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〈自民総裁選〉勝利のカギは結局”派閥”? 進次郎氏は麻生氏へ支援要請と、なりふり構わず…石破陣営の本音は「決選投票は高市さんと」下位陣営も「ビリは絶対イヤ」と必死のあがき

集英社オンライン / 2024年9月26日 7時0分

いよいよ9月27日に投開票が迫った自民党総裁選。派閥の締め付けがなくなったことで、勝者どころか決選投票に進む上位2人の名前についてさえ、国会議員も政治記者も自信をもって言い切ることができないという、異例の大混戦になっている。この戦いを制するために、ほぼ解消されたはずの派閥が勝敗を分けるとみて、上位の陣営は囲い込みに必死だ。一方、苦戦が伝えられる候補者は「ビリ」にならないよう、必死のあがきを見せているという。

【画像】石破氏、高市氏、進次郎氏の推薦人名簿

首相になるためなら、なりふり構わない進次郎氏

9月27日の投開票直前になっても、自民党総裁選は結果が読めない異例の大混戦となっている。

「党員・党友の名簿を入手しているとみられ、より正確な結果を予測しやすい読売新聞の調査では、石破茂氏126票、高市早苗氏125票、小泉進次郎氏114票(いずれも国会議員票と党員・党友票の合計)が見込まれており、この『3強』のうち2人が決選投票に進むとみられます。



ただ、未定・未回答としている国会議員も70人おり、少しの票差で3人の順位は入れ替わる情勢で票読みが非常に難しいのです」(全国紙政治部記者)

石破・高市・進次郎の各陣営は、「石破VS高市」「石破VS進次郎」「高市VS進次郎」の3パターンの決選投票を想定し、決選投票での票獲得に必死だが、カギになってくるのは、ほぼ解消されたはずの派閥の領袖だという。

「進次郎氏は24日、麻生太郎副総裁に面会し、決選投票での支援をお願いしたといいます。麻生氏は、進次郎氏のバックについている菅義偉前首相との関係が悪い。一方で自らが首相だったときに『麻生おろし』をした石破氏のことも嫌い。『高市VS進次郎』なら麻生派は高市氏に流れるとの見方が強いですが、『石破VS進次郎』の『究極の2択』なら自分についてくれる可能性があると、進次郎氏はみたのでしょう」(自民党関係者)

ほかにも、進次郎氏は参院安倍派に影響力をもつ世耕弘成氏とも面会。これまで無派閥をアピールしてきたが、首相になるためになりふり構わず、派閥に頼る姿勢が目立っている。

支援を依頼された麻生氏や世耕氏も、国会議員票の比重が高い決選投票は、数十人単位を擁する派閥の力を見せつけて恩を売る好機とみて、最後まで「勝ち馬」を見極めている状況だ。

進次郎氏、高市氏の不安要素をアピールしたい石破陣営

一方の石破、高市両陣営は、派閥へのアプローチはもちろんのこと、立憲民主党の代表選で野田佳彦元首相が選出されたことで「進次郎VS野田の論戦では、進次郎氏のボロがすぐ出てしまう」という党内の不安を自陣営の追い風にしたい考えだ。

「進次郎氏は総裁選期間中、解雇規制見直しに関する発言だけでなく、海外から輸入されるミネラルウォーターの購入をやめて国産水や水道水に変えれば『可処分所得が増加する』という発言もし、『大した金額差じゃない』『個人の好みもあるのに』などと呆れの声が上がりました。

総裁選期間中だけでこうなのですから、野田氏との丁々発止の論戦に耐えられるのかという不安は、党内で日に日に大きくなっています」(自民党関係者)

さらに、石破氏陣営は、野田氏の穏健保守的な立ち位置も、自陣営にプラスに働くとみているという。

 「仮に総選挙で高市VS野田の戦いになると、右派色の強い高市氏を敬遠する中道の有権者が、野田氏率いる立憲に流れてしまうのでは、という懸念も高まっています。その点で石破氏のほうが幅広く国民の支持を集められるとアピールしたい考えです」(同前)

下位陣営も「9人中ビリは絶対イヤだ」と必死

こうしてそれぞれ追い込みをかけている「3強」。最終盤ともなると、党員・党友投票はすでにほぼ終わっているため、残るは国会議員票の取り合いとなるが、3陣営のいずれも国会議員票の大幅な上積みが難しくなっている。その背景には、こちらも大激戦の「ビリ」争いがあるようだ。

「どの陣営も『ビリ』になりたくなく、必死なのです。これまでの総裁選のような3、4人の中の『ビリ』と、9人の中の『ビリ』ではわけが違います。
たとえば前回の総裁選では、苦戦していた野田聖子氏の陣営に対して『死票になるくらいなら、ウチに入れてくれ』という引きはがし工作が活発化しましたが、今回、下位陣営は『どんぐりの背比べ』状態で、ビリ回避に注力。引きはがし工作も簡単にはいかないのです」(全国紙政治部記者)

前回の総裁選後は、岸田文雄首相は敗れた河野太郎氏を広報本部長、高市早苗氏を政調会長、野田聖子氏をこども担当相に就け、挙党態勢を演出したが、今回は候補者が9人もいるため、人事で「冷や飯」を食う陣営が出るのは必至だ。さらに、下位になればなるほど、今後の総裁選への再出馬にも黄信号が灯る。

そのため、下位陣営にとっては、決選投票に駒を進めるのは難しいにしても、一定の存在感を示して新政権下での人事でポストを獲得し、非主流派にならないようにする必要がある。

現在のところ、読売新聞の調査では最下位から順に加藤勝信氏、河野太郎氏、茂木敏充氏、上川陽子氏となっており、現在の見込み得票は20票台~40票台(いずれも国会議員票と党員・党友票の合計)にとどまる。

少しの差で順位が逆転するため、どの陣営も自陣営の票固めと、投票先を未定としている議員への説得に必死。それゆえ、「3強」にとっても簡単に票をわけてもらえる状況ではないのだ。

誰が首相の座を手にするのか、最後まで誰にも読めない大激戦を制するのは……?

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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