1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「私たち家族に危害が加えられたほうがマシだった」祖父が語った実行犯の素顔。高2で中退、税金滞納、家族仲は良好で…

集英社オンライン / 2024年10月21日 21時6分

「闇バイト」の実行犯による首都圏の連続強盗事件で、警視庁と埼玉、千葉の両県警と共に合同捜査本部を立ち上げた神奈川県警は、10月16日に横浜市青葉区の後藤寛治さん(75)を殺害して現金20万円を奪ったとして千葉県印西市の自称個人事業主、宝田真月容疑者(22)を強盗殺人容疑で逮捕した。この現場からは、17日に千葉県市川市の住宅が襲われた事件(♯1)で監禁容疑で逮捕された藤井柊容疑者(26)=住所・職業不詳=の指紋も検出された。合同捜査本部は両事件が同一の指示系統による犯行とみて突き上げ捜査に全力をあげている。

【画像】キャロット柄Tシャツでポーズ、宝田容疑者のプライベートショット

約20人の警察ともに帰宅した宝田容疑者

「宝田容疑者は調べに対し、税金の滞納が数十万円あったために短期で稼げるバイトをSNSで探し、『ホワイト案件』という投稿に反応して応募したものの、途中で犯罪に加担する『闇バイト』だったことに気づき恐怖を感じたと供述しています。

指示役に個人情報を知られていたため自分や家族も報復される危険性があったため計画を抜けられなくなり、事件の現場では秘匿性の高い通信アプリで指示役と繋いだままで、実行犯は自分の他に2人いたと自供しています」(社会部事件担当デスク) 

宝田容疑者の実家に取材に訪れると、同居していたという祖父は重大事件を起こした孫についてこう頭を下げた。以下は全て祖父の激白だ。

「被害者の後藤さんには本当に申し訳ない思いです。真月も闇バイトだと途中で気が付いたということでしたが、いくら家族に危害を加えると脅されていたとしても、気づいた時点で私たちに言ってくれたほうがよかった。その結果、私たち家族に危害が加えられたとしてもそのほうがよっぽどマシだった。本当に申し訳ないとしか思えません」

事件の直前直後、真月容疑者に特段変わったところはなかったという。

「事件の前後、真月に怯えたりおかしな素ぶりはなく、ふだん通りに生活していました。なので、私も最後に会話を交わしたのがいつかはっきり覚えてないくらいです。週6日、朝5時30分すぎに家を出て『おはよう。行ってくる』と職場に向かう真月に、私が『いってらっしゃい』と声をかけていましたが、それ以外に何か話した記憶がありません。

真月は14日の夜10時ごろ、祖母である私の妻に『出かける』と家を出ましたが、もう大人だし夜にコンビニなどに行くことはふだんもありましたので、行き先などは尋ねておりませんでした。しかし……」

真月容疑者が帰宅したのは16日の明け方だったという。

「これまで2日間も家をあけるということは一度もなかったので、珍しいなとは思いました。16日の明け方の帰宅時は祖母と顔を合わせ、風呂に浸かってから仕事にいったと聞いています。その後も真月は毎朝同じように仕事に出かけましたが、19日の土曜日は朝7時ごろに警察の方たちと一緒に真月が家に戻ってきたんです。

車庫にいた私は、何事かと身構えたところ『神奈川県警です。内容の詳細はお知らせはできないのですが』と言っていました。県警の人たちは総勢20人近くいて、みなさん家の中に入っていきました。大ごとなのは一目瞭然で、『まさかあの横浜の事件か……』と頭をよぎりはしました。真月は淡々としているというか、取り乱している様子はありませんでした」

パソコンとゲームが趣味だった孫が殺人を…

凶悪事件の実行犯として逮捕された真月容疑者は、祖父にはどう映っていたのだろう。

「これまで誰かに暴力をふるったこともないです。もちろん警察に逮捕されたことも一度もありませんでした。高校の頃に両親が離婚したので母親はいませんが、家庭環境は父親と兄妹4人で、特に問題があったということはありません。

地元の中学校を卒業後、高校に進学はしましたが、高2で中退してしまったんです。その時は私も先生も諭したんですが、本人は『めんどくさくなった。もう無理』と言って聞きませんでした」

高校中退後は千葉県内の知人の建築関係者を頼り、実家を出てアパート暮らしをしながら働いていたという。

「でも真月は18歳くらいの頃にそこを辞めて家に戻ってきました。私はてっきり別の場所で勤めるのだと思いましたが、『個人事業主』として独立していたようです。詳しい内容は聞いてないですが、仕事を受けて働いていたのだと思います。

真月はやんちゃでもないし、おとなしい子で、趣味はパソコンとゲームですかね。タバコは吸っていたようですが、お酒はたしなむ程度です。車も中古で、ギャンブルなどもしませんでしたからお金のかかる趣味はなかったと思います。

女性? いや、直接聞いたことはないけど彼女はいなかったと思う。見た通りというか、色気のある話はまったくありませんでしたから。週末に同級生の友人が家に泊まりに来て、よく楽しそうに笑いながらゲームをしていました。

お金の使い道はパソコンとかゲームくらいだったと思います。個人事業主といいながら、真月は将来的に明確なビジョンがあったわけではないと思います。昔から、何かやりたいことなどがあるという感じではありませんでしたから」

祖父には動機が思い当たらないという。しかし、孫が容疑を問われている犯罪は強盗殺人(刑法第240条「強盗致死傷罪」)。量刑には死刑と無期懲役しかない重罪である。

「誰か家族に金を無心するようなことはないどころか、むしろ本人は『そこそこ稼げている』と口にしていたので、お金に困っている様子はまったくありませんでした。年金や市民税の納付書などが家に届いていたので、それをチラッと見ましたが私は中身は見ていないので内容まではわかりませんでした。

ただ、真月が1年ほど前、『確定申告をずっとしていない』と言っていたことがあったので、もしかしてそれで滞納税が高額になって払えなくなったのかもとは思います。

もしそうなら相談してくれれば、どうにでもなったと思うのですが……。税金を私や親に借金して払うというのは本人としては嫌だったのかもしれません。そういう生真面目さはある方だったと思うので……」

滞納税と引き換えられるような安い命は、この世には存在しない。

※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連する情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X
@shuon_news 

 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください