35歳で神田正輝と離婚…あの頃とっとと結婚出産離婚した松田聖子にとって、年齢は時代との「合言葉」なのである
集英社オンライン / 2024年11月16日 19時0分
〈赤坂アカ36歳の仕事術「漫画家引退宣言してよかった」【推しの子】が完結した今、40歳までに達成したい目標とは〉から続く
松田聖子・62歳。今年は年末の紅白に復帰するだろうか…そんな思いから彼女の過去を振り返ってみれば、最初の離婚が1997年35歳だったことに気づいた。この時代、聖子にとって、この選択はどういう意味をもっていたのだろうか。
ザ・芸能界な華やぎの象徴「聖子・明菜・キョンキョン」
今年も残すところあと1ヶ月あまり。この時期になると芸能エンタメ業界はにわかに慌ただしく華やかになる。
とくに歌い手界隈においては、ディナーショー、クリスマスコンサート、歌特番に紅白歌合戦、年越しライブ……とファンにとってはありがたく、興行的には稼ぎどころ必至のシーズン到来だ。
今年はそうした年末年始の華やぎを象徴するような芸能人たちの活動が目立った年だった。
YouTube配信やバースデーイベントで復活した歌姫・中森明菜に、連ドラに映画にフェスと多方面で精力的な活動が注目された究極アイドル・小泉今日子、そして来年の45周年を控えてのツアーとディナーショーが変わらず盛況であるスター・松田聖子。
80〜90年代の芸能界を代表する女性3人の、いくつになっても褪せることのない輝きを再認識した1年だったともいえる。
今年は久々に聖子の武道館コンサートを訪れ、いい意味での年齢不詳のアイドルっぷりをめいっぱい楽しんだ。
なつかしさもあって、帰りの電車でなんとなく聖子のwikiを眺めていたら、最初の離婚が35歳であることに気づき、少々驚いた。
「へえ、意外に年いってたのだなあ」と。
35歳で神田正輝と離婚した松田聖子
松田聖子は3回結婚している。
最初の相手はいわずとしれた俳優の神田正輝で、当時ふたりの名前から「聖輝の結婚」とマスコミも世間ももてはやし、結婚式はテレビ中継され、報道陣はハネムーン先のハワイまで押しかけた。
ハワイのヨットでの囲み取材中に、神田の持つ缶ビールを奪ってひと口飲む聖子の姿に、名ナンバー『マイアミ午前5時』の歌詞が脳裏に流れた人も多かろう。
これが1985年、聖子23歳のこと。
その年の紅白歌合戦出場を最後に妊娠・出産のための休業に入り、翌年10月に沙也加さんを出産。同年6月には妊娠中にレコーディングしたアルバム『SUPREME』をリリースしており、この年の日本レコード大賞アルバム大賞を受賞したうえで同番組でメドレー歌唱、さらに大晦日の紅白にも出場し、『瑠璃色の地球』を披露した。
これらがわずか2年足らずの間に起きたこと。なんなら神田との結婚の前には、誰もが結婚秒読みと思っていたヒロミ・ゴーとの破局までついている。
電光石火、とっとと結婚して、とっとと産休育休に入り、とっとと復帰したのである。
だから驚いたのだ。
離婚が結婚12年後の1997年1月、35歳のときであったことに。
だって離婚までもが、とっとといってしまったような印象だったから。
結婚と妻をとっとと手放したその先で
この最初の離婚までに、聖子自身には公私ともにいろいろなことが起きた。
「公」のほうでは、所属事務所サンミュージックからの独立、海外アメリカ進出、セルフプロデュース…「私」の部分ではいくつかの恋愛スキャンダルに見舞われ、神田正輝との関係も仮面夫婦と言われはじめる。
そしてついに、神田との離婚が発表されたときに思った。
「ああ、聖子ちゃんはもう結婚はいいんだな」と。
二枚目映画スターとの「聖輝」の結婚、かわいい子どもにも恵まれた。
かねてインタビューなどでしばしば聖子が言葉にしていた「歌が大好きだから!」のとおり、まだまだ仕事はしたい、なんなら恋だって自由に…そんな松田聖子に「夫」などというものはもう必要ないんだろうな……そんなふうに感じられたのだ。
1997年ごろの日本といえば、バブルはとうに弾け、前年1996年には社会党の村山富市内閣が突然の退陣を表明、インターネットがどんどん広がり、ポケモンにたまごっち、渋谷にはアムラーがあふれて…そんな時代だ。
くしくもイギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃もこの年に離婚している。
もはや女性にとって結婚はステイタスでも足枷でもなく、こだわらなくてもいいもの……聖子はまさにそういう風潮を体現してくれたかのようだった。
さすが、松田聖子。
仕事も恋も結婚も育児もぎっちりしっかりつかまえていく彼女はかつて「握力の強い女」と呼ばれた。
そんな聖子が「結婚」と「妻」を手放した35歳。
時代と寝たのが山口百恵なら
……翌1998年5月、聖子はとっとと2度目の結婚をした。
お相手は6歳年下の歯科医師、「ビビビっ」ときたから結婚したそうで、「ビビビ婚」なる流行語まで生み出した。
観客との掛け合いの妙が聖子のコンサートの名物だが、このころは観客席にいる自分のダンナに「センセエ〜〜〜〜」と手を振るのがお約束。もちろん聖子ファンも大いに盛り上がる。
甘く見てました、松田聖子を。
本能のままに生きるのが聖子。
それがいつのまにか時代とマッチングしてしまうのが聖子。
山口百恵が「時代と寝た女」なら、松田聖子は「時代を踏み台にする女」。
この歯科医師の夫とは2000年12月に離婚、2012年にはやはり歯科医師の男性と結婚し、現在も婚姻関係は続いている。
我々はこのあと、聖子が離婚しようと再婚しようと、腰を抜かさない覚悟はもはやできている。
その後もずーっと歌手としてさまざまなチャレンジをし続けてきた「歌が大好き」な聖子だが、今年62歳において中央大学法学部卒業という、これまたとんでもないことを成し遂げてくれた。
年齢なんて記号に過ぎない、とは昨今よく言われるけれど、松田聖子に限っては、年齢は時代との符牒…合言葉になっていることは間違いない。
たとえそれが何歳のときであっても、聖子がなにかしたなら、その年齢は特別なものになるのだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
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