「オレのほうがいいオトコだろ」と嫌がる女性をナンパ、仲裁にはいった男性を突き飛ばし死亡させたフランス籍の男(33)はその後、逃走を図っていた‼〈新宿・増える外国人トラブル、ハロウィンも大警戒〉
集英社オンライン / 2024年10月2日 18時46分
東京・歌舞伎町の路上で男性に暴行を加えたとして、新宿署が9月29日、自称フランス国籍で、東京都中野区の会社員ラフォレ・アレクサンドル・マチュー容疑者(33)を傷害容疑で現行犯逮捕した。事件の現場となったのは、東京一の歓楽街・歌舞伎町。飲食店や居酒屋など、ナイトライフを楽しむ場所が多く立ち並ぶ人気の一角だ。
【写真】ラフォレ容疑者が住んでいた中野区内のアパート。玄関には酒が…
「外国人旅行客による暴行、傷害や器物損壊事件はほぼ毎日発生」
事の発端は次のとおりだ。
事件はちょうど土曜日が明けた29 日午前1時半ごろ、新宿区役所が目の前にある歌舞伎町1丁目の路上で起きた。
休日の夜で人通りも少なくないなか、ラフォレ容疑者は、面識のない男性(67)と一緒に歩いていた飲食店勤務の女性に執拗にせまり、見かねて仲裁に入った男性を両手で突き飛ばしたため、男性は転倒時に頭を地面に強打。
急性硬膜下血腫を負い、病院に搬送されたが死亡が確認された。
「外国人担当の警察官は当日、緊急の呼び出しを受けて出勤したようです。なかなか報道されませんが、新宿管内でも外国人旅行客による暴行、傷害や器物損壊事件はほぼ毎日発生しています」(捜査関係者)
社会部記者が解説する。
「新宿署はラフォレ容疑者を傷害容疑で現行犯逮捕しています。男性が死亡してしまったいま、容疑を傷害致死に切り替えて調べています。
一方、ラフォレ容疑者は『全く覚えていない』と容疑を否認しています。容疑者は日本語が流暢で、正規の在留資格を持っており、旅行客ではありませんでした」
一連の騒動を目撃していた歌舞伎町のキャッチはこう明かす。
「僕はすぐそばにいて、途中からしか現場を見ていませんでしたけど、飲食店で働く女の子が被害者の方と歩いているところにフランス人の男が声をかけてきたみたいなんですよ。
『オレにほうがいい男だろ』『遊ぼう』みたいなノリで。容疑者はベロベロに酔っ払った状態だったみたいで、女の子は相当嫌がっていた。
それで被害者が『やめろよ』『いい加減にしろ』って止めに入ったら、フランス人がキレて被害者を思いっきり突き飛ばしたんだ。
頭をぶつけたときはもう聞いたことがないくらい音が反響して、フランス人も『マズイ』と思ったのかその場から逃げたんだよね。
それを見ていたキャッチの兄ちゃんたちが『待て』って追いかけて、だいたい80m先のドーナツ店の前あたりでタックルして羽交い絞めにして捕まえたんだよ。
そのあとナイジェリア人たちも加勢してみんなで取り囲んだ。警察か救急車は一緒にいた女の子が呼びました」
パトカーや救急車が道端に停まり、現場は一時騒然としたという。
容疑者は「泥酔してトラブルを起こすようなタイプではなかった」
泥酔したうえに、通りすがりの男性に暴行を加え、命を奪ってしまったラフィレ容疑者。一体どんな人物なのか—。
ラフィレ容疑者は、中野区のアパートの4階建ての2階の1LDKに1人で住んでいた。家賃は15万円前後だ。このアパートのオーナーは次のように話す。
「3、4日前に新宿署から留守番電話が入っていたけど、こちらからは電話していません。アパートは不動産屋に任せているから、本人と全く交流はないですが、2、3年くらい前から住んでいらっしゃいます。
一人暮らしだと思うし、ちゃんとしたところにお勤めになっていますよ。ウチは審査もそれなりにしっかりしていますから。酒のトラブルはもちろんですけど、家賃滞納、近隣トラブルなども聞いたことがないです」
泥酔してトラブルを起こすようなタイプではなかったという容疑者。ほかの住民とも深い交流はなかったという。
「このアパート自体、住民同士のやり取りは少なくて、容疑者を見かけたのも階段ですれ違った数回ほど。背が高くてスラっとしていて年齢より若い印象ですね」(アパートの住民)
ラフィレ容疑者の知人は、「(彼は)ヨーロッパに本社がある一流メーカーに勤務しており、“やり手”だった」と話す。
容疑者は酒を飲むと豹変するタイプだったのだろうか。
増える外国人トラブル、新宿署はハロウィンを大警戒
インバウンド効果により、歌舞伎町を筆頭に新宿エリアは外国人観光客が増え、お酒によるトラブルも増加しているという。
「事件の日はシフトに入っていなかったので目撃はしていませんが、このあたりは外国人絡みのトラブルは結構聞きますね。
酔っ払ってお店の個室に勝手に入ってナンパしたりとか。今回の事件もナンパが発端だったようですし……」(事件現場近くで働く30代女性)
コロナ禍以降激増した外国人観光客。近年はゴールデン街が外国人でごった返している。飲食店の従業員らにとっては、嬉しい反面、悩みの種になることもしばしばだという。
「外国人の方はお金をたくさん使ってくれるし、チップもくれます。物価の違いもあって、ヨーロッパやアメリカなどの人たちにとってゴールデン街は『安く飲める街』という認識みたいです。
酔っ払いすぎて、『お金を払いたくない』と言って帰ろうとした外国人もいました。そのまま本当に出ていったので、歌舞伎町を追いかけたこともありましたよ」(新宿ゴールデン街20代飲食店店員)
10月に入ったいま、ハロウィンイベントの足音が聞こえる。
ハロウィンイベントで有名な渋谷区は、若者や外国人による路上飲酒が常態化し、騒音やゴミの放置をめぐるトラブルが相次いだことから、今年10月1日から年間を通じて路上飲酒を禁止する条例を施行した。
「渋谷のハロウィンイベントへの警戒が高まったことから、昨年は新宿でもハロウィンの衣装に身をつつみ、路上で飲み歩く人がいました。
インバウンド効果もあり、今年のハロウィンは新宿が大変なことになるのではと警戒しています」(前出・捜査関係者)
“酒は飲んでも飲まれるな”――ましてや人を傷つけたり殺めたりすることは論外だ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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