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確定死刑囚らも食べる『プリズンカレー』『プリズンコッペ』のお味は?…東京拘置所で開催された「矯正展」に一般人が大行列

集英社オンライン / 2024年10月9日 11時0分

2024年10月5日(土)東京・葛飾区小菅の東京拘置所で「第11回 東京拘置所矯正展」が開催され、受刑者が製作した家具や靴などの「刑務所作業製品」や「プリズンカレー」や「プリズンコッペ」などの拘置所レシピで作られた商品も販売された。一般人が普段入ることのない東京拘置所。その塀の中で行われる「矯正展」とは一体どんなものなのか。今回は、現場を取材し調査官の梅田和進氏に話を聞いた。

【画像】1日で120万円売り上げた函館刑務所の布製品"マル獄"シリーズ

刑務官がイベント運営スタッフとして販売!

拘置所は、受刑者を収容し処遇する刑務所とは違い、起訴されて裁判を待つ被告人や死刑が執行されるのを待つ死刑囚が収容される施設のことを指す。

東京拘置所は全国に8カ所ある拘置所のなかで、日本最大の規模をもつ刑事収容施設で、2023年末時点で約1605人が収容されており、その中には確定死刑囚が約47人、全体の約3%を占めている。

厳重な門が閉ざされた東京拘置所では年に一度、門が開かれ一般人も足を踏み入れることが出来る。それが『矯正展』だ。

「『矯正展』は、施設運営と矯正行政に対する近隣住民の皆さまのご理解を一層深めていただくとともに、刑務作業などの矯正施設における取組みや現状を広く知っていただくことで、地域と共存する開かれた施設運営を目指して開催しています。

民間企業や自治体の出店もありますが、刑務作業製品を販売するブースでは各刑務所の刑務官がスタッフとして働いています。イベント当日の今日は、通常職務に当たる刑務官とイベントの運営職務にあたる刑務官とでわかれているんです」(以下、「」梅田氏)

函館刑務所で制作されている“マル獄”シリーズの布製品は大人気の商品。昨年は「矯正展」のイベント一日で120万円も売り上げたのだとか。今年もイベント開始直後から多くの人でにぎわっていた。

北海道・月形刑務所の刑務官によると、移動に丸一日を費やし2泊3日の体制でこの「矯正展」に臨んでいるのだそうだ。

市原刑務所のシイタケ販売ブースにも長蛇の列ができている。一度にいくつも商品を購入するリピーターらしき人もいた。

大人気!「プリズンカレー」「プリズンコッペパン」を実際に食べてみた

イベント開始直後から長蛇の列をなしていたのは「西原屋」の出店ブースだ。ここでは毎年大人気だという「プリズンカレー」(税込み600円)が販売されている。このカレーは普段、被収容者に提供しているレシピで作られているそうだ。

米7割・麦3割の比率が特徴的。ジャガイモやにんじん、玉ねぎ、豚肉がよく煮込まれた濃い目の味付けの一般的なカレーであり、麦入りごはんとバランスがとれていて美味しい。大ボリュームで満足感の高い商品だ。

「『プリズンコッペ』も当所で被収容者に給与しているパンです。矯正展開催に伴い、事業者の方に一般の方向けのジャムやあんこバター、ピーナッツバターなどの種類を特別にご用意していただきました。通常、被収容者に提供しているものはコッペパン単体で味が付いていないものです」

「不動製パン」ブース。こちらも長蛇の列ができていて、開始30分で売り切れている種類もあった。「プリズンコッペ」(税込み200円)はおよそ25㎝もある大きさ。ジャムは100円で別売りもあり、味の変化も楽しめる。

素朴な疑問も刑務官に直接聞ける!貴重な機会でもある

あいにくの雨模様にも関わらず、多くの来場者でにぎわっていた「矯正展」。

今回は性格検査体験コーナーや、子どもが刑務官の制服を試着できるもブースあり、家族連れも多い印象を受けた。

性格検査体験コーナーにはパネルの展示や東京拘置所のジオラマもあり、普段見られない拘置所に興味を持つ人も多くいて、来場者の疑問に丁寧に答える刑務官の姿が印象的だった。

最後に、刑務官から聞いた東京拘置所の豆知識をご紹介しよう。

東京拘置所の変わった形は、保安警備上や職員の執務環境等、様々な観点から検討し、このようなデザインを採用したそうだ。

屋上にあるアーチ状の部分が運動場になっている。被収容者は主にランニングや腕立て伏せやスクワットなどの器具を使わない筋トレをしているそうだ。ちなみに共同室や独房で運動することは、原則、禁止されているらしい。

独房はトイレが仕切られているが、共同室のトイレは、小さな部屋(写真奥の扉)のようになっている。独房、共同室ともに部屋にクーラーは設置されておらず、廊下に設置されているという。

テレビは地上波放送が視聴可能(受刑者)。ラジオも聞くことが出来て、新聞は一人15分の制限時間があり回覧されるそうだ。

―――この「矯正展」は来年も開催予定とのこと。興味が沸いた方はぜひ行ってみてはいかがだろうか。

取材・文・撮影/逢ヶ瀬十吾(A4studio) 

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