結婚を公表したテレ東・田中瞳アナ「『モヤさま』で私は“丸裸”にされてしまうんです」…高校時代に殻を破ろうとして…初エッセイ本でも明かされる、恥ずかしエピソード
集英社オンライン / 2024年11月20日 17時0分
2019年にテレビ東京に入社して以来、報道とバラエティの両輪で活躍を続ける人気アナウンサー・田中瞳(28)。先日結婚を公表し話題となったが、11月20日に自身初となるフォト&エッセイ『瞳のまにまに』(講談社)が発売となる。今では同局の看板アナウンサーとして成長した田中アナだが、入社直後は「アナウンス部に馴染めない時期があった」と当時を振り返る。エッセイ執筆の裏側と合わせて、入社後6年間の道のりを聞いた。(前後編の後編)
「今やるべきことだったのかもしれません」
――初のフォト&エッセイ『瞳のまにまに』の発売、おめでとうございます。まずは、今の率直な気持ちをお聞かせください。
田中瞳(以下、同) ありがとうございます。これまで公の場で発信することがなかったので、エッセイというぎゅっと凝縮した形で自分の考えが世に送り出されるのは、若干恐ろしさがありますね。
もちろん楽しみなのですが、一方でどんなふうに受け取られるのかちょっとだけ怖いな、と……。
そもそも私はテレビ局のアナウンサーで、会社員なので、「こんなにパーソナルなことを書いていいのかな?」とも思うんです。
もちろん、会社員だって自分を発信していいとは思うのですが、私はまったく曝け出してこなかったので、「『何を語っているんだ』と思われちゃうかな」「ちょっと恥ずかしいな」という気持ちもありますね。
ただ、さまざまな情報源があるなかで、このエッセイでは“本当の自分”のことだけを綴っています。
そういう意味では、今の自分にとってやるべきことだったのかもしれない、とも感じています。
――ご自身の言葉で文章を綴ってみて、いかがでしたか?
すごく楽しかったです! 普段の仕事で文章を書くことが、実はあまりなくて。基本的には原稿を読むことのほうが多いので、自分の考えを文字にしていくという体験自体が新鮮でした。
でも出来上がった文章を見て、「暗い人って思われないかな~」と思ったり……。そう捉えていただいても大丈夫なのですが(笑)。
――これまで日記を書き溜めるなどのご経験は?
いえ、日記は本当、三日坊主を何回繰り返したことか(笑)。3ページしか埋まっていない可愛いノートが、家にいっぱい眠っていますね。
――執筆中、何かご苦労されたことはありましたか?
書き終えた文章でも、次の日に見ると、「なんかちょっと違うな」と感じることも多くて。
執筆自体が慣れない作業だったので、書いては最初から読み返して、と続けていたら、けっこう時間が掛かってしまいました。関係者の皆さんには、ご迷惑をおかけしたと思います。
青春を過ごした学生時代。「高校入学後、少々奔放に……」
――田中さんは幼少期、どんな子どもだったのでしょう?
あまり泣かず、おとなしい子どもだったみたいです。
成長してから親に聞いてみたところ、先生が日誌に「お友だちと戯れずに、1人で窓の外を見ていて、ちょっとだけ心配です」と書いていたようで(笑)。群れの中に入っていくのは、今でも得意ではないのですが。
――学生時代も、おとなしいタイプだったんでしょうか?
中学生のときは、クラスの学級委員を担当しましたね。ただ、それもちょっと不純な動機で、小学校のときからずっと好きだった男の子がやると言ったから、私も手を上げただけなんです(笑)。
あと吹奏楽部に入部して音楽に打ち込んだりしましたが、基本的には静かで真面目な生徒だったと思います。ただ、高校に入学してから、少々奔放に…。
――素行が悪かったとか……?
