〈“触らない痴漢”が急増中〉女性の真後ろに立ってクンクン、息をフッ…「触らなくても処罰される可能性はゼロじゃない」「冤罪の可能性は?」
集英社オンライン / 2024年10月16日 16時14分
痴漢の新しい手口が増えているという。女性の身体に触るのではなく、近くに立って匂いを嗅いだり、息を吹きかけたり…今、“触らない痴漢”による行為が大きく問題視されている。
〈画像〉痴漢被害に遭った女性がスマホのカメラで撮影した逃走する犯人
電車内にはびこる新型の痴漢
痴漢をして強制わいせつ罪として有罪となれば「6ヶ月以上10年以下の拘禁刑」の刑事罰に科される可能性があり、会社員であれば懲戒解雇される例も珍しくない。
そんな法を犯すリスクは怖いがスケベ心を抑えられないのか、一部の男性たちが行なう電車内の女性たちへの新たな迷惑行為が今問題視されている。
それが、車内はガラガラなのにわざわざ女性の隣に座ってくる「トナラーおじさん」や、至近距離に立ってニオイを嗅いだり、首すじや耳に息を吹きかけたりする「非接触痴漢」、いわゆる“触らない痴漢”だ。
実際、どれほどの女性がこうした“被害”にあっているのか。新宿駅前の女性たちに話を聞いてみると、多くの女性が被害経験を訴えた。
「つい最近、電車内で明らかにスペースが空いてるのに40代くらいのサラリーマンにすぐ後ろに立たれて、ずっと首もとに息を吹きかけられ続けました。めちゃくちゃキモかったけど、触られてないから声をあげることもできず。
振り返って睨んだらスマホゲームに集中してるフリをするし、朝のラッシュ時だったからどんどん人が増えて逃げることもできなくなって……。『早く駅に着いてくれ』と願うことしかできず、ひたすら息を吹きかけられ続けたのがすごく辛くて泣きそうになりました」(20代女性/事務職)
「高校生のときは通学中の電車の中でしょっちゅうおじさんにニオイを嗅がれてました。空いてるのにベッタリくっついてきて本当に怖かったです。友人の中にはカバンを背中やお尻に押しつけられたり、わざわざ隣に座ってきてくっついてこられたりとか、みんないろいろされてますよ。
大学生になって被害が減ったのは、制服を着てる子を狙う変態が多いからなんだと思います。
逮捕されないギリギリのラインを攻めてくるのが許せない。電車内の防犯カメラの数を増やすとか、新しい痴漢のガイドラインをつくるとか、もっと対策してほしいです」(︎20代女性/大学生)
触らなくても処罰される可能性も
「“触らない痴漢”は最近増えているように感じます。先日も深夜の満員電車で酔っ払いに息を吹きかけられてマジで最悪でした。その人は50代くらいのハゲジジイで、酒臭くて気持ち悪くなったから別の車両に逃げました。
今まで何度もそういう経験がありますよ。される度に『ああ、またかぁ』って感じで精神的にすごく疲れます。ただ、金髪とか派手な見た目のときは痴漢されたことは一度もないので、大人しそうな人を選んでるんだと思います。痴漢するやつは一刻も早く社会的に抹消されてほしいです」(20代女性/アパレル関係)
「この前、すぐ後ろにいた男性にスマホで何度も背中を上下になぞられました。動かし方がねちっこかったから絶対わざとです。
どんどん男性の鼻息が荒くなっていったのがすごく気持ち悪かったのですが、怖くて体が固まって逃げたくても逃げられませんでした」(︎20代女性/フリーター)
このような“触らない痴漢”は法律等で規制しきれていないものの、「卑わいな言動」とみなされれば、迷惑防止条例違反で処罰となる可能性がある。
一方で、男性からは「満員電車などの状況下で息が荒いだけで判断されるのはあまりにも酷だ」「冤罪になる可能性もあるのではないか?」といった声もネット上であがっている。
また、実際に触られて警察に被害を訴えても、証拠不十分として取り合ってもらえないケースも少なくないようだ。事務職をしている30代の女性は語る。
「去年8月に渋谷の地下街を友達と歩いていたら、真夏ですごく暑いのに上下黒のスーツを着て、肩下まで白髪交じりの髪を伸ばした、見るからにあやしい50代後半くらいのおじさんにすれ違いざまに胸を揉まれました。
そのおじさんに半年後にも渋谷駅の改札の前で遭遇して。今度は手の甲で私の手の甲をスリスリされたんです。2回目だからさすがに腹が立ってスマホでおじさんの写真を撮ろうとしたんですが、走って逃げられて後ろ姿しか映らず……。
写真を警察に見せても証拠不十分で門前払い。常習犯だと思うから早く捕まってほしいですね」(30代女性/事務職)
4月26日、福岡市の地下鉄にカラーの映像がリアルタイムでセンターに送られる防犯カメラが全国で初めて設置された。今後、このような対策が全国的に広がり、被害に遭う女性がひとりでもいなくなることを心から願うばかりだ。
※本記事は2024年5月1日に配信したものに加筆・修正をしたものです
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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