「男性は上から目線が多かった」レズビアンカップルYouTuberが本当の愛を知るまで…「パートナーが女性だと同じ比率で、同じ感覚で子どもを育てられる」
集英社オンライン / 2024年9月23日 11時0分
〈「まだ日本は同性カップルが子育てしづらい」レズビアンカップルYouTuberが直面した妊活、出産の現実「ドナー探しは100人近くの男性とやりとり」それでも噛みしめる幸せ「子どもはあと3人ほしい」〉から続く
もともと美容系店舗の新入社員と店長という関係だった「はぴLIFEチャンネル」の「ぽっち」さんと「みち子」さん。出会った当時はそれぞれパートナーがいたが、お互い惹かれ合い、パートナーとの関係を解消してから2人の交際が始まったそうだ。日々の様子をインターネットで発信するようになったのは、ブログ更新や動画編集などの作業が得意なぽっちさんが、思い出を記録するツールとして始めたことがきっかけだという。
【画像】「美しすぎる…」レズビアンカップル「ぽっち」と「みち子」のウェディングフォト
「男性とも付き合ったことがあるけど、上から目線の人が多くて……」
自身がLGBTだと気づき始めるのは、就学前から思春期のタイミングが多いと言われているが、そこにはさまざまな“葛藤”がつきまとう。チャンネル登録者数7万人超のYouTube「はぴLIFEチャンネル」のぽっちさんとみち子さんは、自身の性的指向について、どのような悩みを抱えてきたのだろうか。
――2人は、いつから女性が好きだと気づいたのでしょうか。
みち子 私は高校1年生のときですね。当時、初めて彼女ができたんですよ。とはいえ、その前には男性とも付き合っていたし、男性から女性として扱われることに嫌悪感があるわけではなかったので、私の場合はバイセクシャルなのかもしれません。
ぽっち 私はもとから女性が好きだったわけではなく、恋愛対象は男性でした。なので、何人かの男性とも付き合ったことがありましたが、上から目線の人が多くて……。自分が我慢することが多かったのですが、一方で、それが当たり前だと思っていました。
でも、みち子とは本当にお互いを思いやりながら、それぞれを大事に思い、我慢することなく、居心地がいい関係を築けています。「誰かとこうした関係を築けるんだ」ということを、みち子と付き合うことで初めて知ることができました。
――みち子さんは、「女性が好き」という性的指向に悩んだりすることはなかったのでしょうか?
みち子 はい。私はただ「素敵だな」と感じる男性や女性を好きになってきただけですし、周囲にFTM(Female to Male=身体的性が女性で性自認が男性の人)の子もいたりと、思春期に多様なジェンダーの人間関係があったからなのか、あまり悩むことはなかったですね。あと、そういった指向を親から否定されることなく育ってきたことも大きいかもしれません。ずっと今を楽しく生きてきました(笑)。
ぽっち みち子のそういうポジティブで前向きなところは、本当に明るくて楽しくて、昔から好きですね。
――2人が付き合うきっかけはなんだったのでしょうか。
みち子 出会ったとき、私には一緒に住んでいる彼女がいて、ぽっちにも彼氏がいたんです。でも、2人で飲みに行ったり、カラオケに行ったりするうちに、LINEで密に連絡を取り合うようになって。本当はお互い付き合いたいけど、それぞれに彼氏や彼女がいるので、もどかしい状態が続いていたんです。
ぽっち そうだったよね。本当に毎日のようにLINEで通話していました。それで「お互いに彼氏・彼女とはちゃんと別れたほうがいいね」と話して、別れたあとにみち子に告白されて、付き合うようになりました。
みち子 付き合い始めのころはお互いの家に通い合っていたのですが、そのうち同棲することになって。そのあと、ぽっちが先に仕事を辞めて、その後に私も辞めて、一緒に美容系の会社を経営し始めたんです。
女性どうしだと「子育てをするうえでも、生活しやすい」
――お互いに、どんなところが好きなんでしょうか。
みち子 家族思いで優しくて、行動力があるところですね。過去の私は行き当たりばったりで生きてきましたが、ぽっちと付き合うようになって、はじめて結婚など未来のことを考えるようになりました。「ぽっちが望むことを叶えてあげたい」「それを叶えるにはどうしたらいいのか」など、人と付き合ううえで、はじめて未来を意識した子なんですよね。
ぽっち みち子は、背が高くて力持ちでカッコいいし、男性から感じることのなかった愛情を素直に表現してくれるし、家事や料理が好きなところも好きです。
あと、やっぱり居心地のよさ、生活のしやすさを感じます。特に子育てに関して、男性と子どもを育てる場合、どうしても女性が子どもの面倒をみる割合が大きくなりがちですよね。でも、女性がパートナーだとそれがない。2人とも同じくらいの比率で、同じ感覚で子どもの面倒をみて、お互いのしたいことも実現できる。これ以上ない、ベストパートナーです。
――ファンからは「喧嘩しなさそう」とよく言われるそうですが、実際はどうですか?
ぽっち 子どもが生まれてからは、まったくないですね。
みち子 そうだね。でも、以前は会社の経営やYouTubeチャンネルの方向性などが理由で、いろいろと口喧嘩することがありました。ぽっちが泣いたこともあったよね。
ぽっち 一緒に住んでいるのに、LINEで「もうダリ(愛犬)と一緒に出ていく。帰らないから」と言ったこともあったね。でも、今ではそれもいい思い出です。みち子が妊娠してからは、喧嘩なんかしてないもんね。
みち子 してないね。お互いに守るものができたので。
目標は「大家族になる」
――今後の目標などはありますか?
ぽっち 一番大きな目標は、「大家族になる」ということですね。先ほども言いましたが、子どもは4人ほしいので。大きな庭付きの戸建てを建てて、そこでみち子と子どもたち、ダリと一緒に住みたいですね。
――YouTubeチャンネルに関して、今後の展望は?
ぽっち YouTubeはもともと、思い出づくりの一環で始めたものですし、その感覚は今も変わっていません。でも、ファンの方々と交流する意味も込めて、定期的にイベントなどは企画していきたいですね。
みち子 私としては、やっぱり本業である美容系会社をもっと拡大していきたいなと思います。
ぽっち 子どもが生まれる前に結婚5周年の旅行に行きましたが、来年からのお祝いには、そこに子どもも加わって……。本当に幸せすぎる今や未来を、これからも大切に過ごしていきたいと思います。
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和やかに話す2人を見ていて、惹かれ合う人と一緒になるということは、性別関係なく、本当に幸せなことなのだと、改めて記者は感じた。底抜けに明るいみち子さんと、穏やかでありながらも、しっかり者であるぽっちさん。多様化の時代、さまざまなカタチの家族が生きやすく、幸せになれる社会になることを切に願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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