〈広尾・交際女性殴り…死亡〉「部屋の温度が暑いか寒いかでモメた」ＳＮＳで出会った職業不詳男（25）の身勝手すぎる動機。被害者の顔や足、腹にもアザ…現場は“手狭な賃貸マンション”“セレブの街”で起きた悲劇

事件は芸能人やスポーツ選手、会社経営者が多数暮らす“セレブの街”広尾のあるマンションで起きた。8月30日午前10時14分「同居している彼女が倒れていて意識がない」とマンションに住む男から119番通報があり、救急隊員らとともに現場に急行した警察官が廊下に倒れていた女性の死亡を確認した。女性の顔や体にはアザが複数見つかり、男が暴行を認めたため警視庁捜査１課は同日夜、傷害容疑で男を逮捕した。

〈画像あり〉現場となった“広尾”のマンションと、現場を出入りする捜査員

「1人でも狭いのに2人暮らしならイライラしてしまうことはあるかもですね」

男は職業不詳、増田遼太郎容疑者（25）で、亡くなったのは会社員の村田結さん（25）＝千葉県印西市＝。2人は3年前にSNSを通じて知り合い、増田容疑者の部屋で半同棲していた。警視庁は司法解剖で死因を特定し、容疑を傷害致死に切り替えて調べを進める方針だ。

「被害者の村田さんは実家が千葉にあるため、通勤などの利便性も考慮して増田容疑者と半同棲生活を送っていたとみられます。増田容疑者は『顔を叩いたことに間違いありません』と容疑を認めていますが、その理由が呆れるほどくだらない。

村田さんは8月29日深夜にコンビニに寄ってから帰宅し、午後11時40分ごろに部屋の温度が暑い寒いで口論になり、それで殴ったというのです。それで朝起きたら村田さんが倒れていたので119番通報したという流れです」（社会部記者）

現場はJR・東京メトロ恵比寿駅の北東の住宅街にあるマンションで、2人が同棲していたのは中層階の占有面積20平方メートルに満たない一室。登記簿謄本によれば所有者は増田容疑者とは別名の個人なので、分譲貸しとみられる。同マンションの女性住民は取材にこう語った。

「マンションの前に警察の方達が来ていたので何か事件があったのは知っていますが、具体的な内容までは教えてもらえませんでした。当日に限らず、普段マンション内で若い男女のケンカする声も聞きませんでしたし、そういう苦情やトラブルもなかったと思いますよ。そもそも若い男女を見たことないです。あんまり人とすれ違うことも少ないマンションなので。

部屋の間取りはほとんどの階が1Kで家賃は10万円ほどです。事件があった部屋も1Kだと思います。いや、狭いですよ。玄関開けてすぐキッチンで、部屋自体も8畳くらいのものなので。そこにベッドと小さなテーブルを置いたら1人でも狭いのに2人暮らしならイライラしてしまうことはあるかもですね。

室温でモメた？　いや、でも部屋が異常に暑いとか寒いとかはないですよ。当たり前ですけどエアコンもついてますし……」

部屋のオーナーは記者の取材に…

別の男性住民に増田容疑者の顔写真を見せてみたが、ピンと来なかったようだ。

「ニュースもやってたんで知ってますけど若い男女は1組しか見かけたことがないので、もしその方達であればごく普通という印象です。どんなお仕事だったかも分かりませんが、その方は夜出かけることが多かったですね。男性も女性も派手とかではなく、本当普通というか……」

増田容疑者に部屋を貸している物件の持ち主に話を聞くことができたが、当然のように事件とは無関係だった。

「借り上げ方式だか借り上げ保証って言うんですかね。私はある法人に貸し出していて、その法人さんがまた貸し出しているので、実際どんな方が住んでいるのかは直接知りません。もちろん契約書などはありますけど、もう管理も含めて全部任せてしまっているので。

法人さんの方からもこれまでトラブルのある住人に貸してしまったとかも聞いておりませんし、部屋の室温に対する苦情なんかも聞いていません。エアコン？　いや、それは普通についていると思いますよ。事件のことも今初めて知りましたし……」

司法解剖の結果、村田さんの死因は外傷性ショックで、顔や足、腹にもアザがあったという。

室温を巡って何をどうモメたのか具体的にはわからない。ただ25歳の女性が突然命を奪われる理由にしては軽すぎる。村田さんの冥福を祈るしかない。

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 取材・文／集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/村上庄吾