「副業OK、既婚者OK、ママでもOK」 “アイドル×ママ×看護師”の三刀流で話題 河合風花「ママになっても輝ける」35歳の働き方
集英社オンライン / 2024年11月16日 13時0分
〈22歳で本塁打王も…オリックスの暗黒時代を支え続けたT-岡田が「苦しくて、しんどかった野球」の呪縛から解放された瞬間〉から続く
今年7月、Xに投稿された「アイドル×看護師×ママの三刀流」の自己紹介が話題になった河合風花。2017年にアイドルグループ「READY TO KISS」を卒業し、2023年3月に「Veuns Parfait(ヴィーナス・パルフェ)」のメンバーとして復帰。ママで看護師という多忙な生活がありながら“35歳のアイドル”という険しい道を選んだ経緯や、彼女の心情などを聞いた。
アイドルを引退して看護師を選んだ理由
――「平成元年生まれ 35歳のヤバすぎるアイドル見つけました。アイドル×看護師×ママの三刀流なんだって!!」今年7月、Xに投稿した自己紹介が話題になりました。
河合風花(以下、同) アイドルだけどママであることを投稿するのは勇気が必要だったんですが、批判的な意見はほとんどなくて。
「35歳の同い年でアイドルやっているコがいるんだ!」「うちの嫁と同い年なのにすごい!」など、応援してくださる方々が想像以上に多くてびっくりしました。
――アイドルグループ「Veuns Parfait」のメンバーで看護師としても働き、2歳のお子さんがいるママである河合さん。看護師のお仕事だけでも大変じゃないですか?
アイドルを始めた頃は小児科病棟だったので両立が難しく……、美容系のクリニック勤務に変えました。
平日の昼間にアイドルのレッスンがあるので週3〜4のシフト制、時短で働かせてもらっています。ライブは土日のどこかに入れますし、いざとなったら有給も使えるので今のところは問題なくやれています。
――17歳から芸能活動を始め、2014年からアイドルグループ「READY TO KISS」のメンバーとして活動。2017年に卒業と同時に、芸能界を引退しました。当時はどんな思いでの決断だったんですか?
芸能活動を10年区切りで考えていて、27歳になる年でちょうど10年だったんです。当時は30代のアイドルがほぼいない時代だったので、業界的にも「いつまでいるの?」みたいな空気感があって。
それでも続けていく勇気がなかったし、安定した職業に就きたくて看護師になりたいと思ったんです。
――アイドルは恋愛禁止みたいなところがありますが、そろそろ恋愛や結婚がしたいなという思いもありましたか?
その頃は決まった人がいたわけではなかったんですけど、いつか結婚して子供が欲しいとは思っていて。
そのために、自分ひとりでも家族を養っていける力をつけたくて、将来的に続けていける看護師がいいかなと選びました。
高校を中退しているので高卒認定を取ってから看護学校に通って、必死に勉強して3年間ずっと特待生をキープしたまま卒業までできました。
――国家試験に合格し、2020年4月から看護師に。その後、結婚や出産もあり、安定した生活を手に入れた中、どうしてまたアイドルになろうと思ったんですか?
友人の生誕祭にゲスト出演したときにそこに来てくれたファンの方から「もう1回ステージに立っているところがみたいな」って言われたんですよ。
そこから、やっぱり私はアイドルが向いているのかもと思って、元メンバーを集めてレディキス(READY TO KISS)のOG公演を開催したんです。
ひさびさにステージに立つ衝撃はすごかったですね。昔に戻ったような感覚というか、アイドルってこんなに楽しいんだ!って、改めて気づきました。
ママばかりのアイドルグループを自ら結成
――READY TO KISS のOG公演をきっかけに、2023年3月にアイドルグループ「Veuns Parfait」を結成。河合さんが発起人だそうですね。
OG公演がすごく楽しくて、すぐ事務所の方に「30代の大人ユニット作りませんか?」と相談したら「いいよ。需要あると思うよ」って即答してくださって。
グループを立ち上げるときに、「副業OK、結婚していてもOK、ママでもOK」いうコンセプトでやりたいとお願いして、ママでアイドル経験のある初期メンバーを選びました。
――メンバー全員がママなんですか!?
今はメンバー6人中、4人がママですね。全員が30代で、最年長は39歳。シングルマザーや産休中、出産したばかりなど、いい感じに個性的なママが集まっています(笑)。
――30代の年齢もそうですけど、もう一度アイドルに挑戦するうえで看護師やママであることに不安はなかったんですか?
