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〈横浜強盗殺人〉金の回収役は「闇バイト夫婦」だった…妻は2児の地味な母、夫はオレオレ詐欺に関与して10月に逮捕「お金に困っている家庭にみえた」

集英社オンライン / 2024年11月6日 11時50分

〈アイドル時代の指ハート写真も掲載〉闇バイト・実行犯の逃走キンパツ男(21)は「常に金欠、キャストに金を借り、もらいタバコしていた」〉から続く

闇バイトを実行犯にした連続強盗事件で、東京都足立区に住む30代の夫婦が同じ指示系統による複数の事件に関与していた疑いが浮上した。夫婦は異なる事件で逮捕されているが、妻は「夫から何度もお願いされて引き受けた」と供述しており、生活に困窮した夫婦が闇バイトに手を染めていた構図が見えてきた。

〈画像〉カネの回収役…メガネをかけ“地味な主婦”の印象だった木本未穂容疑者、共犯でフツーの青年にみえる宝田容疑者

80代の女性に息子をかたり「彼女を妊娠させてしまった」

妻である木本未穂容疑者(30)は、横浜市青葉区の民家で10月16日に発生した強盗殺人事件で「回収役」を務めたとして11月2日、神奈川県警に逮捕された。

事件はこの家に住む後藤寛治さん(75)が暴行を加えられて死亡し、現金20万円が奪われたもので、実行役の一人として宝田真月容疑者(22)が逮捕されている。

未穂容疑者は実行犯から現金の一部を都内の公園で回収したとされる。

夫の木本康寛容疑者(31)=無職=は、この事件の3日後の10月19日、一見全く異なるオレオレ詐欺に関与したとして北海道警組織犯罪対策企画課と札幌手稲署に詐欺容疑で逮捕された。

康寛容疑者は特殊詐欺グループのメンバーと共謀し、7月初旬に小樽市の80代の女性宅に息子を騙って「彼女を妊娠させてしまった。示談金が必要だ」などと虚偽の内容の電話をかけ、札幌市内で現金190万円を騙し取った疑いがもたれている。

「夫の木本康寛容疑者はこの特殊詐欺に『受け子』役で関わったとして逮捕されましたが、実は首都圏の一連の闇バイト強盗事件にも関与している疑いがある。

東京都国分寺市で9月30日に起こった強盗致傷事件では、現金約550万円を奪って逃走した実行犯から千葉県内で現金を受け取ったとして『回収役』の1人が逮捕されています。

そしてこの人物が同日中に東京都足立区に移動、公園で康寛容疑者とみられる男に紙袋を渡している様子が防犯カメラに映っていたのです。一方妻の美穂容疑者は夫の仲介で回収役を引き受け、指示役と繋がったという趣旨の供述をしており、捜査当局が突き上げ捜査を進めています」(社会部事件担当デスク)

最後に見かけたのは1カ月前

“闇バイト夫婦”は足立区でどんな暮らしをしていたのだろう。近くに住む女性に美穂容疑者の写真を見せると、こんな答えが返ってきた。

「たぶんこの写真の人だね。メガネかけてることもあったんだけど、そうそうこんな感じの人。数年前から毎日旦那と子供2人連れて朝9時ごろ歩いてるのを見かけましたよ。行き先はわからないけどおそらく保育園なんじゃないかな。子供がそのくらいの年齢の子に見えたし、何度か旦那と一緒に戻ってくるのも見かけたことあるから。

奥さんに関してはオシャレしてる感じじゃないけど、ごく普通って感じの服装で、旦那は短髪でTシャツに短パンみたいなだらしない雰囲気の服装でした」

朝だけでなく、夕方も夫婦そろって子供連れで歩いていたという。

「仕事をしているとしても家でやる仕事なのかなと思っていました。逮捕のことはニュースで知りましたが、そういえば奥さんはここしばらく姿を見なくなっていました。子供連れで歩くのも旦那さんだけになっていたのですが、それも見かけなくなりましたね。

最後に見たのは1ヶ月くらい前、旦那さん1人で自動販売機でジュースを買ってるところでしたね。最近は近所の人同士で、『強盗もこんなお金なさそうな家は狙わないでしょなんて言ってられないね……。1万円でも盗られるんだから』と言い合っていました。それがこんな近くに住んでいたなんて……。怖いですよね」

近隣の男性住民も子供連れで歩いたり、車に乗せて出かけたりする夫婦の姿を見ていた。

「正直挨拶もしないからよくわからないんだよね。もちろん夫婦で子供たちを保育園に連れて行ったりするところは見かけたけど、それくらいのもんでさ。でも家をみると決して裕福ではない生活にみえたよね。ただし車は持っていたみたいでたまに家の前に車が停まって子供を乗せて出かけたりもしてたよ」

「仕事でつかう」と駐車場を借りた夫

木本容疑者が借りていた駐車場の大家はこう証言した。

「一年前くらいに夫婦で駐車場を借りたいと尋ねてきましたね。いや、もう夫婦ともに普通って感じの人でしたよ。奥さんはぽっちゃりして髪をひとつに結った地味な物静かな人でした。

奥さんは一言もしゃべらないで旦那さんがしゃべっていましたね。旦那さんは関西弁で、明るくしゃべる感じでしたね。子供がいるとは聞きましたけど、あまり個人的な話はしていませんでした。

最初に契約した時は白っぽい車に乗っていて、月に15000円の駐車場代だったんだけど、今年の4月に本人の希望で解約したんですよ。でも10月になって再契約したいと旦那さんがまた来ました。その時は『仕事の関係でまた駐車場が必要になった』とのことで、今度の駐車場代は16000円でした」

車が必要な仕事とは、強盗が奪った現金の「回収」だったのだろうか。

「これまでは駐車場代の支払いが遅れたことなどなかったのですが、振り込まれていないので『おかしいな』と思っている矢先に警察が『契約書を見せてほしい』と訪ねてきたのでびっくりしました。まさかあの奥さんが強盗事件に関わってるなんて思いませんよ。

旦那にしたって格好はラフだけど、犯罪なんてしそうには見えませんでした。駐車場には夫婦が乗っていた車が置きっぱなしになっていますが、埼玉県のナンバーの付いたレンタカーでした。あの夫婦が住んでいたアパートはお金を節約したい方が住む場合が多いので、レンタカー借りるなんて余裕があるななんて思ってましたよ」

回収金は首謀者に「回収」され、自分たちの手元に残るのはわずかばかりだったに違いない。

幼子2人を抱える夫婦がすがった闇バイトで罪もない人たちが傷つき、命を落とし、社会には恐怖感が蔓延している。この構造を生み出したのは現代社会の必然なのか、それとも政治の怠慢か。いずれにしても放置し続けることは、許されない。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

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