〈やす子にスパチャ4億円〉フワちゃん騒動で募金額もアップ? 『24時間テレビ』批判を乗り越えて“番組の存在意義”を証明か…「気づいたら泣いてた」
集英社オンライン / 2024年9月3日 19時18分
8月31日から9月1日にかけて放送された『24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?』(日本テレビ系)。放送前はさまざまな心配の声が寄せられていたが、終わってみれば大成功ともいえる結果を残すことができたようだ。
【画像】まるで罰ゲーム? やす子が“地獄の周回”をしたマラソン会場
「普通の番組なら即刻終了ですよね?」
毎年、『24時間テレビ』の放送をめぐっては、出演者のギャラ問題と募金活動の整合性、感動ポルノの指摘などがSNS上で議論され、「もう放送をやめるべきではないか?」という意見が多くあがっている。
特に今年は、系列局である日本海テレビジョン放送の元局長が、同番組の寄付金などを10年間にわたり着服していたことが発覚した後のはじめての放送。世間の風当たりはさらに強いものになっていた。
放送がせまった6月には、同局の水卜麻美アナウンサーが朝の情報番組『ZIP!』にて、「皆様からの信頼を裏切ってしまう行為です。改めて心よりお詫び申し上げます」と謝罪したのだが、ネット上では〈中止にするかどうしてもやりたいなら寄付の受付ナシでやるかのどっちかしかない〉〈着服が起こったような問題番組なのになんで放送を取り止めないんでしょう? 普通の番組なら即刻終了ですよね?〉〈24時間テレビはそろそろ辞めた方が良い〉といった声があがることに。
さらに7月29日に行われた日本テレビの定例社長会見では、石澤顕社長が再度騒動に言及したうえで、「チャリティーを継続していくことに大きな意義があると思います」と番組を存続させる理由を述べたものの、やはり世間の反応を見ると、なかなか理解が得られていない様子だった。
そして泣きっ面に蜂となってしまったのが、毎年恒例のマラソン企画への懸念。今年はお笑いタレントのやす子が1000人の応援走者と走ることになっていたが、この夏は史上最高クラスの猛暑となり、〈この中でマラソンをするのは無謀すぎる〉〈いますぐに中止するべきだ〉との意見が続出。
また、放送直前には、非常に勢力の強い台風が、放送日に接近するとの観測予報もでてしまったのだ……。(結局、天候など安全面を考慮して応援走者の参加はスタート前に中止)
そうした中で迎えた放送当日、結局、マラソンは台風の影響を考慮して、日産スタジアムの陸上トラックを周回するコースに変更。空が曇ったこともあり、安全性は確保されたのだが、今度は同じ場所を一人で、ひたすらグルグル回っているやす子の様子が、まるで罰ゲーム、体育の居残りの授業、運動部のペナルティだのと揶揄されてしまうことになった。
やす子だけで4億円以上の募金を集める
だが、終わってみれば、番組平均の世帯視聴率は昨年の11.3%を上回る12.5%。番組のラスト2時間、PART10(9月1日、19・00~20・54)の数字は19.7%で、やす子がマラソンをゴールするときは、瞬間最高視聴率25.4%を獲得した。(数字はビデオリサーチ日報調べ。関東地区)
しかも募金額は「マラソン児童養護施設募金」だけで総額4億3801万4800円に達し、昨年の募金の総額8億4805万9341円の半分ほどを、やす子一人で集めることに成功した。
「今回のマラソン募金企画は、画面の左下に募金用のQRコードを表示することで、わざわざ会場にいかなくても、自宅からキャッシュレスで募金できるようになりました。これによって、飛躍的に募金額が伸びたと思います。
ちょうど8月28日には、女性VTuberグループ・ホロライブの湊あくあが卒業ライブをして、わずか1日で4660万円超えの投げ銭(スーパーチャット)を獲得したことが大きな話題になりましたが、やはりこのシステムは画期的。ネット上には“やす子はスパチャ4億の女”なんて声もありました。
1か月前に起きたフワちゃんの誹謗中傷騒動も、やす子さんに同情が集まる結果になったため、この募金額のアップに貢献してくたと思います。ちなみにやす子さんが集めた『マラソン児童養護施設募金』と、『24時間テレビ一般募金』は別枠で、後者は集計後に総額が改めて報告されます」(テレビ制作関係者)
そんなこんなで、放送前は風当たりが非常に強かったものの、大成功に終わった『24時間テレビ』。今年は、番組の放送スタートから一貫してきたテーマ「愛は地球を救う」を、「愛は地球を救うのか?」に変更、マラソンの終盤に流す曲を、ZARDの「負けないで」ではなく、X JAPANの「紅」にして、YOSHIKIが生演奏するなど、例年のお決まりを崩す場面もみられた。
賛否両論があるかもしれないが、これだけの視聴率を獲得して募金を集め、児童養護施設や被災地の復興支援、子ども食堂などの社会問題について、多くの人が知り、考えるきっかけになったといえるだろう。
1年に一回でも考えるきっかけになれば…
「今年の放送については局内でも『やめるべきでは?』『別のやりかたを考えるべきでは?』という声があったようです。ただ、長年積み重ねてブランド化されたフォーマットで放送するからこそ、普段は注目されない社会問題を放送しても高い視聴率を取ることができている。局としてこういった活動を続けていくなら、絶対にこの番組をなくしてはならないという結論になったそうです」(同・関係者)
放送を見た視聴者からはSNSで、〈24時間テレビみて泣いた… 強く生きよ…〉〈24時間テレビってお涙頂戴だよなーと、冷めた目で見てても気づいたら泣いてる〉〈年に一度 障害者や児童養護施設などの現状を知る。必要な番組だと思う!〉〈24時間テレビを批判してるやつ多いけど見なきゃいいだけじゃねえの?〉〈1年に一回でも困っている人を思い、 お金をどこかに寄付しようかなと数千万人単位の人に考えてもらうきっかけを与えるだけでも意義がある〉といった声があがっている。
放送前には、時の流れに負けてしまいそうだった『24時間テレビ』。こうした議論が進み、日本中の注目を集めている時点で存続する意味があると言えそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
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