田中瞳アナ、発散方法は「“1人”パーティー」 自身が出演する番組は全部見るほどストイックなアナウンサーの原動力
集英社オンライン / 2024年11月20日 17時0分
〈結婚を公表したテレ東・田中瞳アナ「『モヤさま』で私は“丸裸”にされてしまうんです」…高校時代に殻を破ろうとして…初エッセイ本でも明かされる、恥ずかしエピソード〉から続く
入社1年目からテレビ東京の人気バラエティ番組「モヤモヤさまぁ〜ず2」の4代目アシスタントとして抜擢され、今や押しも押されもせぬ同局のエースとして活躍する田中瞳アナウンサー(28)。自身の結婚をも公表した番組をともにするさまぁ〜ずの2人は「田中の売りは、思い切りのよさ」と語るが、その笑顔に隠された彼女の原動力はどこにあるのか。現在ハマっていることやストレス発散の方法など、プライベートも交えて詳しく聞いてみた。(前後編の後編)
『モヤさま』初登場で「ヤバイー!」発言は「自分でもドン引きしてしまって……」
――アナウンサーになったことで、私生活に何か変化はありましたか? エッセイ内では「遅刻が少なくなった」とご友人に指摘されていましたが。
田中瞳(以下、同) その部分、ああ情けない!と思いました(笑)。遅刻に関しては、昔はそうだった、というだけですので……。
それでいうと、普段の言葉遣いに関しては、すごく変わったと思います。「言葉選び」といいますか。
――ご執筆された文章からも、丁寧に言葉を選んでいる様子が伝わりました。
ありがとうございます。やっぱりテレビを通して多くの人に届くと思うと、どういう言葉で話すべきか、すごく考えてしまいます。
私はアナウンサーなので、発する一言一言に責任がある。普段から「モヤモヤさまぁ~ず2」(以下、モヤさま)のような“丸裸”にされる番組を担当しているからこそ、日常から意識して過ごさないと、どうしたって表に出てしまうんです。
たとえば、初めて「モヤさま」に出演した回で、私「ヤバイー!」と言っていたんですよ(笑)。その放送を見て、ドン引きしてしまって……。
――出演された番組は、ご自身で見返すのでしょうか?
絶対に観ます。たとえば「モヤさま」は1日中ロケをしているんですが、実際の放送時間は45分。どこが採用されて、どこがカットになったのか、自分で放送を観ないと振り返られないわけです。
もちろんディレクターさんのセンスもありますし、正解があるわけでもない。でも、何がよくて何がよくないのか感覚を養うためにも、絶対に観るようにしています。
――これまでのキャリアで、ターニングポイントとなった仕事や出来事はありますか?
入社2~3年目に某番組のパイロット版を担当したことがあるんです。その番組にはゲストの方々もたくさんいらっしゃっていたのですが、その段階ではスタッフ陣も探り探りで、どうなるかわからない状態で。番組内容としては、世界中の特派員に同時に中継を繋ぐというものだったのですが……。
――仕切るのも大変そうな番組ですね。
そうなんですよ。ただ収録日が近くなっても台本が来ず、前日深夜になってようやくスタッフ陣と初めて打ち合わせをして。
分厚い資料を渡されて「明日は田中に懸かっているから、よろしく」と言われて……いや、こんな経験もない若手に任せていいの!?と思いながら「でもなんとかしなきゃ」と思って。
そうした状況で本番を迎えて、すごく必死で自分では実感がなかったのですが、収録後に「番組が成立したのは、田中のおかげだよ。ありがとう」とスタッフ陣やMCを担当されたタレントさんから感謝の言葉をもらったんです。
そのときに初めて「頼りにされるのって、こんなに嬉しいことなんだ!」と思ったんです。
それまでは「視聴者に向けてどう伝えるか」ということに重きを置いて考えていたのですが、その出来事を機に「スタッフに信頼されるアナウンサーになりたい」とも強く思うようになりました。
さまぁ〜ずの2人に学ぶ、アットホームな番組のつくり方
――入社1年目から「モヤさま」の4代目アシスタントとして活躍している田中さんですが、さまぁ~ずさんとの仕事を通じて、どのような学びがありますか?
