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〈スーパーカー飛び石詐欺〉「晒して商売できなくさせてやろうか」「家を燃やすぞ」フェラーリのエンジンをブンブンふかして威嚇…タワマン住まい“セレブきどり夫婦”のカタギとは思えない恫喝手口

集英社オンライン / 2024年9月9日 17時46分

〈スーパーカー飛び石詐欺〉「さらっちまうぞ!」「燃やすぞ」恫喝ざんまいだったタワマン住まいの“セレブ気どり夫婦” 車の修理業者にも「俺のフェラーリに勝手に乗りやがって」「傷つけた」とイチャモン〉から続く

タワマンに住み、スーパーカーに乗ってクレジットカード詐欺などを繰り返していた宮城県出身の東京都江東区豊洲、職業不詳の斎藤貴聡(32)と智華(33)夫妻の両容疑者=ともに警視庁が詐欺などの疑いで逮捕=。ありもしない事故をでっち上げて相手の「過失」を創作し、罵詈雑言をまくし立てて恫喝する手口。その被害者はトラック運転手やカーショップ関係者にとどまらず、インターネット通販を手掛ける女性をトラウマで立ち直れないほど追い込んでいた。



〈画像〉3500万…斎藤夫妻の真っ白なフェラーリと智華容疑者。クレームをつけては金を要求していたという

 

初対面では感じは悪くなかった

斎藤夫婦との間でトラブルになった女性の友人が、証言した。

「2021年の頃でしたけど、私の友人女性が斎藤容疑者夫婦と揉めていました。発端はインターネットでの、ある商品の売買を巡ってのことでした。先日、たまたま友人と部屋でテレビをつけてまったりしていたら例のカード詐欺のニュースをやっていたんです。

フェラーリで…という事件、どこかで聞いたことあるなって思っていたら、ニュースを見る友人の顔面が蒼白になっていて、『あっ!』て思いました。容疑者夫婦は以前、この友人を脅していたんです。

万が一斎藤夫婦が友人のところに怒鳴り込んで来ても困りますので商品名は伏せますが、友人はインターネットを通じて、ある商品を斎藤夫婦に売ったんです」

通常は発送と決済を対面せずに済ますのがネット取引だが、このとき斎藤容疑者夫妻は商品を買い付けるため店頭を訪れたという。

「当時、斎藤夫婦は東京に引っ越しをしている最中で、その合間をぬって商品を見に訪ねてきたとのことでした。その時のことを友人から聞きましたが、嫁の智華容疑者はとにかくしゃべりまくっていて、旦那はほとんど黙っていたそうです。

豊洲のタワーマンションに引っ越すということで、嫁は全身フェンディなどのブランドを身につけ、王族みたいに顔が半分レースで隠れるハットをかぶり、旦那の方はTシャツとか普通の格好、乗っていた車はプリウスだったそうです」

 初対面ではやはり、斎藤夫妻は感じの悪さを押し殺していた。

「感じが悪いことはなくて、嫁が口にするのは『私の母親はがんで亡くなったばかりなんだけど、もとはブリーダーをやっていたの。私はチワワを飼っているの』とか『私たち長い間付き合っていて、ようやく結婚できたからこれから宮城から東京に出てくるんだけど旦那の仕事も決まってないから私もレジ打ちでもするかな』とか『私たちはまだ子どもはいないんだ』みたいな他愛のない話ばかり。

商品についても嫁の方がずっと話を聞いていて、旦那はほとんど聞いていなかった。旦那は筋肉自慢で胸や腕の筋肉を動かしては自分で眺めて悦に入っていたみたいですよ。友人がおあいそで『すごい体ですね。お仕事は消防隊員とかですか?』と尋ねると『違いますよ。トラックの運転手やってました』と答えたそうです」

商品を受け取ったのちに夫婦の態度は豹変

その後も妻の智華容疑者が「旦那は有名なジムに通っていて、ボディビルの大会なんかも出てるのよ」と筋肉自慢を続けるのに対し、友人が「やっぱり大会では『冷蔵庫』とか掛け声がかかるんですか?」と話を合わせると「今度是非大会に来て言ってくださいよ」と斎藤容疑者に軽口を叩かれたそうです。

そうして和やかに引き上げた斎藤夫妻は後日、商品を購入。そしてこの後、豹変が始まった。

「友人のところに斎藤容疑者から『これおかしいね。俺を騙そうとしてるでしょ?』と電話がかかってきたんです。商品もちゃんと見て納得して購入していったはずなのに不良品だと言って因縁をつけてきて、電話で『家まで行って燃やすぞ』とか『オタクの評判晒して商売できなくさせてやろうか』とか『てめーこの野郎』だとかもう2時間近くも怒鳴られ続けたそうです。

仕方なく友人が呼び出された場所に返金に出向くと、旦那と嫁が白いフェラーリに乗って待っていて、エンジンをブンブンふかして威嚇していたそうです。友人がお金を返そうとフェラーリに近寄ると、窓をあけて旦那が何か口を動かしたけどエンジン音でかき消されて何も聞えなかったそうです」

痺れを切らしてフェラーリから降りてきた斎藤容疑者は、マイケルジャクソンを彷彿とさせるハットに黒のスーツ姿だった。智華容疑者に横から金を受け取るように指示され、その通りに受け取った斎藤容疑者は商品を突き返し、エンジン音をブンブン鳴らして去って行った。

 「友人は、斎藤夫妻は電話の時はヤクザ映画の登場人物どころではないほどずっと怒鳴り続けていたと言っていました。電話口には旦那と嫁が交互にヒステリックに喚き散らすので、彼女はトラウマのようになっていました。

それでも友人は返金で済んだので、斎藤夫妻もこの頃はまだお金があったのかもしれないですね。もしお金がない状態だったら友人ももっとお金を請求されたり、きつく脅されたりしててもおかしくなかったと思います。ほんと怖いです」

何を生き方の参考にしてきたかわからない無軌道な夫婦は、後味の悪い恐怖と迷惑だけを撒き散らして逮捕され、出来の悪い三文芝居は幕を閉じた。第二幕が永久に開かないことを祈る。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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