本当に市民と繋がっている」

「進次郎氏と違って“軽さ”がない」との声も

同じく若手のホープであり、総裁選ではライバルになると目されている小泉進次郎元環境相とも面識があるというこの市議は、「党の刷新は小泉進次郎さんも打ち出していますが、言葉の重みとか知識の量がまったく違います!」とポテンシャルの違いを強調する。

そして、「小林議員にはああいう『軽さ』はありません。今、『安倍派(=清和政策研究会。すでに解散)が応援している』とマスコミに書かれていますけど、派閥とかではなくて、一緒に仕事をされた方だったらみな、小林議員を応援する気持ちになると思います。これからどんどん活躍して関わる人が増えれば増えるほど、小林議員を総裁に! という機運は高まると思います」と期待を寄せた。

国会議員に当選する前からの知り合いという別の市議も、「あんなパーフェクトな人は見たことがない。人柄も最高だし頭もよくて、気遣いもできる」と二重丸をつける。

「挨拶回りとかでも手抜きが一切ないですからね。悪く言う人なんか本当にいないんじゃないかな。誰かの愚痴とか悪口も言わないし。特定の団体に特化してどうこうっていうのもなくて、お金にまつわる寄付とかもそんなにないんじゃないかな。そういう意味では、いわゆるお金を持っている議員ではないと思うけど、誰にでも愛されるし、今回は本当にいいチャンスだと思います」(同市議)

 会見で統一教会とのつながりを指摘されると…

政治的には対立する立場にある野党系の市議からの評判も上々だ。

立憲民主党との関係が深い地元市議の一人は「党は違うけれども、やっぱりいろんな仕事でお会いするじゃないですか。若いけどしっかりされている方という印象です。やっぱりみなさんおっしゃるのは人柄ですよね。

千葉では野田(佳彦元首相)さんもけっこう人柄には定評があったりとかするけど、彼も八千代ですごく評判がいい」と地元での人気ぶりに舌を巻く。

ルックスよし、経歴よし、評判よし。まさに「コバホークに死角なし」といった様子だが、本当に欠点はないのか。

地元で総裁選に向けた懸案店として囁かれているのは、「裏金問題」とともに自民党を窮地に追い込んだ、ある宗教団体との関係である。

ある共産党関係者は「マイナスなことっていうと、統一教会(旧統一教会)のことかなぁ。すでに現役を退いた、ある地元議員を介して教団とつながったようです」と声を潜める。

8月19日の会見でも、この旧統一教会との関係については質問が出ている。

同問題を長年にわたり追及しているジャーナリストの鈴木エイト氏が質問に立ち、「(小林氏の)地元の有力な支持者の中に複数の統一教会の関係者、地区の幹部がいることを確認している」と指摘。そのことへの認識を問い、「岸田総裁以上の厳しい対応を党内、そして統一教会に対して取れるのか」と畳みかけたのだ。

小林氏は「厳しい対応を取る」と即答したものの、自身の支援者と教団との具体的な関係性については「それぞれ私人であり、ひとりひとりのプライバシーに関わる話だ」とコメント。

支援者と教団との関係確認などの対応については、「ひとりひとり聞くことには限界があることは認識いただきたい」と述べるにとどめている。

派閥にとらわれない動きが火種に? 

長年、自民党の権力の源泉として、あるいは政治のしがらみを生じさせる元凶として功罪両面で語られてきた「派閥の論理」が小林氏の足かせになるとの指摘もある。

小林氏はすでに解散した「二階派(志帥会)」の所属である一方、安倍晋三元首相が率いた「安倍派」とも良好な関係を維持してきた。裏金問題によって解散に追い込まれた同派の若手リーダーである福田達夫元自民党総務会長とも気脈を通じているとされる。

前回2021年の総裁選では、安倍晋三元首相が推し、党内屈指の保守論客として「安倍路線の継承者」を自認する高市早苗経済安保担当相の推薦人に名前を連ねていた。

こうした所属派閥にとらわれない横断的な動きを重ねてきた小林氏が、今回ばかりは遺恨の火種を抱えてしまった可能性が否定できないというのだ。

「高市氏にとっては小林氏の出馬によって推薦人の手駒がひとつ減ったわけで、おもしろいはずがない。両者の間に遺恨は当然残るでしょう。ベテラン議員の中には、二階派であるにもかかわらず、安倍派にべったりだった小林氏の政治姿勢に不快感を持っている人もいる。その一人だと言われているのが、二階派で事務総長を務めた武田良太元総務相です」

永田町の事情に精通する、あるベテラン秘書はこう打ち明ける。

武田良太氏といえば、「二階派」で、派閥の領袖である二階俊博元幹事長を支える番頭役として影響力を発揮してきた実力者だ。

岸田政権下で「非主流派」のドンとして暗躍した菅義偉前首相とも関係が近く、岸田首相が総裁選への不出馬を宣言する以前から会合を重ねるなど「次期総裁レース」に向けた準備を重ねてきた経緯もある。

石破茂元幹事長や小泉氏ら、総裁選の有力候補の「後見役」である菅氏とともに来月の政治決戦のキャスティングボードを握るとみられる存在だ。その武田氏と小林氏の間にどんな遺恨があるというのか。

 「派閥解散のどさくさに紛れて二階派への仁義も通さずに安倍派に接近していった小林氏に武田氏が激怒したというのです。

総裁選出馬で脚光を集める小林氏に対抗するため、武田氏が狙っているのが加藤勝信元官房長官の擁立です。加藤氏は茂木敏充幹事長が率いた『茂木派(=平成研究会。すでに解散)』に所属していましたが、首相への意欲を隠さない茂木氏に反発する派内の議員にも一定の支持があった。

茂木氏への反発からいち早く派閥を離脱した小渕優子氏も武田氏とともに加藤氏を担ぐ動きがあり、推薦人確保の目途が立てば、総裁候補に名乗りを上げる可能性はあるでしょう」(前出のベテラン秘書)

自民党議員たちの思惑が交錯する総裁選。にわかに台頭した「コバホーク」は、混戦模様のレースを走り抜けて、権力の高みに上り詰めることができるのか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください