「誰?」朝ドラ『ばけばけ』主演の高石あかりとは?映画 ・テレビ業界人から絶賛される撮影裏での“態度”
集英社オンライン / 2024年11月6日 10時30分
来年、放送されるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインに俳優の髙石あかりが選ばれたが、SNSでは「誰?」という投稿が相次いでいる。しかし、彼女はぽっと出の俳優ではなく、業界人たちから相当買われている存在だという。いったい、彼女は何者なのだろうか?
【写真】アクション演技も器用にこなす『ベビわる』での髙石あかり
朝ドラ新ヒロイン・髙石あかりは何者?
10月29日、2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインを俳優・髙石あかり(21)が務めることがNHKの記者会見で発表された。
現在放送中の『おむすび』の橋本環奈、前作の『虎に翼』の伊藤沙莉、そして来年度前期の『あんぱん』の今田美桜など、近年のNHK連続テレビ小説(以下、朝ドラ)には知名度のある俳優が起用される中、本作の高石は2892人の応募があったオーディションから大抜擢された。
とはいえ、朝ドラの視聴者層からすると「誰?」という反応が上がるのは仕方がないだろう。しかし、一部界隈ではしっかりとファンをつかんでいる。
18歳のときにスタントパフォーマーの伊澤彩織とダブル主演で、女子高生殺し屋コンビを演じたバイオレンス・アクション映画『ベイビーわるきゅーれ』(2021年)が大きな反響を呼び、すぐさま続編となる『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023年)が制作された。
さらに、今年9月に3作目となる『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』が公開されただけでなく、同月には『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレビ東京系)としてドラマ化もされている。まさに「カルト的な人気」を誇るシリーズのため、映画好きの間で彼女の知名度は高いのだ。
二番手、三番手として主役を「立てる」演技力
そうなると「サブカル女優」感も否めないが、彼女が所属しているのはエイベックス・マネジメント・エージェンシーだ。
12歳から大手芸能事務所に所属しているため、前出の『ベイビーわるきゅーれ(以下、ベビわる)』シリーズだけでなく、出演作は枚挙にいとまがない。
例えばドラマ『墜落JKと廃人教師』(TBS系)でHiHi Jetsの橋本涼のヒロイン役を、映画『わたしの幸せな結婚』(2023年)では今田美桜をいじめる異母妹役を熱演している。
インディーズからメジャー作品まで幅広く出演する彼女だが、映像会社に勤めるA氏によると「髙石さんは毎回のようにキャスティング会議で名前が挙がる」ほど「業界人ウケ」がいいという。なぜなのか?
「第一に演技が上手いですね。映画会社やテレビ局が力を入れる作品の主演には、事務所は売り出したいけども、まだ演技慣れしていない俳優たちがキャスティングされることも多いです。
彼らを主演たらしめるには、実は二番手、三番手の“受け”の役者の演技力がもっとも重要となります。
そして、髙石さんは主役を立てる能力に長けているんです。また、表情が豊かで、特に『ベイビーわるきゅーれ』でたびたび披露してきた変顔は一級品(笑)。
マンガやアニメの実写化作品では、コミカルな演技をスベらずに成立させることが、作品の出来や原作ファンの評判を大きく左右するため、これは非常に重要な要素です。
コメディもヒロインも演じられるというのは、福田雄一監督作品常連の橋本環奈さんとも共通しています。演技の振り幅が大きいということですね」
また、演出家のB氏は高石の「読解力」を絶賛する。
「ト書き(台本の台詞以外の文章)が少なくても、脚本家の意図を正確に理解してくれるんです。キャラクターの把握能力が高く、“こちらが想定していたのと全然違う役作りをしてきた!”なんてことはありません。それは努力の賜物だと思います。
例えば『ベビわる』第1作目での彼女はガンアクション中心でしたが、今年の映画やドラマでは組み手もできるようになっています。作品を見てもらえれば一目瞭然ですが、“こんなに成長するとは…!”と驚くでしょう」
「いつか来るとは思っていたけど、想像以上に早かった」
演技力には定評のある髙石。エイベックスに所属していることで、「ゴリ押しでは?」というひねくれた見方もできてしまう……。しかし、実際はそんなこともなく、事務所は彼女をきちんとサポートしている。
「マネージャーが礼儀を重視しているそうで、特に挨拶を大事にしているようです。本人の元からの人柄もあると思いますが、俳優である前に人として謙虚であることをちゃんと伝えている。
そのうえで、彼女も役の大小にかかわらず腐ることもないため、“がんばります!”という姿勢に、業界人から好感度が高いのも納得です」(前出・B氏)
なによりも『髙石あかりファースト写真集 幻灯』(東京ニュース通信社)を発売するほど、ビジュアルもいい。ただ、前出のA氏によると「美人すぎる」ことは、時として不利になることもあるという。
「クールビューティー系の女優は“いつもは地味なのにメガネを外したら超美人”などの設定を作らなければ、その美貌が勝ってしまい、話が入ってきません。
しかし、髙石さんの場合はそういったギミックもいらないのです。“なんで美女がこんなことをしているの?”と感じさせることなく、隠のオーラをまとったり、オタクっぽいしゃべり方も、すべて演技でこなすからです」
それを21歳という若さで表現できているのが、評価される所以だろう。
「誰でも歳を重ねるごとに演技は上手くなりますが、10〜20代前半のうちに作り手たちが納得する演技力を持ち合わせている役者は正直、多くいません。そのため、20代中盤の女優に女子高生の役をお願いすることは多いです。
しかし、髙石さんはすでに高い表現力を持ち合わせているため、これまでさまざまな作品に呼ばれてきたのでしょう。そのため、今回彼女が朝ドラのヒロインに選ばれたことについても、関係者たちはみんな“いつか来るとは思っていたけど、想像以上に早かったね”と納得しきりです」(同前)
髙石が主演を務める『ばけばけ』は『怪談』で知られる日本研究家の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻、小泉セツをモデルとしたオリジナルストーリーとなる。果たして、彼女は持ち前の演技力でどう化けるのだろうか。
取材・文/千駄木雄大
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