本当にたくさんありますし、さまぁ~ずさんとの仕事はすべてが学びにつながっているのですが、一番は「スタッフとの接し方」ですね。
たとえば「モヤさま」では、ADさんやディレクターさん、カメラマンさん、音声さんなど、本当にたくさんの人がロケに参加しているんですよ。
そうした状況で、最初のころの私は、どうやって皆さんと接したらいいのか全然わからなくて。そもそも「この方は何を担当されているのだろう……?」みたいな。
でも、さまぁ~ずさんの場合、初めて現場に参加したADさんとかにも絶対に気付いて声をかけるんです。「あれ、キミいたっけ? 名前は?」みたいな。番組の打ち上げなどでも、そういう方々と優先的に喋りたいという気持ちが強いようで。
スタッフの皆さんと、隈なく会話して、コミュニケーションを取る。「支えてもらっている」という意識があるからこそ、三村(マサカズ)さんも大竹(一樹)さんもそう接しているわけですよね。そうしたお二人の姿勢は、本当に勉強になります。
――エッセイ内の鼎談で、さまぁ~ずさんが「田中の売りは思い切りのよさ」と指摘していましたね。
もともとそういう部分があるのかもしれませんが、「せっかくカメラが自分に向いているんだから、何かしなきゃ!」と思ってしまうんですよ。
特に「モヤさま」は収録ですが、生放送みたいなものなんです。街の方々とのやりとりは、瞬間的にしか生まれない奇跡のようなもので。
ポンポンと気持ちのいいスピード感を止めたくなくて、「どうしよう~!」と考えている余裕はないんです。
そうやって絞り出されたものが、たまたまアレなだけで(笑)。だから、思い切りがいいも何も、特に何も考えていないんですよ。
日々のストレスは「1人パーティー」で発散
――今、プライベートで熱中していることはありますか?
最近は旧型のデジタルカメラを持って、出先でパシャパシャ写真を撮っています。
以前はフィルムカメラを持ち歩いていたのですが、先日秋葉原のカメラ店でおじいちゃん店主にいろいろ説明してもらい、おすすめされた古いデジカメをそのまま買いまして。今では基本的にカバンに入れて、いつでも撮れるようにしています。
――田中さんは、普段どうやってストレスを解消しているのでしょうか?
「1人でご飯を食べに行く」ですね。自分だけが食べたいもの・飲みたいものを注文する……“1人パーティー”みたいな(笑)。私にとってはそれがすごく贅沢な時間で、満たされていると感じます。
――今後、どんなアナウンサーになりたいですか?
視聴者の皆さんから見える仕事・見えない仕事がありますが、1つ1つ絶対に手を抜かないでやっていきたいです。
そうすることで、テレ東では多様な領域の番組を担当できる、ということを体現していきたい。
それと、「このジャンルは、田中だとあんまりなんだよね」と言われることなく、どんな内容でも安心して任せてもらえるようなアナウンサーになりたいと思っています。
――今回のエッセイは、日常に生きづらさを感じている方々がホッと息をつけるような内容にもなっていると思います。そうした同世代の方々に対して、田中さんがアドバイスを送るなら?
私からアドバイスなんて、とんでもないですよ。でも、葛藤している人が自分以外にもいるとわかるだけでも、きっと安心できる部分があると思います。
なので……ぜひエッセイを買って読んでいただく、ということで(笑)。
――(一同笑)
きっと「この人、何言っているんだろう」とか、「なんだか楽しそうに働いているな」とか、いろんな感想があると思います。
でも、このエッセイに載っていることが私のすべてだと思って、受け止めていただきたいですね。皆さんからどんな感想が聞けるのか、今から楽しみです。
取材・文/毛内達大 撮影/恵原祐二
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