「人生に絶望した」「覚悟が決まった」、35歳は人生のターニングポイントなのか…婚活に妊活…それぞれの節目を迎えた女性2人の分岐点
集英社オンライン / 2024年11月6日 10時30分
〈離婚3日前、夫婦で行った最後のライブの帰り道で号泣「私さえ我慢していたら夫婦でいられたのかな」結婚4年目で下した夫婦の決断とは 〉から続く
東洋医学では、女性は「7」の倍数の年齢で、身体に変化が訪れるとされている。「35」歳の女性の場合、医学的に高齢出産に入る年齢でもあることから、結婚、妊娠、出産をリアルに考える人も少なくない。今回はそんな35歳で人生の節目を迎えた女性2人に話を聞いた。
「覚悟を決めた」結婚7年目、35歳で妊活スタート
「35歳を前に『焦っている場合ではない』と。本当に子どもが欲しいんだったら、できることを一つ一つやっていくしかないと、覚悟が決まりました」
そう語るのは、埼玉県に住む会社員のハルさん(仮名、34歳)。2歳年下の男性(32)と結婚して7年目を迎える。ハルさん自身は結婚前から「子どもが欲しい」という思いを抱きつつも、結婚後はなかなか夫婦の意見や体調面でのタイミングが合わず、ここまで来てしまった。
「30歳の時も『妊活に励もう』と思ったんですが、コロナ禍になってしまって一時中断しました。コロナが明けた2022年に再開しようと思ったんですが、大きな喧嘩をきっかけに夫婦関係がギクシャクしてしまって…、お互い大好きで一緒にいたけど、本音を言い合えずに2年が過ぎてしまいました。
35歳を目前にして、改めて彼と子どもについてどう思っているか本音で話し合って、それで35歳を迎える来春から妊活をスタートしようってなったんです」(ハルさん、以下同)
妊活を行うことを職場の上司にも伝え、現在部署などを調整中だというハルさん。子どものことについて勇気を出して夫と本音で話し合う場を設けたことで、さらに絆が深まり、夫婦関係も良好になったという。
「ずっと母体の年齢は気になっていたんですが、私たち夫婦の関係が不安定なうちは、子どもを産みたくないという思いもありました。妊娠できるか出産できるかはひとまず置いといて、両親の関係が整ってなかったら楽しく育児できないじゃんって思って。
30歳の時も妊娠に関しては焦っていて、結局5年が経ってしまいましたが、後悔はないです。あの時産んでいた方が夫との関係も壊れていた気がするから。
ただ35歳を前に、『明確に道を決めてやることをやっていこう』と覚悟が決まったので、自然と焦らなくなった。『自分の不安を潰すのは知識と行動だ』と思って頑張った結果、覚悟が決まったのが35歳だったって感じですね」
35歳の婚約破棄が〝人生の分岐点〟に
「35歳は私も含め女性のターニングポイントだなって思います」
そう語るのは福岡県在住の主婦、あゆみさん(37)。今春、第一子となる長男を出産するなど順風満帆な日々をおくるが、35歳当時は〝婚約破棄〟というショッキングな経験を味わった。
鹿児島県出身のあゆみさんは、高校を卒業後、東京の専門学校に進学。そのまま都内のアパレル会社に就職し、20代は仕事に邁進する忙しい毎日だった。
33歳の時、母が病気になり、「九州に帰ってきて」と頼まれた。
「仕事も楽しかったし、東京は遊ぶところも多いし、友達とも離れたくなかった。田舎に帰ったら同級生はみんな結婚して子育てに追われているだろうし、帰っても楽しくないだろうなって思って、最後まで渋ってましたね」(あゆみさん、以下同)
悩んだ末、会社の上司に相談し、福岡の店舗への異動が決まった。
33歳で地元に帰ると、案の定、同級生のほとんどが結婚し、育児に奮闘していた。そんな姿に影響されたのもあってか、帰省後はマッチングアプリでの婚活を始めたあゆみさん。
結婚への想いを募らせていた35歳の時に出会ったのが、建築関係の会社に勤める同い年の男性Aさんだった。
あゆみさんはAさんの優しそうで穏やかな人柄に惹かれ、交際を開始。結婚を前提に双方の両親にも挨拶を済ませるなど幸せに満ち溢れる日々だったが、別れは突然訪れたのだった。
彼の二股発覚、婚約破棄に「人生終わった…」
「彼の二股が発覚してお別れすることになりました」
35歳でマッチングアプリで出会ったAさんと結婚を見据えてお付き合いをしていたが、突然の裏切りが発覚したというのだ。
「彼の家に遊びに行った時に、洗面台にヘアゴムを見つけたんです。『なんでこんなものがあるの?』と何の気なしに彼に尋ねたところ、彼が顔を真っ赤にしてものすごくうろたえ始めたので、問い詰めたところ浮気を白状しました。正直、一ミリも疑っていなかったので、すごくショックでしたよ」
その後、彼と浮気相手との“三者面談”を経て正式にお別れしたあゆみさん。すでにその時には36歳直前だった。
「『もう人生終わった』って絶望してましたよね。結婚っていう夢に近づいていたので、それが目の前で砕け散って、『またイチからか…』って。住んでいたのがマンションの10階だったんですけど、冗談抜きに『ここから飛び降りて楽になりたい』って気持ちが脳を支配するようになって、しばらくは心療内科に通っていました」
婚約破棄後、鬱々とした日々を送っていたあゆみさん。失恋による生々しい傷が残りつつも、まもなくして結婚相談所に入会することにした。
「20代の時は『もう恋愛はいい』とか『恋愛はお休みします』みたいな期間を設けられるけど、36歳になるとその期間すら持つ余裕がなくて、少しでも早いほうがいいって思って入会しました。辛かったけど、落ち込んでいる暇はないと思って」
結局、相談所で出会った40代の男性と36歳の時に結婚。37歳になった今年、第一子となる長男を授かり、幸せに満ちた日々をおくっているあゆみさん。改めてそんな激動を乗り越え、「35」歳という年齢に関して感じていることを聞いてみた。
「女性のターニングポイントですよね。『結婚したい』『子どもが欲しい』って思ってそちらに舵を切るか、仕事も責任を負うポジションになってきて、キャリアに舵を切るか。両立できればいいけど、私はそれができない人間だと自覚していたので、〝結婚〟に思い切って舵を切りましたね。
20代の時より人生背負っているなって感じるし、20代の時の恋愛や仕事とは比べ物にならないぐらい、悩みの内容が重いし深い。今はもう40歳に向けて突き進んでますが、35歳当時の自分が目の前にいたら『大丈夫だよ』っていって抱きしめてあげたいですよね(笑)」
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部特集班
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