第一に子供や家庭のことを考えるようにして、日常生活に支障が出るようなアイドル活動はしないって方向性は最初から決めていました。
またすごく悩んだんですが、やはり看護師の仕事は続けていこうと思ったんです。
最近のアイドルって平日も土日も昼も夜もライブしているのが当たり前ですけど、子供がいると難しいので、看護師を続けながらできる範囲で活動を続けようと、それでライブは月に2回だけ土日の昼間に入れてもらうようにして。
――年齢やママであることを隠すこともできるのに、公表してもいけるぞと踏み切ったのはどうしてですか?
私の中にある根拠のない自信ですかね。失敗することもあるんですけど、目標を立てて「いける!」と思いながら進んでいるとうまくいくんですよ。
ファンの方に嘘をつきたくないという思いが強いですし、大事な家族の存在をないことにするのもイヤでした。
――アイドルファンはガチ恋の方が多いので、パートナーやお子さんがいると離れていく方もいそうですが……。
「子供がいるアイドルは応援できない」「結婚しているなんて知らなかったよ」と去っていく方はたくさんいましたが、反対にファンだったコが今はママになって応援してくれるとか、SNSで知ってライブに来てくれる方とかファン層が変わりましたね。
若い方は少ないので、「この現場は落ち着く」って言ってくださる方が多いですね。
――アイドル復帰されるとき、親御さんやご主人などご家族はどんな反応でしたか?
主人からは「やりたいことはやってほしい。でも、家族を優先してね」と言われました。アイドル活動にはあまり興味がなさそうで、月に2回ライブするのが趣味だと思われています(笑)。
うちの親も「またなんかやってるー。今度は何?」みたいな感じで、なんとも思っていないですね。
――ご主人のご家族はどうでしたか? お嫁さんが働くことをどう思っているのでしょうか。
言ってなかったんですけど、バレてしまって……。何も言われないですけど、SNSとかでこっそり活動を見てくれているそうなので反対はしていないと思います。
ママ友にも言ってないですね。保育園の送り迎えはジャージに素っぴんというグシャグシャの状態で行っているので、アイドルの私とは全然違うので気づかないと思います(笑)。
35歳までに子供を産まなきゃ
――アイドル、2歳児のママ、看護師、どれも大変だと思うので、3つを同時にこなしているのが信じられないですね。
看護師とママのダブルワークは問題ないんですけど、そこにアイドルが入ると時間が足りないです。月に2回しかライブをしないので、集客がすごく難しくて。ライブをやらない分、日常生活の中でSNSをどんどん発信しないといけないんですよ。
ご飯を作りながらXを更新して、家事をやりながら動画を編集して、夜は子供の寝かしつけが終わってから配信しています。「ママ絵本読んでー」とか「ママも隣で寝て」とお願いされると、更新できないこともあるんですけど。
――疲れた、サボりたいって思うことはないですか?
疲れたと思うことはありますけど、子供の顔を見るだけで疲れなんて全部吹き飛ぶんですよ。
それに、看護師だけをやっていたらストレスを感じていたかもしれないけど、ステージで体を動かして大きい声出すのってすごくストレス発散になるんです。
ファンの方と話すのも楽しいし、かわいいって言ってもらえるし(笑)。
――35歳は人生の折り返し地点と言われることもありますが、ご自身ではどういう年齢だと思いますか?
先のことを真剣に考える歳ですよね。特に女性の場合、一般的に35歳以上が高齢出産と言われているので、35歳を区切りにこれからのことを考える方は多いと思います。私も35歳までに一人目を産まなきゃと思っていました。
でも、ママになると子育てに追われてしまって、諦めてしまうことも多いと思うんです。だからこそ、アイドル活動を通じて、ママでもやりたいことをやって楽しく生きられる、ママになっても輝けるよっていうことを証明したいなって気持ちです。
――今後、アイドルとして目指していることは?
アイドルをやっているコたちがいつかママになったら「Veuns Parfaitに入りたい」と思ってもらえるような、アイドルのセカンドキャリアを担うグループを目指したいです。
「目指せ!武道館」みたいに上を目指すわけではなく、ママになってもアイドルを続けられる場所にしたいです。
――アイドルとしてではなく、個人的に30代のうちにやっておきたいことはありますか?
30代のうちに……、あと2人子供を産みたいです! うちのグループは産休OKですし、初期メンバーには3姉妹のママもいたんですよ。
30代でアイドルになったことをまったく後悔していないので、家族を第一にこれからもできる範囲で頑張っていきたいです!
取材・文/釣本知子 撮影/恵原祐二
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