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〈名古屋・3億円結婚詐欺〉「結婚するから避妊しないでいいでしょ?」15人の女を手玉にとった刺青男のゲスすぎる色恋ノウハウ「キレイじゃなければパーツを褒める」

集英社オンライン / 2024年11月13日 19時34分

〈名古屋3億円結婚詐欺〉大事故でリハビリ中の女性も2700万円の被害に「両手いっぱいの赤いバラで告白されて…」被害女性をも詐欺に加担させる驚きの手口〉から続く

相手の恋愛感情をあおって結婚を約束し、15人以上の女性から被害総額約3億円もの金を詐取したとして10月22日に再逮捕されていた江尻舟一容疑者(51)と武田佑氣容疑者(33)が、11月12日に詐欺容疑で3度目の逮捕となった。しかし、江尻容疑者はただ金を騙し取るだけではなかった。女性の身も心も傷つけた鬼畜なその手口に迫る。

【画像】「キレイじゃなかったらパーツをほめる」詐欺を成功させるためのテクニックを綴った色恋マニュアル

「大人の関係になったときは毎回、避妊はしませんでした」

「江尻は行為のときは毎回、『結婚するんだから避妊しないでいいでしょ』と言っていました。思い返すだけで身震いします」

今回の詐欺被害にあった、40代のシングルマザーFさんは涙ぐみながらこう訴える。

2022年秋にFさんが「気の合うパートナーができたらいいな」と軽い気持ちでマッチングアプリを始め、やがて知り合ったのが江尻容疑者だった。そして、Fさんは最初から“本気モード”の江尻容疑者を心から信用した。

 「シングルマザーの身だと、『相手が重く感じるのでは』とどうしても気が引けて恋愛に積極的になれないんです。でも江尻は最初から私の家族も含め、大事にしたいと言ってきました。会うたびに子どもへのプレゼントも用意してくれました。大人の関係になったときは毎回、避妊はしませんでした」(Cさん、以下同)

Cさんはためらいながらも「一応、避妊してほしいんだけど……」と言うと、江尻容疑者は堂々とこう言い放った。

「え、なんで? 結婚するんだから、いつできたっていいでしょう?」

再び子どもを産み育てることを現実的には考えなかったものの、江尻容疑者のこの言葉は素直にうれしかったという。

「私と結婚したい思いは真剣なんだと思いました。しかも江尻は『自分は未婚で子どもがいないから女の子がほしいな』とも言ってました。行為前の愛情表現が豊かで、愛情深いと感じることはありました。でも行為自体は淡白で自己中、やたらと自分に自信を持っているようなことを言うので、そこはなんだか違和感はありましたが……」

「実際はバツ2で実子も3人いて、孫まで1人」

その後、江尻容疑者と秘書役の武田容疑者の「財布をなくし、口座も凍結されたため、事業に必要な1000万円を数週間だけ貸してほしい」という言葉をまんまと信じてしまった。

金を貸した途端、江尻容疑者とは連絡が取りづらくなって会う機会も減り、2024年になってからは電話もLINEも音信不通になってしまった。そんな中、8月に突然「今後の返済方法と付き合いについて話したい」と連絡が入り、江尻容疑者と再会することになったという。

「そこで江尻は、『実は結婚詐欺を繰り返していた』と白状しました。私は江尻に『もし子どもができていたらどうしたのか』と問うと『堕ろさせてた』と言いました。そして半笑いで『とか言って年齢的にできないでしょ』と言われ……なんて酷いことを言うんだと。

人の気持ちを弄び、申し訳ないと思わないのかと聞いたら『大人なんだから了承済みでしょ』って。私を騙していた当時は未婚で子どもがいないなんて言ってましたけど、実際はバツ2で実子も3人いて、孫まで1人いることもわかりました」

また、前回(#1)の記事で取材に応じたBさんいわく、「江尻は数名の未婚女性とも結婚の約束をし、避妊もせずに行為をしていたようです」と言う。

「私は江尻から結婚詐欺の話を打ち明けられ、被害者の方に弁護士を紹介した身なので、何人もの被害女性と会いました。いろんな女性に対し避妊具なしで行為をしていたようで、なかには性感染症に感染してしまった女性もいたようです。

また、本当に妊娠願望もあった女性もいたので、騙されたとわかった今、毎日誰にもぶつけられない思いで鬱屈としているようです」(Bさん)

詐欺を成功させるためのマニュアル“ミッションノート”の驚くべき内容

女性の恋愛感情や結婚、妊娠への思いを利用し、金を詐取した江尻容疑者と武田容疑者。江尻容疑者が作成したと思われる、多くの女性を“その気”にさせる恋愛マニュアル「ミッションノート」が武田容疑者の自宅からごっそりと出てきた。

そこには、写真をもらったときのLINEで返す文言や、自分の設定に至るまで事細かに書かれていた。

―ミッションノートの一部(原文ママ)―

☆写真をもらった時に言う事
キレイだったら、ドストライクでタイプです
キレイじゃなかったら、パーツをほめる 目とか

経営者の場合でもほめる 例えきったねー人でも
自分より上(※編集部注…おそらく年齢のこと)

色気が出てて素敵ですね

スタイル
デブの場合、やせてるより、太ってる方が好き
逆をほめる(コンプレックス等)

中身
興味が無くても感心を持つ
知らない事は知らなくてもいいけど、興味を持ちたくさん聞く
相手のプロフィールを何回も確認、何を求めているのか

相手の話を興味を持ち聞いてあげる、ヤリモク ×

韓国に2年、職人的な仕事が多くて
出会いがない
数ヶ月前に別かれた

このほかにも、女性から金を詐取するうえで「東京の本社の作業現場で死亡事故があって多額の金額が動く中でどうしても足りない分が生じた」といった、被害女性から金を引き出すための架空のストーリーともいえる内容が記されたページもあった。

記者が被害女性らに「なぜ当時、江尻容疑者や武田容疑者のこれらの言葉に騙されてしまったと思うか」と問うと、彼女たちはこう答えている。

「とにかく言葉巧みなので、自分は愛されているんだと思い込まされてしまって……」
「今思えば一方的だなと思いますが、当時は本当に信じ込んでしまったんです」
「そんな言葉に騙された自分もバカだと思いますが、このぶつけようのない怒りをどうしたらいいのか……」

女性たちが騙し取られた金はおそらく戻らないだろう。女性の身も心も踏みにじった今回の詐欺事件。被害女性らは江尻容疑者と武田容疑者に「できる限り重い罰を」と望んでいる。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班

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