〈香取慎吾とTATTOOでコラボ〉芸能界で「姫」と呼ばれた中森明菜が唯一無二である理由
集英社オンライン / 2024年11月19日 18時2分
香取慎吾(47)の3枚目のニューアルバム『Circus Funk』(11月27日発売)に、中森明菜(59)とコラボレーションした「TATTOO(feat. 中森明菜)」の収録が決定し、先行配信シングルとして20日にリリースされることが発表となった。世代の異なるいずれもビッグスターふたりのコラボにつながった「中森明菜」という唯一無二の存在について改めて考えてみたい。
〈画像〉レコーディングする明菜と香取、ジャケットワークで振り返る明菜
「いつかカバーしたい」と思っていた
香取慎吾が中森明菜の「TATTOO」をカバー、だけでなく、明菜本人とコラボまでする……そんなニュースが今朝から駆け巡り、双方のファンならずとも異色の組み合わせに驚き、関心を引かれたはずだ。
報道によると、かねて明菜の「TATTOO」が好きで「いつかカバーしたい」と思っていた香取が新作アルバム制作のタイミングで「今『TATTOO』じゃないか」と思い、明菜サイドに打診したところ、OKの返事が返ってきたという。
そこからさらに香取が「もし、可能であればご一緒に歌っていただけないでしょうか?」と連絡すると「是非!」という返事があり、今回のコラボが実現したのだとか。
香取の熱烈オファーに返した明菜の言葉がまた胸熱だ。
「香取くんに言われて来ないという選択はなかった。ずっと見てたから。応援してました」
気前よく公開されたレコーディングするふたりのツーショット写真といい、明菜と同世代で、ずっとその活躍を見てきた筆者からすると、信じられないようなニュースだ。
80年代を駆け抜けた唯一無二のスター
1982年にデビュー。多くのヒット曲を送り出し、松田聖子とともに80年代を駆け抜けた大スター・中森明菜。聖子がある意味したたかに時代を踏み台にしてきたのと対照的に、明菜は実に不器用に時代に翻弄されてきた感がある。
彼女のスター人生の大きな転換となってしまったのはやはり1989年の自殺未遂だが、「TATTOO」はその前年1988年にリリースされている。
1985年の「ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕」、翌年の「DESIRE -情熱-」で、2年連続、日本レコード大賞を受賞し、歌手としてひとつの頂点を極めた明菜は、以降は楽曲やアルバムのセルフプロデュースも担当するようになる。
この「TATTOO」というナンバーはその集大成ともいえる通算21枚目のシングルで、オリコン週間ランキングで1位はもちろん、当時の人気音楽番組『ザ・ベストテン』でも1位を獲得し、これで同番組で1位になった週が通算69週を記録、番組史上最多回数となった。さらに同番組で1位獲得し楽曲曲数もこれで17曲目となり、これもまた歴代1位だ。
真っ赤なスパンコールのマイクロミニのドレスをまとい、レトロなスタンドマイクを前にビッグバンド風のサウンドのナンバーを熱唱。当時、自分の脚にコンプレックスのあったという明菜はミニ丈の衣装に難色を示すも、楽曲の世界観のために必要なことだと、最終的には自ら納得したコスチュームだったという。
幼少時にクラシックバレエを中途半端に習ったことで脚が太くなってしまった、と何かの番組で話していたのを覚えているが、「TATTOO」で披露したその脚線美は素晴らしかった。
ここにいたるまでのすさまじいまでの活躍。
デビューこそアイドルだったが、情感あふれる歌唱力と、あどけない笑顔とクールな表情が混在するギャップが魅力のルックス、衣装や振り付けに見られる独特のセンスで、どんどん世界観を広げ、中森明菜はまさに他の追随を許さない唯一無二の存在となっていた。
男性芸能人たちから「姫」と呼ばれる存在
この頃の明菜のエピソードで印象的なことがある。
『ザ・ベストテン』『夜のヒットスタジオ』といった当時人気を誇った歌番組は出演歌手たちの歌唱はもちろんだが、それ以外に、司会者や共演者たちとのトークの掛け合いタイムもお楽しみだった。司会の黒柳徹子や芳村真理の軽妙なツッコミがもたらす、アイドルやスターのちょっとした素顔やプライベートの片鱗が、視聴しているファンにはうれしいものだったのだ。
そうしたトークタイムで、明菜はほかの男性芸能人からよく「姫」と呼ばれていた。
とくに記憶に残っているのがチェッカーズの藤井郁弥(現・フミヤ)にとんねるずだ。ことあるごとに「姫はさ……」「だって姫がそういったじゃん?」と明菜に呼びかけ、明菜も当たり前のように応える。
『ザ・ベストテン』はスタジオに来られない歌手には居場所まで追っかけ、中継で歌ってもらうのが売りの番組だったが、とんねるずの番組収録中だった明菜が「Fin」を歌った際に、石橋・木梨のふたりが即興で明菜の振り真似をしながらバックで踊ったのは最高だった。
とくに何事も器用な木梨による明菜の振り、歌いかたのしぐさのコピーは見惚れるほどだった。
「明菜、愛されてるなあ」……当時もちろんお茶の間のテレビからこうしたシーンを見ていた筆者は「姫……なんて明菜にぴったりな呼び名なんだろう」と思ったものだ。
それはもちろん明菜が当時とびきりのスターだったというのもある。けれどそれとは別に、明菜独特の繊細さ、神経質さ、危うさみたいなものを少しだけ遠巻きに扱うような、そんな特別扱いぶりと「姫」という呼称がぴったりに思えたのだ。
昭和の大スター・美空ひばりが「お嬢」なら、明菜は「姫」。
今でこそ歌姫だの○○姫といったたとえはくさるほどあるけれど、芸能界の元祖・姫といえばやっぱり明菜なのだ。聖子でもキョンキョンでもなく。
夢を叶えた慎吾少年とそれに応えた姫
「TATTOO」がリリースされた1988年、香取慎吾は11歳。この年の4月にSMAPが結成され、メンバーの中では最年少だった。
前年の1987年にジャニーズ事務所に入り、SMAPの前身ともいえる、ジュニア内のグループ「スケートボーイズ」のメンバーとして光GENJIのバックを務めていた。
そんな慎吾少年にとって当時の明菜はどんなふうに見えていたのか。
ひょっとしたら『ザ・ベストテン』にランクインした光GENJIの後ろにいながら、スタジオで明菜とすれ違うくらいのことはあったのかもしれない。
もしかしたらその頃に「TATTOO」の迫力あるヴォーカルを生で聞いたのかもしれない。
明菜は1989年の自殺未遂以降、活動を一時休止する。一方、SMAPは既存のアイドル像をくつがえす活動で、歌にドラマにバラエティにと、90年代以降、まさに八面六臂の活躍を繰り広げていく。
そのころの香取に、30年以上経って、大好きな楽曲を本人とコラボまでできるとは、まだ想像もできなかったのではないか。
憧れと夢を叶えた「慎吾少年」とそれに応えた「姫」の奇跡のコラボ。明日の楽曲配信が本当に楽しみだ。
くしくも今日、今年のNHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された。
最近の紅白は特別枠やらなんやらで、大晦日近くまでサプライズ発表を小出しにしてくる。
今日の発表に明菜の名前はなかったけれど、望みはまだ捨てていない。
文/集英社オンライン編集部
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