いえいえ、全然そんなことはなくて! 私が通っていた高校は、そこまで校則が厳しいほうではなかったんです。
だから、思い切ってスカートを短く履いてみるとか、そういうことで1枚ずつ殻を破ろうとしていましたね。ただ根が真面目だから全然破りきれない、みたいな(笑)。
でも、いま高校時代を振り返ると、本当に青春映画のような日々を過ごしていたなぁと思います。
――エッセイでは、当時のエピソードとして「誰がどれだけ面白いことするか競い合っていた」と書かれていましたね。
高校時代は、私を含めた女子4人組でよく遊んでいたんですが、普段からまともな会話をしていなかった気がします。
誰かがふざけたら、別の子がそれを超えようとさらにふざける、みたいな。だから休み時間とか、もうずっと笑って過ごしていましたね。
――その経験が、今のお仕事にも活かされていそうですね。
そうですね。最初は意識していなかったのですが、たとえば「モヤモヤさまぁ~ず2」(以下、モヤさま)を担当する中で、本当にいろいろな方面から「なんで躊躇がないの?」と言われることが多くて。
改めて理由を考えてみると、やっぱり高校時代に友人たちと過ごした毎日が源泉になっているのかな、と。
中学生のときの私のままだったら、たぶん今みたいには自分を表現できていないと思います。
「『モヤさま』では私が“丸裸”にされてしまうんです」
――改めて、田中さんがアナウンサーを志したきっかけを教えてください。
大学時代に、キャスターを経験させていただく機会がたまたま舞い込んで来まして。そのときに初めてテレビ局に入って、報道フロアの様子を目の当たりにしたんです。
その際、アナウンサーがどういう仕事なのか、リアルな姿を間近で見ることができたんです。
それまでアナウンサーの仕事って、手元の原稿を読むことだと勝手に思い込んでいて。
でも、全然そうではなかった。「もっとこうしたほうがいい」「視聴者に伝えるためにはどうすればいいか」と、制作チームの一員として知恵を絞って働く姿がすごく魅力的で、いい意味でのギャップに惹かれたんです。
――入社当時からバラエティと報道での活動を希望されていたとのことですが、その理由は?
就職活動のとき、テレビ東京(以下、テレ東)以外の局では報道志望で面接を受けていたんですよ。
テレ東は最後に受けたのですが、面接前に人から「テレ東は人が少ないから、いろいろな仕事を経験できるらしいよ」と聞いて。それなら報道とバラエティを同時に担当させてもらえるかも、と思ったんです。
――「テレビに出る」ということに対して、入社当初は抵抗がありましたか?
「ニュースを読む」という仕事に対しては、もともと抵抗はなかったです。というのも、視聴者は私を見ているのではなく、報道内容を聞いているので。
一方で、たとえば「モヤさま」の場合は、私が“丸裸”にされてしまうんですよ。姿勢、箸の持ち方、笑い方……全部が、録音された自分の声を初めて聞いたときのような感覚で、担当したばかりのころはとにかく恥ずかしかったですね。
それは「飾らずにできている」ということでもあるとは思うのですが。
――エッセイによると、アナウンス部になかなか馴染めない時期があったそうですね。田中さんは、悩みごとを1人で抱えてしまうタイプなのでしょうか。同期入社だった森香澄さん、池谷実悠さんに相談することは……?
同期には相談しなかったですね。というか、誰にもしませんでした。
おっしゃるとおり、もともと悩みがあっても誰かに相談するタイプではないんですよ。なので、周りに非があるわけでは全然なくて。単純に、私が群れに入っていくのが苦手なだけなんです。
アナウンサーって、基本的には“個人商店”なんです。複数のアナウンサーが同一の番組を担当することは、あまりなくて。だから一緒に仕事をすることはないけど、同じ部署にいる。
学生時代の関係性とは違いますし、同期であっても友だちではないわけで、なかにはライバルだと捉えている方もいますよね。
そういうことをいろいろ考えていたら、どう接したらいいのか、わからなくなってしまって。だから、アナウンス部というよりも、当時の私はそもそも「社会」というものに溶け込めていなかったんですよ(笑)。
――入社6年目を迎えて、そこから変化はありましたか?
この6年で変わったのかどうかというと……馴染めていないというのが思い込みだったことはわかりましたが、たぶん私の性格は変わっていないと思います。
悩みは変わりながらもずっと持ち続けているのですが、なぜ人に相談しないかというと、たぶん自分の中に正解があって、それを曲げたくないからだと思うんですよね。
だから悩むこと自体、そこまでツラくなくて。これまでも自分の中の正義を信じてきたので、きっと強いほうなんですよ、ハートが。
取材・文/毛内達大 撮影/恵原祐二
〈田中瞳アナ、発散方法は「“1人”パーティー」 自身が出演する番組は全部見るほどストイックなアナウンサーの原動力〉へ続く
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